先日、91歳になる加賀乙彦さんのラジオインタビューを聴いた

80歳から、芭蕉が読書の目標となったという

『わたしの芭蕉』

加賀さんの丁寧な文章が実にいいラブラブ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

お久しぶりです

お元気でしたか

私は相変わらず元気です

でも還暦を過ぎてからは

健康に良い食べ物や運動を心がけるようになりました

デトックス効果のある有機硫黄化合物、

(葱、韮、大蒜、玉葱など)は毎日摂取しています

体力的には春からずっと、

一週間に2、3回城山(369メートルの里山)に登っています

あれから6か月、脚力、つきました!

他には老後の楽しみに取っておいた一つ一つを

気の向くままこつこつやっています

今日、火曜日は仲間と城山に登る日

マスクをしないでいい日ニコニコ

仲間は私の拙いお喋りを覚えていて、

次に会ったとき

アレはどうした?

あの映画は面白かった?

などと聞いてくれる人たちですラブラブ!

 

これまでやって来たことを止め

好奇心の向くままの時間を過ごしていたら

思い残すことがないことに気づいたラブラブ!

 

新たなチャレンジをする最後のチャンスだと思い、

一旦、俳句から遠ざかることに決めました

皆さま、本当にありがとうございましたラブラブ!ドキドキドキドキ

吹き飛ばされた四肢べつべつに花へ這ふ    竹岡一郎

瓜畑めざめて目鼻掻き集む              

草いきれ固めて僕として立たす            

 

一郎さんの思考回路を借りると

つまらない人生が面白いもののように感じる

ばらばらになってしまったもの

自分勝手にどこかへ行ってしまったものが

一つになろうとする幻想は明るくて愉しい

 

つなぐ手やはらか葉月の山の闇をゆく      一郎

黒髪に千鳥の声を編みこむよ       

花ふぶく夜は咆哮の閨となる       

 

難解な作品の多い中で垣間見られる

これらの句の素直さにこそ

真実があるのではないだろうかラブラブ!

 

白南風へエメラルド吐き散らす旅     竹岡一郎

 

エメラルドグリーンに透き通った海原を見るたびに思い出すのが

篠原鳳作の代表句、「しんしんと肺碧きまで海のたび」

これからは一郎さんのこの句も付け加えよう

実際は宝石のエメラルドなんだろうけれど、

目の前にひらけたエメラルドグリーンの海も、

宝石のエメラルドも同じ

それらを吐き散らして旅をしていると想像することは実に楽しい

想像などと言うと一郎さんは不満だろうけれどラブラブ!

  

 

目玉涸れ丼に盛る寒の石   竹岡一郎

 

濡れて外気に触れている唯一の器官、

眼球が涸れている

丼に落とす卵にはなれないから

寒の石を盛るのだと言っている

不思議で非現実的な印象はキュビスムの絵画を見ているよう

 

雪に正座して礫と脛と睦む        一郎

殴られすぎて音楽になる雪か   〃

 

痛みが消え、やがて訪れる陶酔

雪の幻聴に身を任す昂揚と快楽ラブラブ!

 

開戦日全霊で猫抱いて座す    一郎

一家戦没以来不死なる竈猫

漆黒たらんと白鳥のこころざし

とりあへず生まれることを拒むな獏

乳房あれ人日の暗黒にこそ

 

あとがきに、一郎さんが言う

無数の末期の吐息と無数の産声

つまり「生死の螺旋をどこまでも遡り」

全霊で猫を抱き、無となって座す

生きている白鳥は死の闇から逃れることはない

生まれようとしている獏をこの世に引き受ける

1月7日の人の日を暗黒と言い

「乳房あれ」と願う

一郎さんの俳句は読者を引きつけるというより、

置いてきぼりにしてしまう村上春樹作品に良く似ている

満月が毀れてはデモ隊となる      一郎

理解しようとせず、心を遊ばせて絵画をみるように

そのまま味わえばいいラブラブ!