その時こそ涙を拭う好機ナリ


事務所の仲間二名が出演している舞台を観に行った


思い掛けず感涙が流れたが

ぬ 拭いたい…!

この涙を拭いたい…!

が 何か恥ずかしい…!

てな感じで涙が伝った儘


指で撫ぜるダケでは最早如何しようも無い状態だった


そんな僕に救いの光が…もとい 救いの闇が…っ!

そう舞台には暗転があったのだよネ


今だ この好機を逃す手は無い…!

と云わんばかりにハンカチで目元と頬を押さえたヨ


だが然し暗転の明けた後に前に座っていたお婆様と小父様が

普通に涙を拭っている姿を見て アレレ別に恥ずかしい事で無く

僕も普通に涙を拭って良いのカイとか思った


良いのカイ

良いのカナ


僕は涙脆いのだけれども

故にその葛藤に遭遇する機会が多いのだけれども

良いのカナ…?