妖怪のせいなのね | リディアンのシングル子育て生活

リディアンのシングル子育て生活

リディアンがこれまでシングルファザーとして子育てしてきた実体験を、赤裸々に書いてみようと思います。

皆さんは「妖怪ウォッチ」というものをご存知だろうか。


アニメ、漫画、ゲームと色々出ているが、何故か大人にはあまり知名度が高くないようだ。
しかし、子供の間では今ものすごい勢いで人気が出ており、関連グッズは軒並み売り切れ状態が続いている。

我が子も例外ではなく、毎週放送されるアニメは欠かさず録画して観ているし、
ちょうど、先日は3DS用のゲームをクリアしたところでもある。
そして肝心のウォッチ(時計型のおもちゃ)は売り切れでいまだに買えていない状況だ。


何故こんなに流行っているのだろうか?という部分については、
私は専門家ではないのでとても正確な分析が出来るとは思えないが、
ちょっと考えてみるだけで色々とよく考えられているように思える。


まず、単純にキャラクターのキャッチーさが挙げられると思う。
妖怪をモチーフにしていながらどこか憎めないキャラと、
ネーミングも元々あるような妖怪の名前ではなく、
身近なネガティブワードをベースに付けられており、
親しみやすく覚えやすいというのもあるだろう。

そして、ポケモンに代表されるようなコレクション要素
戦った妖怪を「仲間」にしてメダルとして集めていくのだ。
まぁこれは言わずもがな、ハマり要素としては一番シンプルである。



ここまでは非常に分かりやすい要因だと思うが、
妖怪ウォッチが本当に凄いのはここからだと思う ──



妖怪ウォッチの根幹のテーマにある、

「良い事も悪い事も、みんな妖怪のせいにしてしまえ!」

という発想だ。

これは一見他力本願で無責任のように見えて、
実は非常にカラッとした「子供らしい」発想なのだ。

そこにはネチネチと他人を恨んだりグジグジと自己嫌悪に陥ることもない。
「妖怪」という架空の生き物(?)のせいにすることによって、
ある種「そんなことにこだわっても仕方ない」という割り切りと、
それによって前向きな気持ちが生まれるような気がしている。


学校で、
「何だお前、テストの点悪かったのかよ~」
「妖怪のせいなんだから仕方ねーじゃねーか!」


家庭で、
「え~ピーマン嫌い…」
「きっと妖怪がいるから大丈夫だよ。食べてみたら?」
「えいっ!…食べられた!やっぱり妖怪がいたんだ!」


みたいな。



「人生万事塞翁が馬」と云うが、
私は世の中、大抵の事は悩んでも仕方ないことが多く、
悩むことによって生まれるネガティブな感情自体が障壁になるケースがほとんどだと思っている。

妖怪ウォッチには全体的にそういった、
「小さなことは気にしないで前を向いていこう」というテーマが込められているのだ。


さらに、それだけではない。
その妖怪と戦ったら「倒す」のではなく「友達になる」のだ。
そうするといつでも自由に呼び出したり引っ込めたりすることが出来るようになる。

これは、いつかは自分もそういう「妖怪(が巻き起こす現象)」とも上手く付き合えるようになるんだという、
未来の展望を示しているように思う。



他にも、3DSのゲームにおいては、
夜に出歩くと鬼が追いかけてきたり、道路を赤信号を無視して何度も渡るとなまはげが現れたり、
暗くなったら自転車の電気がちゃんと点いたり、
人の家に入る時はきちんと玄関で靴を脱いで上がったり ──

ゲームにありがちな「何でもアリ」という部分は極力抑えて、
きちんと細部に社会のルールを踏襲しているところも見逃せない。
それでいて、ゲームとしてのテンポは損なっていないという、
非常に良く出来たゲームなのだ。



妖怪ウォッチに触れて育った子供は、
非常に明るく前向きで良い子に育つのではないだろうか。
きっとイジメも減るんじゃないかと思う。
そう思わせてくれる要素がたっぷりと詰まっているのだ。


これは流行るはずである。むしろもっと流行って欲しい!



ただ、もっと大事な事は、
そういうものに対して「親が興味を持って、一緒になって楽しむこと」だと思っている。


子供にとって何よりも嬉しいのは「親に認められる」事なのだから。