はい、こっちも間が開きました。


皆さん長すぎて最初の方なんか分かんなくなってませんか!?


お浚いがてらすっきりきっぱり言っときましょう!!


これは『“誰が一番”バカ尚に正義の鉄槌を下しダメージを与えられるか』がテーマです!!



さて目下のところ“誰が一番”尚にダメージを与えているのやら…私にも判りません。(笑)


そして当たり前のように開き直っていっちゃいますが、芸能界にも音楽業界にも無縁な私、収録やプレス、プロモーションに至るまで全くの想像です。



実際は知らないのでツッコミ無しでお願いします。


それでは行ってみましょう!!











結局レコーディングは主題歌一曲を一番最後にすることで考える時間を作り、更に春樹が練りに練った最終手段を内密にすることで吉野とも話が着いた。



しかしスケジュールギリギリまで粘ったものの、結局どれだけ頑張っても春樹からのOKは出ずじまいで、尚としては不本意極まりない初の細切れ繋ぎ合わせの一曲になった。



「…こんなの初めてよ。
残念だけど、この曲だけは感情が込められない曲として出すしかないのかしら。
でなければもう一つ手段がない訳じゃないけど…尚としてはどうかしら?
このまま細切れ繋ぎ合わせの曲を不破 尚の曲として世に出すか、楽曲提供として別の歌手に歌ってもらうか…。」



貴方ならどっちを選ぶ?と目を向けられた尚は、困惑するしかなかった。


不破 尚としてのクオリティを落とすか、歌えなかった己の非を認め、楽曲提供という名目を付けて誰かに歌ってもらうか。



プライドの高い尚にとって選べる答えは一つだった。



「…分かった。
ミル…麻生さんがそう判断したなら、俺に言うことはないよ。
楽曲提供で手配してくれ。」



歌う人間の人選も任せるからさ、と尚が付け加えると春樹は心得た様に頷いた。



「分かったわ。
但し後から文句言わないで頂戴ね?
任せるって言ったのは貴方なんだから。」



春樹と吉野が腹の中で黒々とした笑みで北叟笑んでいることも知らず、尚は収録の済んだ曲のチェックに意識を向けていた。



それから一月経った頃、尚は人選を春樹に一任した事を猛烈に後悔することになる。



「…何でキョーコが俺の歌を歌ってんだよっ!?」



尚が知らぬ内に既に収録され、シングルカットでプレスに回っていた例の映画の主題歌の試作品に、尚は愕然としながらも苛立ちを春樹にぶつけた。



「…映画の主題歌である以上、出演者に歌ってもらうのが一番いいって緒方監督と話が着いてね。
で、役どころとしても京子ちゃんが一番いいだろうという事で決定したのよ。
今さら無しになんかしたら損害額半端ないから駄目だからね。
第一人選は任せるって言ったのは貴方よ。」



文句なんか言わせないとばかりにすっぱりと言い切った春樹に茫然とした尚は、最早返す言葉も見つからず黙り込んだ。



「それにしても京子ちゃんがあれほどの歌唱力の持ち主だとは思わなかったわ~。
女優業に重きを置いて活動してるだけに感情の込め方も巧いしね。
久々にウズウズしちゃったわよ♪」



これを機に本格デビューしたらもう全力で取り組んじゃうのに、と新しい遊びでも見つけたが如き春樹のはしゃぎ様に、尚は捨て台詞を吐くだけだった。



「はんっ、曲が良きゃ誰が歌っても売れるだろ!?」



その言葉に春樹がすかさず反論した。



「…あらそう?
歌手が違えば印象も変わるわ。
貴方と京子ちゃん、同じ日に同じ曲で発売することがさっき決まったの。
さぁ、どっちがより売上を伸ばせるかしら?」



映画のいい話題作りになるでしょ、と言ってのける目の前の美女は、本当に自分の知る音楽プロデューサー、麻生 春樹かと尚は自分の記憶を疑ってしまった。



PVは一本撮りで行くからと言い放たれ、最早言い返す気力も失せ欠けていた尚が紹介されたのは、かなり独特な雰囲気を放つ個性的な一人の男だった。



「紹介するわね。
黒崎 潮監督よ。
貴方もCM出演してるから知ってるだろうけど、そっち方面ではかなりのビッグネームなの。
今回の曲のイメージから彼の芸術的な映像をお願いしたくて、無理言ってPVの監督をお願いしたってわけ。」



そう言えば前に遇わせた事があったわねと笑った春樹に視線を送り、尚は眼前の個性豊かな男に頭を下げた。



「…改めてよろしくお願いします。
不破 尚です。」



吉野が席を外していた為一人で挨拶せざるを得なかった尚に、ほぼ初対面の筈の黒崎から信じられない言葉が浴びせられた。



「お~?
少しはマシになったか?
俺の中じゃ、“不破 尚”は挨拶一つ満足に出来ねぇ自惚れ屋のふんぞり返ったお坊っちゃんってイメージだったからな。」



あまりの言われように唖然として言葉も無かった尚に、春樹の辛辣な追い討ちが掛けられた。



「そういう評価が裏であったのは事実なのよ、尚。
…まぁ実際はその上に甘ったれもつけた方が良さそうなんだけど…。」



こうなると完全に言い返す気力も失せた尚は、半ば魂が抜けた様な有り様で吉野に頭を小突かれるまで身動き一つせずに立ち尽くしていた。











…う~む、春樹女史きっついなあ。


今のところ1位は春樹女史で決まりです♪(o^o^o)