- ヴァルキリープロファイル -咎を背負う者-
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CHAPTER 4 道標無きままに
グレンセン郊外の魔物を倒した後・・・
フォーネル 「 バルマー殿、ご無事ですか 」
バルマー 「 私は大丈夫だ。」
ウィルフレド 「 俺もだ。」
フォーネル 「 まずはよかった・・・
しかし、事態は予想以上に深刻です。」
バルマー 「 そういえば、何ゆえ戻ってきたのだ 」
フォーネル 「 この先にも、魔物があふれておりました。
沈黙するホーン家に苛立った者どもが、
領地を囲み、魔物を放ったようです。」
バルマー 「 ・・・何だと 」
フォーネル 「 おそらくこの襲撃は、ほんの一部に過ぎません・・・。
バルマー殿の邸が心配です。」
バルマー 「 邸には、両親にフィオナもいる。
すぐにどうこうということはないと思うが・・・。」
フォーネル 「 気をつけて、お戻り下さい。」
バルマー 「 ・・・ああ、分かった。 ウィルフレド殿はーーー。」
ウィルフレド 「 お供しましょう。
・・・貴方の妹に、頼まれているので・・・。」
バルマー 「 何から何まで、申し訳ない・・・。」
騎士都市グレンセンから、ホーン家へ行くと・・・
フィオナ 「 もうお引取り下さい。 ウィルフレド殿。」
ウィルフレド 「 ・・・・・・ 」
フィオナ 「 兄上をお願いしておいての身勝手な言い分は、
詫びさせて頂きます。
ですが、こうなった以上、部外者の貴方を
当家の問題に巻き込むわけにはまいりません。」
ウィルフレド 「 兄君から聞いたのか
魔物の襲撃の理由を・・・。」
フィオナ 「 ・・・いいえ。
いずれ家を出なければならぬ女の私に、
聞かせる必要はないと、兄上達は判断されたのでしょう。
今とて、家の行く末を決める大事な話し合いに、
一人席を与えられずに、ここでこうしているのですから。
ですが、此度の魔物の襲撃が、不自然であることぐらい、
私にも察しがつきます
・・・それが、我がホーン家にとって、
よからぬ予兆であることも。」
ウィルフレド 「 ・・・・・・。」
フィオナ 「 戦嫌いで、剣より本を好むバルマー兄上に、
当主は務まらないのではと、
かねてより案じていましたがーーー。
ニコラス兄上と私が支えれば、
ホーン家は大丈夫だと信じていました。
それがニコラス兄上の死をきっかけに、
半隠居の両親まで変節してしまった・・・。
このままでは武門の名家としての
ホーン家の名誉が失われてしまいます 」
to be continued ・・・