頭を使って探せ | 悪態のプログラマ

悪態のプログラマ

とある職業プログラマの悪態を綴る。
入門書が書かないプログラミングのための知識、会社の研修が教えないシステム開発業界の裏話は、新人プログラマや、これからプログラマを目指す人たちへのメッセージでもある。

客先にプログラムを納品したときのこと。顧客側で用意しているサーバーの環境設定に問題があって、動作確認ができないという。仕方なく、その日はプログラムのセットアップだけして帰った。

それから一週間たって電話してみると、まだ同じ問題が解決していないとのこと。このまま待っていてもどうにもならない。私は詳しく状況を聞きだした後、Google に2つの単語を入力し、検索ボタンをクリックした。そして、検索結果の先頭に出てきたページを開いた。解決策を見つけたような気がして、そのページを印刷した。

客先に行って、そのページの記述通りに設定ファイルを更新したところ、あっさり問題解決。これで一週間悩んでたの?

この顧客もネットで検索していたようだが、どうして答えにたどり着けなかったのだろう?


情報の検索スキルが、仕事の効率を大きく左右することがある。確かに、検索エンジンを上手く使うコツというのはあるだろう。

私が検索キーワードを選ぶときには、「見つけたい情報がどのように記述されているのか」ということをイメージするようにしている。例えば、C言語のサンプルソースを見つけたいなら、「C言語」という言葉で検索するよりは「include」とか「int」のようなキーワードを使う。

最近では、ネットの検索術に関する書籍をよく目にするようになったので、一度は目を通しておくのもよいかもしれない。


しかし、検索テクニックを身に着けること以上に重要なことは、問題を解決するための洞察力を身に着けることではないだろうか。

多くの場合、「検索」は問題解決のプロセスの一部でしかない。検索キーワードを選ぶ前に、答えをある程度想定し、狙いを定めなければ、答えにたどり着くまでに時間が掛かってしまう(※)。

洞察力を身につけるためには、知識や経験が必要だろうし、想像力も必要だろう。「ネットで検索」すれば誰でもすぐに答えにたどり着ける、というわけではないのだ。コンピュータが普及して便利になったというが、やはり人間には日々の精進が必要なのである。

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※もちろん、狙いを定めるために「検索」を繰り返すことはよくある。



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