国立西洋美術館で開催されている、「内藤コレクション 写本ーいとも優雅なる中世の小宇宙」を見てきました。気になっていてそのうち行こうと思っていたのですが、今週末8月25日までと知り、慌てて行ってきました。

写本というと、ヒルデガルトの幻視が描かれた挿絵が挿入されている彼女の著書「スキヴィアス」の写本ぐらいしか知りませんでしたが、写本というものがどういうものか少しだけ分かったような気がします。

展示されていた写本の中に、プサルテリウムというヨーロッパの古い弦楽器が描かれているものがありました。

写真撮影OKだったので、その写本を撮影してきました。下の写真がそれです。

プサルテリウムは中世ヨーロッパで演奏に使われていた楽器で、ヒルデガルトは、ディジボーデンベルク修道院で修道生活を送っていた時、ユッタからプサルテリウムの演奏の仕方を習ったのではないかと言われています。彼女も、この写本に描かれているように、修道院でプサルテリウムを演奏していたのでしょうか。



ヒルデガルトが住んでいたドイツ ラインヘッセン地方の白ワイン、リープフラウミルヒ(マドンナ)です。リープフラウミルヒは、「聖母の乳」という意味だそうです。

ヒルデガルトの万能のレメディ、Sivesan(ジベザーン)をワインに溶かして飲むのに甘口の白ワインを探していた時に、何気なく手に取ったのがこのワインでした。ラベルを見て即お買い上げしました。

昨年の秋頃から、健康維持のため、時々ジベザーンの錠剤を砕いてワインに加えて飲んでいるのですが、これがワインによって飲みやすくなったり飲みにくくなったり。これまでの経験では、好みもありますが、赤ワインよりも白ワインの方が飲みやすい。

甘口で飲みやすいワインに溶かして飲むジベザーンは、とても飲みやすかったでした。

ジベザーンは、フェンネル、ガランガル、ヨウシュハクセンとハイコウリンタンポポのなどのハーブのブレンドで、消化器系の不調、病気や手術後の健康回復、心臓発作や血栓症後の回復や予防に役立つ、病気の人だけでなく健康な人両方のヒルデガルトの万能薬と言われています。

ヒルデガルトは「フィジカ」でジベザーンについて、「これは、健康な人の健康を維持し、病気の人を強くし、よい消化活動をもたらし、力を与え、顔色をよくする。食事の後に摂れば、健康であろうが病気であろうが、どんな人のためにもなる。」と述べています。

いつも夕食後に温めたワインに、このジベザーンの錠剤を砕いてワインに溶かして飲んでいます。

7月から続く今年の夏の本当に厳しい暑さを、このレメディで無事に乗り切りたいと思っています。


ヒルデガルト料理とは関係ありませんが、たまたま見かけて興味をもった本です。

「猫は中世の写本にしばしば描かれている」という本の説明文に登場する、「中世」、「写本」などの言葉からヒルデガルトを連想してしまったからです。

「フィジカ」の動物の章には猫についての項があります。ヒルデガルトは猫について、猫を身近でよく観察していたのではと思わせる、猫の性質や、季節ごとの行動様式のようなものを述べています。そして「猫は、餌を与えてくれる人以外には、進んで人間に近づかない。」とも。

ヒルデガルトの修道院でも、猫を飼っていたのだろうかなどと、あれこれ考えて想像力を膨らませています。

中世ネコのくらし 装飾写本でたどる
ネコは中世を通じて写本にしばしば描かれました。ネズミと共に大切なペットとして、時には寓話の賢いキャラクターや、悪魔の化身として…様々な姿で表現されてきました。 本書は中世ヨーロッパの装飾写本のなかから、ネコが描かれた美しいページとともに、中世のネコの生活の様子や物語のネコが登場する逸話をご紹介します。中世におけるネコのくらしや人間との関係性を魅力的に描き出した1冊です。 The British Libraryから刊行した、キャスリーン・ウォーカー=ミークル著『CATS in Medieval Manuscripts(中世装飾写本のネコたち)』の日本語翻訳版です。