YYYY/MM/DD | 悪態のプログラマ

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とある職業プログラマの悪態を綴る。
入門書が書かないプログラミングのための知識、会社の研修が教えないシステム開発業界の裏話は、新人プログラマや、これからプログラマを目指す人たちへのメッセージでもある。

「YYYYMMDD」形式で今日の日付を表せば、「20060304」である。

この「YYYYMMDD」のような表現方法は、この業界では共通の認識だと思う。

日付を8桁の固定長で表現するために、月や日が1桁の場合は前に「0」をつけて2桁をつける。1桁のままだと「1月12日」と「11月2日」が両方とも「112」になり、区別できないからだ。・・・などということは、あらためて書く必要もないことだろう。

このことから、「MM」や「DD」という表現は、日付の月や日を2桁で表記するという意味であることが分かる。

しかし、先日、ある設計書の中に、それをあえて打ち消すような表現を見つけた。

 YYYY/MM/DD形式(MM、DD は、1桁の場合には1桁で出力)

つまり、「2006/03/04」ではなく、「2006/3/4」と表すということだろう。

しかし、そのような場合、「YYYY/M/D」と書くのが普通ではないか? Excel の書式設定でもそうなっている。

おそらく、設計書を書いた人は「YYYY/MM/DD」と「YYYY/M/D」の使い分けなど知らなかったのだろう。このような「常識のズレ」とは恐ろしいもので、そのままバグに繋がることもある。

しかし、私は、彼がその代わりに「1桁の場合には云々」という但し書きを付け加えたことを評価する。これなら、誤解されることはまずない。むしろ、「YYYY/M/D形式」とだけ書くよりも意図が明確に伝わるかもしれない。そういう意味では、この1行はよく書かれているといってもいいと思う。

専門的知識が少ないとか、語彙が少ないとかいったことは、ある程度は仕方がない。技術文書を書く上でもっと重要なことは、誤解されずに意図を伝えることである。常に「この表現で誤読されないだろうか?」などと考えながら書くことが大切なのである。




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