『日米開戦の真実』 | 路上から眺める平和なような日常

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拙著『憲法9条の逆襲!』連動ブログから衣替えしました。
たまー・・・に更新します。きっと。

友人の勧めで『日米開戦の真実 ー大川周明著「米英東亜侵略史」を読み解くー』(佐藤 優)を読みました。

集団的自衛権が行使される範囲を徒に拡大させない方法は?
と考えた時、
もしかすると「大東亜戦争」っていう呼称にヒントを
見出せるのかなーと思っていまして。

そこで「参考になると思うよ」と、この本を紹介してもらったんです。
いやあ、すごい本。

壮大で重い題材が読み易くまとめられています。
まー読み切るのに何カ月もかけちゃいましたが、
それは僕の能力とか根性がアレなもんで。

『大東亜侵略史』とは、
日米開戦の直後に放送されたNHK講演を書籍化したもの。
これを読み解きながら、
「八方塞がり」な日本の外交を考えようと説くのが『日米開戦の真実』です。

どんな流れで日本がイギリス、アメリカに
「追い込まれ」て開戦に至ったか。
インド、中国が植民地化される中、
東アジアの盟主として立ち上がる姿勢が
どうして中国に理解されなかったか。
また細かいところでは、
「宣伝」と「煽動」の使い分けについて…。

すごく勉強になりました。

お時間ない方は
第四部「21世紀日本への遺産」だけ読んでも
かなり参考になるかと。

第二部「『国民は騙されていた』という虚構」も衝撃的なんで、ぜひ。

1941年当時の国民は、
騙されていたというより
戦争の現実を知らなかったのかなと。
後の惨状をイメージできるはず、ないですものね。

でも今は違うのでね。
例えば極端な話、
イスラム国との戦いに踏み込めばどうなるか、、、
といった想像はできると思うんです。しましょうよ。

また米中という二大大国に挟まれた現在の日本を考えるきっかけとしても、
同書は非常に役立つと思います。

中国をTPP交渉に引き入れる!
…くらいの外交力を持てれば最高ですね、日本。
そんな絵を描いてみせてくれる政党があれば、
結構ワクワクして投票しちゃうんじゃないかな。

では最後に同書から一カ所だけ引用します。


《引用》
日本の改革は外国の成功例、具体的にはアメリカの新自由主義をそのまま日本に輸入することで可能になるとする慈円型の知性と、改革とは自国の善をもって自国の悪を討つことでなければならないと考える北畠親房型の基本哲学が対峙しているように筆者には見える。(『日米開戦の真実』 第七章「現代に生きる大川周明」より)

この後者の立場をとるなら、
まさに歴史に学んで日本の弱みと強みを知ることが必須でありましょう。
勉強します。はい。。