【追記】2018年2月25日
ルドガー・ハウアー、リドリー・スコットによる2049を酷評してる記事へのリンクを下部に追記しました。


先日、ブレードランナー2049観てきました。
 
ご注意!以下ネタバレしちゃってまよ~!
 
はじめに、

このブレードランナーという作品は
アンドロイドに自我が生まれる事で

 生きたいと望むようになります。
 人間らしい記憶を望むようになります。

つまり自我を持つ者は尊厳が伴うと言う事でしょうか?

 そして
 その尊厳が宿す者とは?
 さらに
 尊厳を宿す事が許される者とは???

を、強烈にこの作品は問いかけています。


この2049を理解・判断する上で
元作をシッカリ理解している必要があります。
よって、元作の見所前の前半に重要となる鍵・布石が有りますのでそれらを少しご紹介。

超有名作品ですから内容書きますよ。


以下wikiより~
ブレードランナーBlade Runner
1982年公開作品

監督リドリー・スコット
脚本ハンプトン・ファンチャー
デヴィッド・ピープルズ
原作フィリップ・K・ディック
『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』
ハンプトン・ファンチャー
出演者
ハリソン・フォード、ルトガー・ハウアー、ショーン・ヤング、ダリルハンナ
音楽
ヴァンゲリス
撮影
ジョーダン・クローネンウェス
編集
テリー・ローリングス
公開
米国1982年6月25日
日本1982年 7月3日
上映時間
118分(初期劇場公開版、ファイナル・カット)
117分(ディレクターズ・カット)
~以上wikiより。
 

元作の良さとは、
先ず、
人種・文化・言語などなどが入り混じった
近未来予測した都市像でしょう。

アジアのどこか?
雨降ってる夜の新宿裏みたいな街並み。

日本語も聞こえて来るが
英語?アナウンスの交差点信号機の音声

そこをビニール傘さして
行き交うあらゆる人種の人達。
(ヨーロッパ人は傘ささないってホントかなぁ?)

立ち食いうどん屋?シーンでは
日本人オヤジに対し主人公デッカードが英語で

「4杯くれ!」

に対しおやじがフツーに日本語で

「2つで充分ですよ!」っと押し問答。

デッカードは割り箸のささくれをこすって落として食おうとしてる。

大きなビルの上には
強力ワカモトや芸者の動画広告。

そんな混沌とした都会像を
近未来の都市とした世界観の提示。

我々はそうなるのかなぁ?と感じます。


そしてここからが重要

バイオ技術により
ぱっと見では人と見分けが付かない
地球外などで資源確保などの過酷な労働用として作られたレプリカントと呼ばれる人造人間。

彼等はだから
奴隷とは呼ばれず扱われず、

彼等を解任や殺害と言わず、
ロボット、機械のように、
処分。解体する。と言う。



しかし彼等レプリカントの筋力は人を超え、
知能は、それを作ったタイレル社社長と同等だったり。


安全の為、短く期限を付けらた寿命の中で自我が生まれるが、残酷な立場に置かれた。



そんな自分たちを作った人間達を憎み、
命の期限を無くす方法が無いのか?を作った本人であるタイレル社社長に問いただしに地球に来る。

地球に戻ってきた彼等を
判別し、処分する役目を担ったのが
警察からブレードランナーと呼ばれる
殺しのプロ。

その中で伝説的存在であったデッカードは、
次々と彼等を探し出し、雨降る夜の繁華街の街中で問答無用に処分を行う。

この、
写真
美しいショーウインドウを打ち破りながら女性レプリカントが処刑人デッカードに撃ち殺されるシーン、ヴァンゲリスの音楽と相まって実に印象的です。

そもそも
彼等レプリカントを判別するのは
の瞳を拡大鏡で覗き込みながら
“尊厳“に関する尋問をし、瞳孔の収縮が起き
動揺したら、レプリカントと判定する。

つまり、
残忍な行為を嫌がったら人造人間。
一方、
動揺しなかったら人間。

強烈な皮肉ですね。

これはこの原作のテーマでしょう。

人間でもなく、人工物の
アンドロイドで有る彼等は
数年と言う短い命の期限の中で、
死にたく無い、殺されなたく無い、
と望むようになります。

つまり自我を持つ者

と言えるでしょうか。

レプリカントが銃で撃たれ、
のたうち回る光景は
我々ヒトと見た目が似てる(同じ)なせいか
痛々しく、可哀想です。

もしそうなら
彼等は尊厳を持つ状態に感じます。

となると、
尊厳を持つ事が許されるのは
人間だけなのか?

の疑問が生じます。

更にもし尊厳を宿すのが許されるのは
人間だけなら

ぢゃあ、
その人間とは?

です。


この皮肉とはすでに、
『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』
この原作タイトルで示されていました。
原題も

Do Androids Dream of Electric Sheep?

と和訳は間違ってません。

羊と書かずわざわざ電気羊と書く。

原作タイトルですでに皮肉たっぷりに
作品意図を明記してるじゃないですか!

これはもう、原作者自体にも
大きな鍵が有りそうですよ。
これ以上詳しく書きません。

レプリカント達は人でない事、
人に有り、自分達に無い製造以前の子供の頃などの記憶を欲します。だからそれらの写真など集めたり。

タイレル社が最高傑作として人を超える
モノを目指したのが、レイチェル。

このレイチェル自身は、自分がレプリカントであるか聞かされて居なかった。

レイチェルは自分がレプリカントであるか?
のテストをデッカードから受けてみろ。
と社長から命じられる。

このシーンの会話、
その前の夕日がタイレル社社長室?内に差し込む映像は印象的です。


デッカードはレイチェルがレプリカントである事を見抜く。
このシーンのレイチェルの自分が何者かなのか?の不安隠しきれず、しかし冷静、余裕を装うショーン・ヤングの演技が可愛い。

さて復讐に戻ってきたレプリカントのリーダー、ルドガー・ハウアー扮するロイは高い知能により
普通は近寄れないタイレル社社長と対面する。

自分たちを生んだ(作った)、
タイレル社社長とロイはチェスをし
命の期限を無くす方法が無いのか
ひとしきり聞くが、社長はそれら全てに無いとキッパリ。
「君達は最高傑作だよ。残りの命を謳歌しなさい」との社長の慰めの言葉は虚しく
言わば自分の父親に相当するその社長をロイは殺害する。

その後、ブレードランナーとレプリカント反逆の首謀者ロイとの対決が始まります。

最後のレプリカントのセリフ、行動が大変興味深いです。

是非本編を今一度ご覧になって、
彼等レプリカントというもの達が何を求めているか?欲しているのか?
を読み取ってください!

そして
そんな彼等の立場とは?
を知ってください!

是非1982年の
ブレードランナーという元の作品に
今一度、触れてみてください!
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さてさて、
ブレードランナーBlade Runner2049


監督
ドゥニ・ヴィルヌーヴ
脚本
ハンプトン・ファンチャー、マイケル・グリーン
原案
ハンプトン・ファンチャー
原作
キャラクター創造
フィリップ・K・ディック
『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』
製作
アンドリュー・A・コソーヴ他
製作総指揮
リドリー・スコット他
出演者
ライアン・ゴズリング、ハリソン・フォード他
レイチェル役は、ローレン・ペタ 【訂正追記】
音楽
ハンス・ジマー
ベンジャミン・ウォルフィッシュ(英語版)
撮影
ロジャー・ディーキンス
編集
ジョー・ウォーカー
公開
 米国 2017年10月6日
 日本 2017年10月27日
上映時間
163分

音楽はまだご健在のようだが元作のヴァンゲリスではないようで残念。

制作陣からこの新作を大変期待してたんですが、、、
う~ん、駄作とは言えませんが。。。
(その根拠を下部に少し書きますよ。)

っというか、せっかくの
“アレコレ“が、もったいないです!


今回たまたま私が劇場行く前から眠かったのはありますが、

前半、
ま~眠かった。

寝惚けてたせいでしょう、
登場者達の対立構造が、私には今ひとつピンと来なかった。(バカです。)

但し、
ハリソン・フォード演じるデッカード出てきたあたりから、
動き出しましたよ、
ストーリー。

デッカードが劇中初めてレイチェルの名を口にするまでの間。
ハリソン・フォードの演技見事でした。

デッカードが登場し、デッカードと逃亡した
レプリカント(人造人間)である、
あの、レイチェルとの間の子供の話が出てきました。

つぅ事は、
人造人間だから年取らない(?)
まー可愛い、完璧綺麗なレプリカントのレイチェルが登場するかどうか?

やはり、
レイチェルが出てくるか?
は前作見た人なら
この続作に期待するでしょう。

さて登場の場合、
元作シーンの切り張りか?
昔ブルース・リーの死亡遊戯か何かで切り張りありました。。。
(んな事はハリウッド映画がするわけないですよね)
やっぱ3DCGか?
(動物でもなく機械でもなく、
とうとう、
生身の人間として見せるのをCGでやるのか?!)
っと思ってました。

そしたら
で、出てきました!!
レイチェル!!

ん?本人、てことはCG?
いややはりまだそこまでCG技術ないよ、

ならソックリさん!?コンテスト有りそう。
と思たらwikiに人名が乗ってるから
やっぱりソックリさんか?などと先日書きました。が、再度ぐぐったら、

【訂正】
なななんと!
レイチェルはCGでしたー!!!


と、とうとう、
CGで人の顔まで見分け付かない程のところまで来たんですね!!!
驚いた!
というか、ちとコアイ。

wikiのベースモデルとは、モーションキャプチャでしょう。
つまりこれは近い将来、役者不要時代が本当に来る。
と言うこと。

娘役も物腰も歩き方もレイチェルに似てる!

で、アレコレ惜しい!
と申したのは、
デッカードのハリソン・フォード呼んで
レイチェルのソックリさん?(CG)まで用意出来
たのだから、

もっともっと盛り上がれるストーリー
幾らでも作れた筈だ!
っと思えてならないからです。

それらは当然レイチェルとの生活
何故別れたのか?
など?

おそらくは
ファン多い作品だから
ビジネスとして描けるストーリーを次作に残したってトコな可能性有るでしょう。


だだ
面白かったシーン有りました。

レプリカントである主人公のブレードランナーが恋心抱いている対象は、
自宅の話し相手の3Dホログラムのこの子、
瞳がなんとも愛らしい。

でしかも自分なりにカスタマイズした自分だけの理想の彼女とかでなく、
街で普通に宣伝してるその子のほぼまんまなんです。

(ま、その時代なら街の広告も見るものの趣向によって変化させてるなんての可能性あるでしょうけどね)

そのホログラムの彼女が外に出たいとかで
雨の中、二人で外に出ます。

さらに建物から出て直ぐでしょうか、
二人は向き合い、キスし始めます。
ホログラムですから
頬や頭撫でようにも、そかこらあたりで手をとめる。そんなもどかしい中、仕事の電話が掛かってきました。

するとキスしてた彼女は、
通信端末の一種なのか
キスしていた最中の口開けたままフリーズ。

その光景、
それまで多少ロマンティックであっただけに、なんとも残酷。

その後日、
生身の街の娼婦(?)に、恋心抱いてる映像だけの3Dホログラム彼女を重ね合わせて、娼婦の体をホログラム彼女の肉体に見立ててのベッドイン。

なんともシュール。
プログラムでしかないホログラムの彼女と
生身の街の娼婦の脳とが同期したかのようなセリフもありましたっけ。

この同期はともかく
レプリカントでなくとも
そんな3Dホログラムとのセックス(ではなく一人でだから、マスターなんとか?)はこれからあり得そうな気がします。

皮肉なのが続編でも、

「肉体よりも感情。」


元作と同じ比喩ですね。

似た事象が重なると、
共通項はなんだろ?と探します

~感情ですね。~

それで因数分解すると
それ(感情)が発生すものとは?
が残るでしょうか。
根幹が見えて来きました。

これは多くの物事の根幹だと思います。

これ、かねてからの私の持論

「物事は感情が伴って始めて価値ある対象として実存しうる」

とブレードランナーは完全に符合しているような。

自惚れた子供っぽい言い回しが
恥ずかしいですが


このブレードランナーという作品

一作目で、
主人公デッカードが女として選んだのは
人工物であろうが
アンドロイドのレイチェル。

続編2049で
アンドロイドの主人公は
恋愛感情抱いている3Dホログラムの彼女の体として生身の娼婦の体を代用してのセックス。

どちらの主人公も選んだのは
感情を向けている相手。

物理的な事でない。

感情こそ
大切の本質、実体。

何より大事なのは
ヒト?
ではもはや
無いのです。

あなたが大切なのは、何?

と言っています。
この作品ブレードランナーは。



科学が進歩し
生命の根幹を操作出来始めている現在、

独り身が増えたり、先進国の少子化傾向なのは

生殖による子孫誕生が不要になる未来が近づき、それを人間の体が本能か遺伝子レベルで感じ取ってて

それでセックス、生殖を欲っしなくなったのか、望まなくなってしまっている可能性有るのかも?
っとかねてから感じてます。

この2049、
後二年の2020年から、
人造人間にからんだ出来事あったりで
(いいや、自然災害か何かだったかな?)
このストーリーが始まっています。

1982年の元作見返すと、
レプリカントのレオンのセリフで自分の製造は
2017年だと、冒頭のテキストスクロールで説明されるのですが、

この時代考証、
違和感感じた人多いのでは?

しかし、

もしかすると、
今年である2017に、遺伝子技術でこんなレプリカントみたいなのまだ作れるワケない。
っと思い込んでるのは、
平民の我々だけで、
実はもう似たような事おきてるのかも知れません。

何故なら今年公開のこの2049でも
SF映画でありながら、この時代考証はあまりに修正されてないようで
それは原作に忠実にしただけなのか?

それとも実は?
ですよ。


今回この2049観て、
良い映画作品に求められる要件が具体的見えてきた気がします。

●印象に残るシーン=見せ場の有無やその量
独自の、或いは魅力的な世界感の創出
●音楽に個性があったか
●登場人物に魅力があるか?
●話の根幹に価値があるか?
●興奮する内容がどの程度あるか?
●感動する内容であったか?
などでしょうか。

つまりこれらは元作に有り
2049に無い要素です。

具体的に言うと
元作はポップだが
作り出した世界観、
レプリカントである彼等が欲した
・記憶とは?
・人間とは?
・尊厳とは?
の問い

と言う素晴らしいテーマが有った。
(に対し人間はどうなの?)

しかし
続編は元作のそれらを継承しなくてもいいのですが、
新たに打ち出せてもいないです。

よって駄作でしょう。

気になりぐぐってみると
流行りに属したい寂しがりや、組織票はべつとして
本国でも、表現は、
厳しかったり、遠まわしで優しかったりはしてますが、
低い評価多い。

やっぱりね。

遠藤憲一さんのCMで「千年先も・・・」なんて宣伝文句に違和感感じ、
似つかわしくないタレントの賛同の越え載せたが、それらは全員か殆どが日本人。
本国アメリカの批評は上記の通おり。

見終わって、
あぁ、興業的にヤバいと思って
所謂ライトな層を劇場に越させようの宣伝手法を取ったな。っと。

なにより、
元作でレプリカントのボス演じたルドガー・ハウアーや、元作の監督リドリー・スコットが、
当方と同じ事語ってました。

ね?

もう一つ!
TVCMで流した音声、
2049のでなく元作の懸念が高い。
もしそうなら大問題だ。
未だ詐欺するか!

日本の配給会社が
「我々の宣伝で映画は完成する」
の自惚れ発言有りました。

早くこれを改め、
作り手への敬意と立場の違いを自覚すべきである。

昔、スタローン主演クリフハンガーのテレビCMは映画本編にないカルミナブラーナを使用してた。
https://youtu.be/MPjy55Y6hWU
これは悪質な詐欺犯罪である。

ブレードランナー、
好きなテーマなので熱くなってしまいました。

是非両作ご覧になって見て下さい!

~~~

因みに今回
お恥ずかしながら当方初めての4DX3Dでした。
入り口で3Dメガネもってますか?
と聞かれ、なんと100円! 
 

ホテルのアメニティグッズみたいなビニールに入ってて、子供雑誌の付録に付いてたような、
ペラペラの赤青のかな?
と思ったら、
固いプラスチックのまさに100円ショップで売ってるような感じ。
で4DXについては先日パイレーツオブカリビアンで書きましたが、今回初の3D体験。
おっそいっすよね、恥ずかしい。

で3D感
う~ん、
私が視力あまり良くないせいなのか
全体にピンボケで
昔下敷きとか、何かのおまけとかで、
角度変えると見える絵が変わるのって
有りましたよね?
具体的に言うと、CMモデルとかの等身大パネルとかを手前と奥に置いたって感じです。

確かに、立体的というか奥行き感、
手前の物がスクリーンより手前に見えます!

雪降ってるシーンでは劇場内にも雪降って来てたみたいでその境目は見分けつきません!

この4DX3Dは
ホラー映画とかは相当怖く出来そう!!