BOSSの独り言5

Art Town Music代表の独り言/日々精進、日々感動、日々反省!


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君が、我が家に来た日は台風だった。
君は、恐る恐る僕を見上げてた。
僕も、恐る恐る君を抱き上げた。
君は、ミルクの匂いがしてた。

その日から僕達は、親友になった。

僕は、犬の言葉が解るようになった。
君も、人間の心が解るようになった。
僕は、君に敬意を表して「エムさん」と呼んだ。

僕達は、よく海辺まで散歩した。
緩やかな下り坂、よくカケッコをした。
肩を並べて、よく沖を行く船を眺めた。
夕陽に僕達の影は、どこまでも伸びてった。

同じ風、同じ時間が、僕達に流れてた。

僕は、心に描くすべてを君に話した。
君は、小首を傾げ僕の呟きに耳を澄ましてた。
君は、やきもちやきだから・・・
散歩の途中、あの娘に遭わないかとヒヤヒヤしてた。

叱られた夜、君を連れて家出した。
君は、何度も振り返りながら付いて来てくれた。
防波堤の灯台の下、君を抱きしめて泣いた。
君は、「帰って謝ろう・・・」って僕の頬を舐めた。

僕達は、トボトボと星を見ながら家まで歩いた。
僕達は、ベッドで一緒に丸まって眠った。

僕が、大人になってゆくのを
君は、優しい瞳で見守ってた。

僕が、東京に旅立つ朝・・・
君は、ゆっくりと伸びをして・・・
そして、少し寂しそうに・・・
そして、少し誇らしげに・・・
そして、少し照れ臭そうに・・・
僕の背中をいつまでも見つめてた。

坂を下る途中、振り向いた青空に
「エムさん、行ってくるよ」と小さく呟いた。

雑踏の中、自分を見失わないように必死で歩いてた。
憧れと、現実が交錯する街角で立ちすくんでた。
心を隠して、上手な作り笑いを覚えた。
寂しさを、自分を変える事でごまかしてた。

君を忘れかけてた夜・・・
「君が星になった・・」と電話で聞いた。
ビルの上の四角い西の星空を見上げて・・・

独りぼっち、生きる意味を
この街で、生きる意味を
君との日々を、思いながら
染み付きかけた、虚勢を脱ぎ捨て
僕は、久しぶりに泣いた。

僕は、最後の大人の階段をのぼった。

今も、挫けそうな時・・・
今も、見失いそうな時・・・
今も、投げ出しそうな時・・・

君の、励ます元気な声が聴こえる。

僕の心のグラウンドには
夢見た日の少年の僕と
「エムさん」・・・君がいる。
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