詞「14の影」 | 「空虚ノスタルジア」

「空虚ノスタルジア」

オリジナルの詞や小説を更新しているアマチュア作家のブログです。

陽が暮れるまで君と
駆け回った丘に埋めたのは
僕らじゃ手におえない悲哀

「秘密だよ」と言って
君はキスをくれた
胸の高鳴りを
僕は必死に抑えて

帰り道 僕らの影が
何故か2匹の悪魔に見えた

「バイバイ」と手を振って
思わず僕は走り去る

翌日 君の家は蛻の殻に
最初から
誰の棲家でもなかったみたいに
からっぽ

ふと思い出したのは
君からの「また明日」の声を
聞かずに帰ってしまった昨日

14の夏休みは
虚ろなまま幕を閉じた
残ったものは
1匹の悪魔だけ

あれから時は過ぎ
大人になった僕は
再びこの丘へと
戻ってきた

君が手招きする
「掘り起こそう」って

「今なら悲哀も
受け入れられるでしょ」

僕に分かるのは
影の悪魔に
君は貪り食われ
今度は僕が
貪り喰われる番だということ




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