月夜間争奪戦(つきよまそうだつせん) | 商船裏方日記

商船裏方日記

船の世界に入って数年。
失敗珍談は数知れず、それでもめげずにひたすら前進を続ける中年です。
そんな世界を中心に裏話を含めて紹介して行きます。

皆さんは今日は中秋の名月だから団子を食べたりされてますか?
私は個人的には食ってやる、と思ってます。


以前デンマークに出張した時に、最終日は元は監獄だった島を改造したレストランで夕食会がありました。
で、島まではチャーター船で行くのですが、丁度中秋の名月で海にも月が映る位見事でした。


プレゼンがせっかく終わったのにスピーチかあ…て頭が一杯でカメラを忘れてしまって…


甲板で独りウィスキーを飲みながら月を眺めていました。
団子は無かったですが、生ハムがまあまあ美味しかったですね。


さて、中秋の名月に限らず満月をある船の業界では「月夜間」と言います。
それは漁船の世界です。


通常巻き網漁業は灯船を頼りに漁をするのですが、月が明るいと灯船の効果が出ません。


なので、漁が出来ない=船の修繕に出すと言う流れになります。


これが意外と商船にも影響します。



満月の時は何処だって満月です。
東京だけ新月とは行きません。つまりですね…
一斉に修繕発注が出るんです。

こうなると技師がどんどん引っ張られて、商船部隊のオーダーが捌けないケースなんかも…


そうすると漁船部隊と「技師よこせ!」「駄目だ!」とか、軽く争奪戦になる事もあります。


団子静かに食べたいもんですね。


ちなみに某メーカーの年末配るダイアリーだけに、カレンダーに月夜間付きのレア物が配布されます。