2015.11.28(Sat.) ツカツバサ 個展 『反歌』 現在開催中✴︎12時~17時 11月20日(金)~11月30日(月) 入場料無料 プロフィール ツカ ツバサ 2010年 東京藝術大学大学院美術研究科 先端芸術表現専攻修了 2013年 Yotsuya Art Studium在籍 2014年 Post Studium在籍 *** ひとつの作品と呼べるだけのまとまりがどこからどこまでであるかは、作品のテーマや狙い、作家の癖や展示する空間の性質によっても変わって来ます。神保町という歴史ある古本屋街で展示させていただくにあたって想定したのは、きっとこの街には多くいらっしゃるであろう、読解に対する技能と情熱を持った方々でした。 もちろん、美術作品とは味わうものであって、解読するものではない、という考え方もあるでしょう。こうした考え方のほうがポピュラーなのかもしれません。しかし作品の中に生じている事柄の関係性が特定できるからこそ、その妙味を味わうということもあるでしょうし、あるいは逆に、因果関係が一切特定できないのにも関わらず惹かれる作品があるのだとすれば、それはなぜなのかと、同様の傾向を持った作品を比較しつつ検討することもできるでしょう。両者は対立するものでも両立できないものでもないのです。 けれどもどうしてそんな面倒なことをしなければならないのか? ――仮にここまでお読みになって、こういった意見をお持ちになった方がいらっしゃるのであれば、ごもっともです! しかし今しばらく立場を逆転させてみてください。解読が難しいのと同じくらい、作り手が自らに課した制約も大きく、苦しいのです。手の込んだことをしたところで、誰にもわかってもらえないかもしれません。それでも作品がそこにあるのは、あらわされたものにはそれだけのことをする価値がある、少なくとも作家がそのように判断したためではなかったでしょうか。 美術のみならず広く芸術と呼ばれるものの価値の一端は、そこに解読しうるだけの構造と独自性を持った考えがひっそりと封入され、永く解凍のときを待ち続けているという事実にあるのだろうと思っています。(ツカツバサ)

Art Space Sawa/(株)澤口書店さん(@artspacesawa)が投稿した写真 -