4月を迎えられる保証はないと言われながら、最悪の状態を乗り越えた母を退院させ、家に連れ帰ったのが先週の木曜日。

昏睡状態→せん妄状態だった事を考えると奇跡的でさえある。

とは言っても一人では何もできない状態になってしまったので、食事介助から下の世話まで私の仕事だ。

ただフットワークの軽いケアマネのお陰で、あっと言う間に態勢が整ってしまった。

退院前からサービス提供事業者が集まり「退院前カンファレンス」→退院後の「担当者会議」を経て今がある。

退院前カンファレンスには在宅担当イケメン先生とクリニック看護師が病棟まで来てくれ、緩和主治医や看護師、地域連携室も含め総勢10人くらいの会議となった。

退院に踏み切れたのは、「家に帰りたい」という母の希望を叶えてあげたいという気持ちがあったせいもあるが、周りのバックアップが万全だったからである。

全ての病院で対応しているわけではないらしいが、安芸市民病院では「レスパイト入院」受け入れ態勢がある。

「レスパイト」には「一時中断」や「休止」といった意味があり、介護する側が疲れた時、冠婚葬祭など介護ができない事態になった時など最大2週間入院できるのが「レスパイト入院」というものらしい。

母のような医療行為が必要な末期がん患者は、ショートステイでは受け入れてもらえない事が多いので、安心なシステムである。

父の時もそうだったが、信頼できるケアマネと在宅診療医がいれば、たいがいの問題はクリアできるかもしれないと感じた。

今回ケアマネがしてくれた事・・・。

・要介護2の母の介護度を4にあげて即申請。
・リクライニング車いすで寝たまま帰れる介護タクシーの手配。
・寝返りができず褥瘡ができやすいので、自動体位変換機能がついたエアマットのレンタル手配。
・訪問看護師を週2回導入。
・訪問ヘルパーを週4回導入。
・訪問入浴を週1回導入。
・私のメンタルケア。

今回イケメン先生がしてくれた事・・・。

・2週間に1回の往診を週1回に。
・介護認定のための書類書き。
・在宅酸素の手配。

今回夫がしてくれた事・・・。

・母のベッドに2階に聞こえるナースコールをつけてくれた。
・毎日ベッドの母を覗いて「行ってきます」「ただいま」と声をかけてくれる。
・帰りにオムツなど必要な物を買ってきてくれる。

そんなわけで毎日ヘルパーか看護師が決まった時間に来るので、一人では大変な着替えや清拭などの作業を全部まとめてしてもらえるようになった。

便も自力では出せず看護師に摘便してもらうため、下の世話と言っても私がすることは尿取りパッドを取り替える事くらいだ。

お陰で退院前後の会議や毎日人が来る事と名刺交換(笑)に最初は疲れたが、徐々に慣れてルーティーンと化してきた。

ケアマネは介護保険と医療保険を柔軟に使い分けてくれるし、月に100円の違いでも必要のないレンタル品は交換するよう提案してくれる。

介護認定変更のための意見書をイケメン先生に「書け」と迫るのもケアマネである(笑)

もちろん「家で最後を迎えたい」という母の希望を一番に考えてくれての事であるが、介護する側の負担をできるだけ減らそうという方向で介護計画を立ててくれるのはありがたい。

しかも最初に、介護にどれだけお金をかけられるか予算まで聞いてくれ、その中でサービスをやりくりしてくれるので、貧乏なるーと家でもお金の心配をすることなくサービスを受けられるのだ。

とまあ、イケメン先生とケアマネの褒め殺しブログになってしまったが、「お母さんの具合どお?」とラインしてくれる友達も含め、たくさんの人に支えられて今の母とるーとがいる事に感謝する毎日である。