鷹12月号

テーマ:

ラ・フランス沈黙がふたりをつなぐ     柏倉健介(東京)

 

沈黙を恐れる若者でも、

ぞれぞれの思いに耽る長年連れ添った夫婦でもない

互いの気配を感じられる距離にいて

自分のことではなく、相手を愛おしく、深く思う

二人に言葉が大切なときもあるけれど

ときに言葉で伝えようと思えば思うほど、

一層伝わらないことがあるラブラブ!

 

 

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鷹12月号

テーマ:

受話器置き恋の終りや天の川      鎌田ひとみ(川崎)

 

頻繁に会えない時間を電話でつなぐ恋

どちらに原因があったのか分からないけれど、

フッと灯が消えるように恋が終る

激しく傷つきもしなければ、

喜びにうち震えることもなかったラブラブ!

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城山を守る会納会

テーマ:

一昨日は城山を守る会の納会だった

近くの公民館をお借りして寄せ鍋とキムチ鍋を作った

参加者は13名

女性たちは少し早く来て、野菜を洗って準備する

その間、男性が会場の二階を万端整えてくれた

酒を買うのも、コンロを持ってくるのも男性

城山を守る会の男たちは実に協力的で驚かされる

早く来て準備した私たちに「ありがとう」とねぎらってくれる

この世も私たちのように男女が助け合って睦まじく過ごせたら

どんなに平和だろうかと思わずにはいられない

今日は父の何回目かの命日

当時、病院の父を見舞うたびに父から活力をもらった

ほとんど分からない状態だったのにも関わらず不思議

今の私の活力はもしかしたら、

父が私に授けてくれたものかもしれないラブラブ!

 

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鷹12月号

テーマ:

飛べさうな水たまりあり彼岸花       芝崎芙美子(秩父)

 

若いときなら、楽々と飛べたけれど、

年齢を考えれば小さな水溜りさえ侮れない

そぞろ歩いていると、光を湛えた水溜りがある

飛んで見ようと思うラブラブ!

 

鷹12月号

テーマ:

鵙の贄頭が薄くなりにけり      天地わたる

*月光集

 

薄毛は男性だけでなく、

女性でも加齢ととも進んでゆく

地肌が透けるほど、髪の量が減ったらどんな気持ちになるだろう

木の枝に刺さった、干からびた又は生々しい蜥蜴や蛙を見て、

わが晩年の姿と重ねたか、

鵙の旺盛な行動力、生命力に怯んでいるのか分からないけれど、

「頭が薄くなりにけり」という呟きに選んだ「鵙の贄」

この二つの出合いは面白いラブラブ!

 

鷹12月号

テーマ:

鯛の目玉しやぶつてああすぐに冬か     中山玄彦

*月光集

 

中山さんも私と同類だ

鯛や鰤の大きな目玉が好きで真っ先に食べる口だ

空洞になった眼窩を見ても

無慈悲で冷酷だとはちっとも思わないタイプ

宗像では鯛のあら炊きは年中食べられるけれど、

あら炊きは寒い時期が一番美味しい

濃く味付けされているけれど、身はふんわりと白く

日本酒とよく合うラブラブ!

 

 

鷹12月号

テーマ:

不知火や抱けばしづかになる女       加藤静夫

*月光集

 

なにかと突っかかってくる気性の激しい女に、

男は為す術もなく途方に暮れるけれど、

まるごと、抱き絞めてしまえば、もうこっちのもの

女性性とは案外他愛もない

不知火の正体と同じラブラブ!

日曜日の午後から、NHKの囲碁番組を楽しみにしている

今日の特集は「囲碁を愛した俳人 正岡子規」

野球ともう一つこよなく愛していたものが囲碁

30以上の碁の句を残しているという

 

月さすや碁をうつ人のうしろ迄

下手の碁の四隅かためる日永哉

真中に碁盤据ゑたる毛布かな

昼人なし碁盤に桐の影動く

 

棋力は5級以下のようだ

「四隅取られて碁を打つな」という格言通りに打っても

必ず勝てるとは限らないのに実直に打つ子規

四隅をかためている間に白石に

中を広く囲われている(囲わしている)

とも気づかず打つ子規

可愛い側面が見えて楽しい

下手は下手なりに面白いのは俳句と同じ

今年は生誕150年の年

14回囲碁殿堂入りすることが決まった

平成14年に野球殿堂入りニコニコ

二つの殿堂入りで子規さんはさぞかしびっくりしているだろうラブラブ!

 

 

 

鷹12月号

テーマ:

小鳥来る誕生日妻起こさずに    細谷ふみを

 

女は誕生日といえ、

家事から解放されることはない

けれど、今朝はゆっくり寝かせてあげよう

お茶くらい自分で入れることが出来る

今更、特別なプレゼントを思いつかなくてもいい

長く連れ添った夫婦

互いを労り合い、思いやるラブラブ!