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SOTOBORI STREET EYE!赤坂外堀通りで働く広報コンサルタントの視点
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SOTOBORI STREET EYE! 赤坂外堀通りで働く広報コンサルタントの視点
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雪の日の車内アナウンスに思うこと。どんな情報を提供すべき?
首都圏が4年ぶりの大雪に見舞われた日、帰宅の足が混乱したのは記憶に新しいところです。
その日、私も多くのサラリーマンと同じように、いつもより少し早く帰路につき、大混雑の駅で電車を待ち、
ギューギュの車内でなすすべもなく立っていました。
車内では、アナウンスが絶え間なく繰り返されていました。
皆さんの乗られた車両やバスのアナウンス、いつもと同じでしたか。
私の利用した車両で実際どのようなアナウンスがされたかというと…
「電車が発車できませんので、下がってくださ~い」
「車内が大変込み合っておりま~す」
「大変暑いので送風をいれま~す」
いつもと違う通勤風景についもりあがっちゃって語尾がのびた風。
さらに、
「大雪のため電車に遅延が発生し、ご迷惑をおかけしておりま~す」
「大雪のため後続車に遅れがでており、発車まちで~す」
「大雪のため車両間隔がつまっており、発車の指示まちで~す」
と、雪で大変なのだと訴えかけてくる頑張ってますアピール風。(笑)
とどめは、駅に着くごとに
「大雪のためホームが大変滑りやすくなっております、どうぞ~、みなさまお気をつけて~」と、
親切が繰り返される時代遅れの演歌風。(笑)
このとき、果たして、アナウンスがインフラであると意識されていたのでしょうか。
大げさに言えば、スマホに手も届かず閉じ込められている乗客にとって、アナウンスは命綱だったのです。
笑えるアナウンスや楽しいアナウンスには気持ちが和らぐ利点はありますが、乗客の選択肢は広がりません。
混雑具合や運行見込み、乗り換え状況などの正しい情報が提供されれば、
乗るべきか、待つべきか個人で合理的な判断ができ、
混雑が分散した可能性があったのではないかと感じます。
アナウンスがインフラになるのか、騒音になるのかの違いは、
受け取り手にとって「必要な情報」が提供されているかにかかっています。
「必要な情報」の見極めって状況によって変化するんだと、
広報に携わる人間としても考え続けていかなくてはならないと再確認しました。
写真:屋根に、ばいきんまんが…。
迫力のある画とは・・・
低気圧の発達の影響で、東京や神奈川など首都圏で22日午前から雪が降り始め、
都内では23cmの積雪を観測し、交通網は運休や欠航、渋滞などで大きく荒れました。
arexでは、午前中と午後と2回にわたり、各自大雪になる前に帰宅するよう呼びかけがあり、
私も早々に会社を後にさせていただきました。
帰宅ルートは主要駅を避けて自宅まで向かったおかげで、
会社から自宅まで通常50分のところ、2時間で帰宅することができました。
しかしながら、首都圏の主要駅は今年も人で溢れかえり、大変な状況に。。
ニュースを確認すると、新宿、池袋、渋谷、品川など、
入場制限されていたり、長蛇の列ができ、帰宅困難になる人が多い中で、
「渋谷」をメインに、現場の画と合わせて取り上げているメディアが多いようにみえました。
NHK NEWS WEB https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180122/k10011297601000.html
日本経済新聞 電子版 https://www.nikkei.com/article/DGXMZO25984140S8A120C1CC1000/
YOMIURI ONLINE http://www.yomiuri.co.jp/national/20180122-OYT1T50051.html
毎日.jp https://mainichi.jp/articles/20180123/ddm/041/040/069000c
今回の報道から、積雪による交通への影響という意味で、
渋谷駅での渋滞というのは、一目で事の重大さがわかるニュースでした。
メッセージをいかに明確に、簡潔に伝えるか、そのためには文章だけではなく、
状況が一目でわかる画も、メッセージ訴求にはとても大切だということが伺えます。
広報の仕事に携わるようになり、ニュースの見方がだいぶ変わりました。
今後の業務にきちんと生かしていきたいと思う次第です。
11月21日に女の子たちがネット上で大騒ぎだったことをご存知ですか?
少し前の話になりますが、11月21日は10~20代の女の子たちがネット上で大騒ぎだったのをご存知でしょうか?
そうです、女性向けキュレーションメディア、「MERY」の再開です。
2016年秋にDeNAが運営していた医療・健康情報サイト「WELQ」による不正確な医療に関する情報の発信が発端で、DeNAパレット全体の問題となり、MERYも2016年12月に閉鎖しました。
MERYを運営していたペロリによると、2016年11月の時点では月間4億PVを獲得し、ユニークユーザー数は2000万人以上だったそうです。(!!???)
そんな私もMERYの大ファンで、当時暇があるとよーーく見ており、これひとつでファッションやグルメ、週末に行きたいスポット、友人へのプレゼントまで参考にしていました。
なので、当時閉鎖されたときは“MERYロス”に陥ったひとりです…(笑)
また、11月21日は雑誌「Zipper」の休刊が発表された日でもありましたね。
中高生のときZipper読者だった私は、これについてはとてもショックを受け、その日は10、20代の女の子たちの惜しむ声をネット上でひたすら追って共感する1日を過ごしました。
20年以上の歴史がある青文字系雑誌の休刊発表と、スマホで手軽に情報収集ができるMERYの復活は、現代を象徴する大きな事件だったと思っています。
個人的な意見となりますが、復活してからのMERYはやはりどこか読み足りなさを感じます。
閉鎖前は若者のリアルな声が多く掲載され、ウェブ検索しても出てこなかった、「求める情報」が必ずMERYにはあった気がします。
現在は「女子力」を全面に出し、内容もウェブやファッション誌に書いてあるような記事ばかり。
(指摘を受け、編集部主導でファッション誌のような内容にする方針なのでしょうけれども…)
MERYが指示された理由である、「若者の等身大の情報」を再度検討し盛り込み、閉鎖中にここぞとばかりに女性向けキュレーションメディアが、様々な切り口で参入しましたが、
そのサイトに移った既存のユーザーをどう呼び戻すか、個人的にその華麗なる復活劇を一ファンとして興味があります(笑)
若者の新聞やテレビ離れが叫ばれている中、若者向けの影響力のあるメディアとしてMERYが真っ先にあげられますが、
彼らにどのように情報を届ければよいのか、最初は興味や関心からのスタートですが、私も日頃からアンテナをはって情報収集し、仕事に少しでも役立てたら良いなと思います。
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ロシュフォールの恋人から50年経った今、恋心さえも恐れられる!?
学生の頃、「ロシュフォールの恋人たち」を見て、
つばの広いピンクの女優帽をかぶり、白いワンピースを着た主人公の愛らしさに、私の心は掴まれました。
主演は、フランスの大女優カトリーヌ・ドヌーヴです。彼女は、愛らしい上に美しく、学生時代の私の憧れでした。
上記の映画が公開されてから50年という歳月を経て、2018年に大女優はまた脚光を浴びます。
きっかけは、アメリカで始まったセクハラなどに対する告発「♯MeToo」運動に対する、彼女の声明です。
彼女は、第一声を発した後に、性的被害者を責めるつもりはなく、傷つけてしまった事に対して謝罪をした上で、
改めて、ソーシャルネットワークを使って告発するムーブメントについて、
ピューリタニズムのようだと否定的な主張をいたしました。
この問題について、双方のどちらの意見が正しいという事を述べるには、
あまりにも私の経験と理解は足りず、主張をする事はおこがましいのですが、ただ一つ理解が出来る事があります。
それは、彼女が懸念している、ソーシャルネットワークによるムーブメントの波及力です。
広報を生業とする人にとって、今やソーシャルネットワークは欠かせない、もはや、媒体だと思われます。
ソーシャルネットワークによって拡散する効果を狙う為に、絵作りや、それこそハッシュタグの名前も真剣に考えます。
それと同時に、特に弊社は危機管理広報も行っていることもあり、
ソーシャルネットワークの波及する力の怖さも知っております。
ソーシャルネットワークの拡散力とスピード感は、
PRにおいてもリスクマネジメントにおいても無視する事が出来ない存在です。
カトリーヌ・ドヌーブが発する言葉の真意を探る事はあえて控えさせて頂きたいのですが、
今回の問題を受けて、私個人の意見として、改めて「発する」ことの重大さが身に染み、
慎重にならないといけないと背筋を伸ばしました。
というのも、今回の事において、カトリーヌ・ドヌーブは、告発運動により勇気を得られる人がいる一方で、
萎縮せざるを得ない人が出てくるという危険性について、両側面があるということを示唆し、
その責任を持って取り組んでいるのかと疑問を投げかけているのではないかと感じるのです。
誰もが手軽に、より多くの人と繋がり、意見交換をすることで
様々な見地を得られる場であるソーシャルネットワークですが、
その一方で、簡単に繋がれる場所であるがために、発した言葉が不意に大きな波紋を巻き起こす可能性があります。
多くの人と繋がりをもてるソーシャルネットワークのコミュニティーが広がる事により、
必然的に言動の受け手に様々な立場の人がいると言う事を、
改めてその責任を重く受け止めなくてはならないと、考えさせられました。
今回の騒動をきっかけに、発する事の威力、責任が大きいという側面が広がれば良いのですが、
カトリーヌ・ドヌーブのような方向性の異なる意見は控えるのがベターという、表面的な教訓に落ち着かない事を願うばかりです。。
さらば、モーレツ社員?
Webメディアのキャリコネニュースに、「マツコ・デラックスが「趣味に生きる」若者を批判 「死にもの狂いで3~5年働くことが大事」」という記事がありました。
https://news.careerconnection.jp/?p=13020
こちらの記事で取り上げられた番組を偶然見ていましたが、「若い時にはがむしゃらに頑張る時期が必要」という、マツコ・デラックスさんの意見には説得力がありました。
一方で、真面目に仕事に取り組んで長時間労働した結果、心身を壊してしまう、というケースも多いようです。日本人の勤勉さ、真面目さが、このような事態を招くのでしょうか。政府も、一億総活躍社会の実現を目指し、いわゆる「働き方改革」を推進している中、長時間労働の抑制が3つの柱の内の一つとし、法改正による時間外労働の上限規制の導入などを進めているとのこと。
ただ、一見同じような労働条件下で働いていても、心身に変調をきたしてしまう人もいれば、ばりばり活力をもって一定期間頑張れる人もいますよね。定年までバリバリ長時間労働!!となったら大概の人間は心が折れると思いますが。。(;^_^)
厳しい管理下のもとで細かく統制されながら業務を行っているのか、自発的に動いているのかによっても、本人の感じる負担感には大幅な差があります。さらに、どのような理念の経営者の組織に所属しているのか、自営業なのか、本人がどのようなキャリアプランや志向をもって働いているか、体力やストレス耐性など、各人で大きな差があることから、いわゆる数字データでは表せない個別の事情が大きく影響すると思います。
実際、長時間労働をせざるを得ない会社に勤務していて「入社後、4年は修行だと思って頑張った。そしてスキルをつけてから転職した」という人もいました。
残業時間など、数字を目標に合わせるのみではなく、各人の事情を理解した上で柔軟に対応できる制度を整えることが、会社には求められています。
エイレックスは元々残業が多くなく、ワークライフバランスがとりやすいのが特徴であり強みですが、有給取得率をさらに向上させるため、チーム毎に年間の有給取得スケジュールを設定する試みを始めました!
これにより、忙しくて有給取得を忘れていたら、あらっ。。もう年末!年度末!ということがなくなっていき、休暇もより取得しやすいのではないでしょうか。堂々と休暇を取得できます(#^.^#)
平成27年に決定された第四次男女共同参画でも、有給取得率向上がうたわれています。このように、政府は企業へ長時間労働抑制、求職者への情報開示、多様な労働者の雇用促進などを求めています。
その流れに取り残された企業は優秀な人材を確保できなくなっていくため、これらは徐々に浸透していき、労働者の働き方の選択肢は広がっていくのではないでしょうか。
一方、高度成長期に週休一日でモーレツに働き、今の経済大国日本を築いた方たちがいたからこそ、今の労働者がそのような選択肢を得たのかもしれません。
かつてのモーレツ社員への感謝の気持ちを忘れずに、日々仕事に取り組んでいきたいな、と思います。
N・H
「これ」で通勤をより楽に、快適に!
エイレックスの仕事始めで行った近況報告。
そこで、私は2018年の抱負として、
「健康を万全にして、楽しく元気に過ごす」と述べました。
近頃、歳のせいか(?)体の不調が続いていたためです。
日頃業務に支障はないものの、そのことがきっかけで、
半年程前から「スニーカー通勤」を始めました。
これまでは、仕事柄、スニーカーで通勤することはありませんでしたし、
頭にもなかったのですが、スニーカーで通勤を始めてからというもの、
通勤がとても楽になり、ストレスも大分解消されたような気がします。
何でもっと早く始めなかったのか、、と思う程です。
ただ、ヒールに戻れるかどうか、少々不安ではあります(笑)
ここ数年はスニーカーブームが続いていて、カジュアルだけれども、
おしゃれにスーツを着こなすアイテムとしても注目されていることから、
スニーカーを履く人がぐっと増えているようです。
実際、通勤時にもよく見かけます。
また、昨年スポーツ庁では運動不足解消を目的に、
スニーカーを履いて通勤することを呼び掛けるプロジェクトを、
今年の春より始めると発表しています。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2017100200952
何となく、スニーカーは履き難いと思っている方も沢山いるかもしれませんが、
これでスニーカー通勤が定着するといいな、と思います。
特に通勤時間が長い私にとって、スニーカーはまさに「救世主」です。
より快適になるだけでなく、運動にもつながります。
そして、カジュアルなので、気持ちの面でも少し「ほっと」できるような気がします。
これで健康を目指し、仕事に励みたいと思います。
やはり、健康でなくては良い仕事もできません。
皆さんもぜひ一度お試しください。
T.O.
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エイレックス公式HP リニューアルいたしました!
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正月3点イベント
明けましておめでとうございます。
皆様、それぞれに新年を新たな気持ちで迎えられたことと存じます。
物理学的には昨日と今日は太陽系の中の地球の位置がわずかに変化したに過ぎず、ほとんどの生物にとっては昨日の延長としての今日である意味しか有りませんが、私たち人間は「節目」を設けることによりそこに意味を見出し、特に日本人にとって正月は節目の中でも格別の意味を持っています。
本日1月5日、私たちエイレックスの仕事始め日は、「それぞれの年末年始の状況報告」「初詣」「ランチ会」から始まりました。
状況報告では自らの健康を気遣う発言、家族を思いやる言葉、思いもよらない実態報告、などが順次延べられ和やかな進行だったのですが、11:02に携帯電話から「緊急地震速報」アラームが一斉に鳴り響き、全員が今後の強い揺れを予想し身構えましたが、結局揺れは感じられなかったため会を続行することができました(2つの異なる地震を1つの地震としてとらえてしまったことが原因のようですが、何事も無くて何よりでした)。
その後は近くの日枝神社に初詣です。今年の日枝神社は少し早めに到着したためか参拝者はそれほど多くなく、大混雑を予想していた私にとっては逆に物足りなさを感じるほどでしたが、ゆっくりと参拝ができました。
そしてランチ会。男性は全員「大盛り」で予約されており結構苦戦、「並盛り」だった女性でも完食できない者もおり、全員が美味しさと満腹感を満喫しながら会社に戻りました。
こうして無事正月3点イベントが終了し、エイレックスの2018年が始まりました。毎年繰り返されるイベントですが、全社員が元気に揃って参加できることの素晴しさ・有り難さをあらためて感じ、良いスタートができたことへの感謝の気持ちが湧き上がってまいります。
世の中では好景気を口にする政治家・経営者も多く、今年のプラス材料として報道されていますが、一方で戦争リスクは高まる傾向にあり、不安定さが否めないマイナス材料の報道も相変わらずの状況です。まだまだ大きな変化が続き、広報の重要性も一層増すものと思われますが、どんな場合にも世の中の流れに逆らわず、現実を受け入れながら対処して「良い1年だった」と言えるために一日一日をしっかりと過ごしていきたいと思います。
皆様にとって良い1年となりますことをお祈り申し上げます。
Shun
報道・広報で騒がしかった酉年、さて2018年は笑えるか
「申酉(さる・とり)騒ぐ」と株式相場格言で言われる酉(とり)年がまもなく終わろうとしている。
株式相場は申(さる)年の2016年、英国民投票によるBrexit決定(6月)や米大統領選のトランプ氏勝利(11月)の一時期、たしかに騒然とした。けれども酉(とり)年2017年はとくに大きな騒ぎはなく、とくに米国株式市場は一貫して上昇し続けた。
むしろ、騒がしかったのは報道や広報の領域だったように感じる。
DeNA「WELQ」騒動、米大統領選をめぐってのフェイクニュースなど、2016年、2017年はメディアと見られているものの信頼性が大きく揺らぐ事象が相次いだ。そして、「自分たちはプラットフォームだから、コンテンツの内容には責任を持ちませんっ」とのスタンスだったFacebookも、コストをかけてコンテンツの内容をチェックし、フェイクニュース対策に乗り出さざるを得なくなった。
本来、コンテンツの内容に責任を持つべき旧来型メディアも動きも相当騒がしかった。一例は朝日新聞。安倍首相と加計学園理事長の個人的な関係に、批判するに値する箇所があったにせよ、それをファクトではなく、印象でもって伝えてしまうのは、オールドメディアの雄(元・雄?)としてどうなのか。
すでに本ブログで6月26日に指摘しているが、朝日新聞は5月17日付朝刊1面トップに「新学部『総理の意向』」(横見出し)、「文科省に記録文書」(縦見出し)とうたった大記事を載せた。
しかし、そのファクトとして1面左肩に掲載された文書の写真はいただけない。
「総理のご意向だと聞いている」という文字部分はよく目に飛び込むようハイライトされている。
半面、「国家戦略特区諮問会議決定という形にすれば、総理が議長なので、総理からの指示に見えるのではないか」の個所は、暗く影にして読めないように細工している。
明らかに印象を操作しようという意図がうかがえる。
上)朝日新聞2017年5月17日付朝刊1面に掲載された写真
下)朝日の写真で黒く加工された部分に書かれている文言
企業広報の領域でも騒々しい事例が目についた。代表例は神戸製鋼所が顧客向け仕様の品質データを書き換えていた問題だ。
三連休の中日、10月8日にアルミ・銅でのデータ改ざんを公表した。だがその後、情報を適切に管理できず、「鉄粉でも」「子会社も半導体材料で」などと独自ネタを次々とメディアに書かれ、報道を後追いする形で11日に会見を開き説明した。
ここまででも相当騒がしいが、さらに騒動は続いた。12日、社長が経産省の廊下で記者を前に、現時点で鉄粉以外は鉄鋼製品での不正はない、と明言したものの、翌13日、日経新聞によって「線材と呼ばれる鉄鋼製品でも品質データを書き換えて出荷していたことが明らかになった」とスクープされた。
〔アルミ・銅〕→〔鉄粉、薄膜材料〕→〔線材〕...と日を変えて何回も謝罪を繰り返す姿は、「この企業は不正の底が見えない」との印象を見事に作り上げてしまった。
神鋼はもともと広報活動に長けた会社だった。振り返って、一体どうすれば彼らはこの大騒動を避けられたのか。
データ改ざんの発端は、2016年6月に公表したグループ会社が製造するばね用ステンレス鋼線のJIS規格違反だった。人事異動にともない新たに着任した管理職が不審に感じ、調査して明らかになった不正を公表したもので、これは見事な対応だったといえる。
同社はその後、同様の規格違反の有無を全社的に調査し、一段落後、調査対象を民-民契約に基づく要求品質・要求仕様を満たしているかにまで拡大した。そこで出てきたのが今回のデータ改ざんである。
法に基づく規格の違反とは違い、今回は民-民の契約違反である。契約違反は原則、顧客と1対1で解決すべき問題であり、公表はそぐわない。そういう面は、たしかにある。ましてや神鋼はB2Bの素材メーカーであり、顧客であるB2C企業の対消費者向け説明と歩調を合わせないわけにはいかない。
神鋼経営陣は8月末に不適合品の存在を知った後、ただちに不適合品の出荷を停止し、9月中旬から顧客への説明を開始した。ここまでの対応はおおむね正しいといえるだろう。
東レが子会社における検査データ改ざんを2016年10月に把握しながら、2017年10月に至るまで顧客に説明しなかった不誠実さに比べれば、むしろ正直な対応である。
結果論になるが、もしこの9月中旬の時点で、神鋼経営陣がアルミ・銅以外の、主力の鉄鋼製品や、グループ会社まで含めた民-民の契約違反案件、データ改ざんのコンプライアンス違反案件の全体像を把握できていれば、10月8日時点で主体的に一括して公表でき、翌日の紙面は非難一色になったかもしれないが、騒動は短期で収束した可能性がある。
その意味で神鋼のケースは、縦割り組織のなかで、社内情報を収集・整理・分析する機能に問題があったために騒ぎが大きくなった事例といえるだろう。
法令違反ではない、契約違反・コンプライアンス違反は「公表するまでもない」と判断したくなる気持ちは分からなくはない。しかし、公表せず、後から内部告発や、説明を受けた顧客からの情報リークによって明らかになった場合のレピュテーションリスクは計り知れない。内部告発や顧客からの情報リークが抑えきれない今、そのリスクまで想定して公表の可否を判断する必要がある。
× × ×
さて、騒々しかった酉(とり)が去り、次に来るのは「戌」(いぬ)。十干は「戊」(つちのえ)である。
「戊戌」(つちのえ・いぬ)は、陰陽五行説によると、二文字とも「陽の土」を示すらしい。同じ性質同士の組み合わせを「比和」と言い、「勢いが増す」意味を持つとされる。
一方、2018年は明治元年(1868年)から満150年に当たる、大きな節目の年。平成最後のフル1年でもある。
戌(いぬ)年の相場格言は、「戌笑う」。
新しい時代の到来に向かって、笑顔で過ごせるような、ポジティブな勢いが増す一年にしたい。
平野
午後8時0分、当選確実 万歳三唱! なぜ?
今年(2017年)の衆議院選は、
選挙権年齢が18歳に引き下げられて初めての衆議院選でした。
(18歳が参加の初めての国政選挙は2016年の参議院選)
選挙結果はご存知の通りですが、
午後8時0分の開票と同時に
多くの「当確」が発表されることに違和感を感じた方も多くいらっしゃるでしょう。
なぜ、開票スタート時点で「当確」が打てるのでしょう?
遠い昔、1976年、大学時代の私は某新聞社で選挙報道のバイトをしていました。
この選挙は、ロッキード事件発覚後間もなくの選挙。
「コンピュータ付きブルドーザー」と言われた
田中角栄内閣総理大臣の逮捕を法相として許可した稲葉法相は、新潟2区から出馬。
なかなか「当確」が出ない中、深夜、新聞社は「落選」を出しました。
この時、新聞社内では、「エッ」との声があちらこちらで上がったことを記憶しています。
しかし、結局はこれが誤報となり最終的には稲葉法相は当選しました。
この時、この新聞社は拙速な報道と批判を受けることになりました。
それ以来、出口調査や世論調査などの統計データと、
選挙事務所や開票所の調査結果により「当選」を出すということを知るに至っても、
「本当に正しいの?」と考えるようになりました。
現在は、調査、分析精度も上がっていると思いますが、
各局がいかに早く「当確」を出すかを競うあまり、
稀に当確誤報というものを出すことがあるようです。
(前回の衆議院選(2014年)では、6名の誤報を出しましたが、その後改善されたようです)
候補者に、万歳した後に取り消すという悲劇を味わせることのない、報道をお願いしたいものです。
S.K.