プログレッシブ・ロック 2 ジャンル分け | 天使の子「あさひ」

プログレッシブ・ロック 2 ジャンル分け

前回の続きです。

プログレッシブ・ロックのジャンル分けです。
Facebookより引用


細分ジャンル:

 

一言でプログレといっても様々な音楽性があることから、さらに細分化されたジャンル分けがなされているが、その多種多様性ゆえ、1バンド1ジャンルに近い状態になってしまうこともある。その場合、代表的なジャンルや有名バンド名を組み合わせて説明するケースもある(ジャケットの帯タタキにてよく見られる。例として「アイリッシュトラッドの要素を持ったジャズロック」、「EL&Pを彷彿とさせるテクニカルロック」など)。独自に固定化されたカテゴライズが存在するわけではなく、区分も先ほど出たように帰納法的かつ曖昧であり、いまだにどのバンドをどの区分に当てはめるかでは大きな統一見解と言うものが出てきていない。

 以下ではそうした複雑なジャンル議論を措いて、暫定的ではあるが主要な区分およびジャンルを記述する(国名がついたものは、音楽性的にも一定の共通性があるとされるもの)。

プログレ正統派
主なバンド
イエス、ピンク・フロイド、キング・クリムゾン、ジェネシス、エマーソン・レイク&パーマー(EL&P)、キャメル、ジェントル・ジャイアント 何を持って正統とするかという議論はあるが、70年代の英国のプログレバンドを正統とする意見がある。
また、これらについては特に細分化されたジャンル名がついていないため、便宜上一括りにするケースもある。またこれらのバンド名を使い「○○系」というジャンル分けをする場合もある。

カンタベリー・ロック
主なバンド
ソフト・マシーン、ヘンリー・カウ、ゴング、キャラヴァン、ハットフィールド・アンド・ザ・ノース、ナショナル・ヘルス、エッグ 1960年代後半にカンタベリーで結成されたワイルド・フラワーズを祖とする。この一派に共通する特徴をひとくくりに言い表すことは難しいが、複雑な変拍子や即興演奏を多用しジャズ・ロック色が強いものが、カンタベリー派の代表的な曲調とされる。

ジャズ・ロック
1970年前後にアメリカのジャズの帝王マイルス・デイヴィスやイギリスのギタリスト、ジョン・マクラフリンらが伝統的な手法に縛られないエレクトリック・ジャズというスタイルを追求し、ロックにおいても英国人のジェフ・ベックなどがそちら側へのアプローチを見せていた。またイギリスでも同時期(ブライアン・オーガーなどは1967年にはザ・トリニティを結成していた)にイアン・カーのニュークリアス、マイク・ウエストブルック、ニール・アーダレイ、ジョン・ハイズマンのコロシアムなど多くのアーティストがジャズとロックの多様なクロスオーヴァー現象の勃興に関与していた。

チェンバー・ロック
主なバンド
:ユニヴェル・ゼロ、サード・イアー・バンド ロック以外のジャンルと結びつきが強いプログレ界隈のなかでも、とりわけ室内楽的なアプローチを大きく打ち出した派閥。プログレッシヴ・「ロック」とはいうものの、もはやロックの要素はあまり顧みられないこともある。

シンフォニック
キーボードや電子楽器を駆使し、プログレッシブ・ロックの壮麗な要素を強調した音像のバンド。主なバンド
ルネッサンス、エニド テクニカル・ロックプログレのテクニカル面を強調したジャンル。

イタリアン・プログレ
主なバンド
PFM、バンコ、オザンナ、ニュー・トロルス、アレア、レ・オルメ、アルティ・エ・メスティエリ、オパス・アヴァントラ、マクソフォーネ、イル・ヴォーロ、クェラ・ヴェッキア・ロカンダ、ロカンダ・デッレ・ファーテ、ラッテ・エ・ミエーレ

ジャパニーズ・プログレ
主なバンド
四人囃子、ファー・イースト・ファミリー・バンド、Novella、シェラザード、KENSO、モンゴル(MONGOL)、ミスター・シリウス、新●月、美狂乱、スコープ、アストゥーリアス、SENSE OF WONDER、後藤忠司、Nuovo ImmigratoCyclone、ページェント、マンドレイク 東欧プログレ主なバンド アフタークライング、コラージュ、クィダム、ソラリス 幻想的で独特の雰囲気がある。東欧ならではの共通点があるのは、音楽機材がソ連製であったことと関係するとの見方もある。

クラウト・ロック(ジャーマン・プログレ)
主なバンド
クラフトワーク、ノイ!、タンジェリン・ドリーム、アモン・デュールII、アシュ・ラ・テンペル、カン ドイツのプログレで、実験的な音楽性を持つ。電子楽器の導入やミニマルな曲展開を特徴とするバンドも多く、後のテクノ音楽にも影響を与えた。

トラッド・フォーク系
主なバンド・ミュージシャン
ジェスロ・タル、フループ、アンソニー・フィリップス ニューエイジ系マイク・オールドフィールド、ヴァンゲリスなど女性ボーカルものケイト・ブッシュ、ドネラ・デル・モナコ、ジョアンヌ・ホッグ、アニー・ハスラムなどもともとルネッサンスなどの女性ヴォーカルのプログレが存在していたが、「プログレ的要素を人によっては感じ取れる」女性ヴォーカルのロック・ポップス・ニューエイジ・民族音楽を「プログレの一種」としてプログレ専門のラジオ・雑誌・ショップなどが取り上げた。プログレとファン層が重なることもあり、一定の支持を受けている。「プログレ度合い」は、非常に高いものからこじ付け的なものまで様々である。

変態系プログレ
主なバンド
エックス・レッグドサリー、ティポグラフィカ 変拍子やリズムチェンジ・転調等のテクニカル面・曲の複雑性・難解性を追求した結果、一見何が何だかわからないような変態的な状態にまでなっていった音楽を演奏するジャンル。

ズール
主なバンド
マグマ、WEIDORJE、高円寺百景、ルインズ、MONGOL フランスのマグマがこれにあたる。独自の音楽形態を昇華してプログレとして扱われつつもひとつのジャンルにまで進化、確立されてしまったもの。ハードロック・ヘヴィ・メタルプログレが生まれた70年代はハードロック・バンドのアルバム中に、プログレの曲が含まれることも多かった。また音楽性やバンド間のミュージシャンの異動等、共通する要素も多いため、区分が今でもあいまいなケースもある。レッド・ツェッペリンやユーライア・ヒープの曲などが、その代表的な例である。キーボードのジョン・ロードにクラシック音楽の素養があり、かつハモンドを多用することからディープ・パープルがプログレとして扱われることもあった。逆に、EL&Pはハードロック寄りの破天荒なステージングを長年に渡って続けている。

シアトリカル・ロック
主なバンド
クイーン、ミートローフ、ラッシュ ドラマ性のある大仰なロック。プログレにカテゴライズされないケースが多いが、プログレ的な要素として語られることがある。なお、プログレ的側面からこのように語られるバンドも普段は別のジャンル名で呼ばれる(たいていはハードロックやヘヴィメタル)ことが一般的で、これらのバンドのプログレ的要素を語る時に使われる用語である。アメリカン・プログレ・ハードカンサスなど一部を除いて曲の長さや難解さ・複雑さはほとんどなく、ポップな要素を持ち合わせているが、キーボードを多用し、幻想的な音作りがプログレを髣髴させることから、このように呼ばれる。音楽評論家の渋谷陽一がこの言葉をはじめに使ったとされている。ジャーニー、ボストン、トト、スティックスが有名で、産業ロックと呼ばれることも多い。米国のバンドが大半を占めるが、英国のエイジアもサウンド的には同様である。

ポンプ・ロック(ネオ・プログレッシブ・ロックとも)
主なバンド
マグナム、マリリオン、ペンドラゴン、IQ、アリーナ 80年代初頭に英国で生まれたロック・バンドの中で、キーボードを多用しプログレの壮麗・荘厳な要素を発展させつつ、内省的な歌詞など70年代プログレの音楽的要素を多く取り入れたバンドを指す。ただし、取捨選択の結果として変拍子や大曲・組曲構成などの引き継がれなかった要素も多い。「先進的」という意味でプログレという言葉を使うにはふさわしくないとして「華麗、盛儀(大仰)」という意味のPOMPとカテゴライズされた。ただし、これは70年代のプログレを絶対視するファンが新興バンドの彼等をプログレと分類しなかったという側面もある。プログレッシブ・メタル主なバンド クイーンズライク、ドリーム・シアター、ペイン・オヴ・サルヴェイション、シンフォニーX、フェイツ・ウォーニング 


明日につづく (私のお勧め プログレ リスト)