感動のベッドの上でコンサート | 絶対音感女性社長 堀口直子の音楽ブログ

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アリア ミュージックオフィス社長のブログです。

休みがない。。。という日々が始まってしまいましたこの季節。


体は一つしかなく、一日24時間しかないのでそんな状態が続けば確実に体は疲れるのですが、
その疲れさえふっ飛ばしてくれるのが、聞いて下さる方々の姿や笑顔や変化や感謝を受け取った時です。

昨日の日曜日は、私にとっても社員や演奏者にとっても、心に響いたコンサートでした。


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定期で行かせて頂いているある老人ホームでの演奏。


今回は半分以上を参加型の内容にしました

大きい文字で書いた模造紙の歌詞カードはいつもの通り使い、ハンドベルを使い、振り付けを考え一緒に踊ったり、施設の介護士さん達にも一緒に参加して頂くコンサートです。

その場にいる人全員の一体感を目指しました


すると


たくさんの小さい奇跡が起こりました





私もですが、演奏者も涙が止まらず大変だった一つのある話を。。。




このコンサートの二日前に、施設の方からご連絡がありました。

「昔ピアノの先生をされていた*ターミナルのおばあちゃんがいらっしゃいます。
ベッドを運んでそのままコンサートを聞いてもらうことにしました。どうぞよろしくお願いします。」

と。

*(ターミナルケア(Terminal Care)とは、末期がんなどに罹患した患者に対する看護のこと。ターミナル(Terminal)は終末という意味です。




それを聞いて、急遽、ピアノの先生なら何百回も教えるであろうバッハのメヌエット
を組み込みました。

そのことを、当日お伝えすると、
「何曲目でしょうか?このコンサートの最後まで持たないかもしれません・・・」
とのことでしたので、最後に予定していたプログラム変更し、2曲目に入れました


途中でそのおばあちゃんのことが気になるので、見ていたのですが、穏やかに呼吸をされていて、コンサート最後まで何事もなく聞いて下さったのです

コンサート中のそのおばあちゃんのご家族は、ベッドの周りでおばあちゃんの手をさすったり、リズムに合わせ優しく体を撫でていらっしゃったり、あたたかく見守っていらっしゃったり。

その優しいご家族の光景を見ていて、歌手がグっときたようで終わった途端大号泣で大変でした
途中でも涙を止めるので必死だったようです。


実は、コンサートまでもたないかもしれないという状態だったそうなのですが、コンサートまでもってくれて本当によかった。


そして、そのおばあちゃんはもう意識もない状態で体も自由も全くきかない状態だったようなのですが、一定の呼吸ではなく、歌に合わせて呼吸をされていたように、体が動いていました


音楽がお好きだったからでしょうか、きっと絶対聞こえていたのでしょう。


音楽の原点である「心」に響いたのかもしれません。


終わってから、ご家族にとても感謝されました。
私たちは、私たちにできる精一杯のことをしただけですが、嬉しい気持ちと複雑な思いです。



そんな音楽の仕事をできることを、本当に誇りに思っています。
そして、周りの方々のご協力があってこそ、この仕事が成り立ちます。

理解をされないこともありますが、私は、自分が演奏を今までしてきたことによって、こういう仕事と巡り合い、不思議なチカラを持つ音楽を広げたいというエネルギーを頂いています。

私じゃなくてもできる仕事。私じゃなきゃできない仕事。
何のために仕事をしているのか。


これからも、何が大事か。自分ができる社会貢献は何か。
きちんと自分を見つめながら、社員と演奏者とで、たくさんの人と音楽を通して接していきたいと思っています。

理解をして頂き、応援して下さり、お力を貸して頂ける周りの方々に、心から感謝しております。

改めてこのように思えたのも、このコンサートのおかげです。
ありがとうございます。


皆様、本当にいつもありがとうございます。