木村榮一『ラテンアメリカ十大小説』(岩波新書)を読了

2011年2月18日 第1刷発行
ISBN978-4-00-431296-3 C0298 Y700E
定価:本体700円+税

メモ内容紹介

インディオたちがのこした伝承とヨーロッパの近代をともに腐葉土としながら、
夢や魔術と過酷な現実とがふしぎに入り乱れる、
濃密な物語を紡いできたラテンアメリカ。
ボルへス『エル・アレフ』、ガルシア=マルケス『百年の孤独』、
バルガス=リョサ『緑の家』、そして?
翻訳の第一人者として知られる著者による、待望の作品案内。


(本書カバーより)

本

私がラテンアメリカ小説を読む際に心がけていることは

1)読書の時間的余裕があること!
ぶつ切りで読むことはまず不可能
というよりも読みはじめると止まらなくなることはわかっているので
予定が詰まっていないときにじっくり読める環境を整えておくことが重要です

2)登場人物の一覧表や関係図をメモる!
ラテン系の人物名が大量出演すると頭がごちゃごちゃしてくるので
チラシの裏面などにメモをとり それを栞代わりにしています

3)よくわからなくても読み通す!
慣れないうちは流麗な文体と濃密な情報量に圧倒されてしまって
うっかりすると読み飛ばしてしまいがちになりますが
それでも最初はかまわないと思っています
とにかく最後まで読んでしまうこと

4)そのうえで再読の有無を決める
読んだ でもなんだかよくわからなかった でもなんだかすごかった
というような感想を抱くことも多いので
そういった場合 そのよさを理解できない自分が悔しくなるので
再読することになります
あるいは文庫化の際にもう一度買って読んでみるというようなことをします
その際にはその地の風俗やら独裁政権などの背景となる知識を仕入れておきます

で本作ではラテンアメリカ文学の初心者におすすめの
まさに王道な読書ガイドになっています

とりあげている本は下記の十作品

ホルヘ・ルイス・ボルへス『エル・アレフ』
アレホ・カルペンティエル『失われた足跡』
ミゲル・アンヘル・アストゥリアス『大統領閣下』
フリオ・コルタサル『石蹴り』
ガブリエル・ガルシア=マルケス『百年の孤独』
カルロス・フェンテス『我らが大地(テラ・ノストラ)』
マリオ・バルガス=リョサ『緑の家』
ホセ・ドノソ『夜のみだらな鳥』
マヌエル・プイグ『蜘蛛女のキス』
イザベル・アジェンデ『精霊たちの家』

ここにあげた以外にも本文中ではたくさんの作品が言及されています
そのなかにはまだ読んでいない作品も(恥ずかしながら)あるので
これから本書を指針にして
その「新作」を発見していきたいと思います

独断評価:90/100

ラテンアメリカ十大小説 (岩波新書)/木村 榮一

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