「…本当ですね~?
この場限りの言い逃れ…だなんてことになったら…夜な夜な夢にうなされるくらいじゃ済ませませんよ~?」
「約束するって!!
~あーもう、分かったから!!
蓮!!今日のスケジュール、全部こなしたら来い!!
最上君もだ!!
お前らの目の前でやれば文句ないだろうが!!」
「あ、あのぉ…今更訊くのも野暮かなぁとは思うんですが、確認させてもらっていいですか?」
事情が呑み込めていなかった社がローリィに向かって挙手した。
「何だ?」
「…先程ご帰国されたヒズリ夫妻と…その…蓮が…親子っていうのは本当なんですね?」
「…黙っていてすみません、社さん。
色々事情があって、この事を知っているのはずっと社長だけだったんです。
昨日キョーコにもやっと打ち明けられたくらいで…。
決して社さんを蔑ろにした訳じゃないのだけは…分かって下さい。」
真摯に詫びる蓮を見て、社は苦笑しながら頭を下げている蓮の肩を叩いた。
「…あぁ、分かってるよ。
あぁいう人達を親に持つと、この業界風当たり強いしな。
ましてやハリウッドじゃ日本の芸能界の比じゃ無い事くらい想像がつくよ。
だからこその“敦賀 蓮”なんだろう?
…よく分かったよ。」
もう一度肩を叩いて顔を上げさせ、いつもの笑顔を見せた社を見て蓮もホッとしたのか柔らかい笑顔を返した。
「…さて、そろそろタイムリミットだぞ、蓮。
出来るだけ巻きで仕事出来る様にしたいなら急がないとな。
あ、でも安全運転でよろしくな?」
時計とにらめっこしながら社は蓮を促し、話が聞きたいから自分も夜にお邪魔させて欲しいとローリィに頼み、その場を後にしていった。
蓮もまた、名残惜しそうにキョーコを見詰めて、また夜にね、と言い残し仕事に戻っていった。
ローリィが約束通りマスターテープをキョーコにわたし、データを渋々消去したその日の深夜、狂喜乱舞する姿が目に浮かぶ様なウキウキとした口調の国際電話が掛かって来た。
『ボス!?最高だよこの土産!!
言葉だけの報告じゃ物足りないと思っていたんだが、こんなことが起きていたとは予想外だったよ!!』
「…お前、何時だと思ってやがる。」
『…ん?
昼少し前だが?』
「こっちは真夜中だ!!
時間考えて電話しやがれ!!
…気に入ったようで何よりだがな。
そのディスクの為にこっちは怪奇体験しちまったぞ?
…あぁそうだ、後でそれコピーして送ってくれ。
折角のデータをキョーコくんの迫力に負けて消去させられたんでな、手持ちのデータが無いんだよ。」
約束の内にはクーから貰い直しちゃいけないなんてのは無いからな~、とニヤニヤしながらローリィがほくそ笑んだ。
首を傾げながらも同意したクーから失われたデータを取り戻したローリィが、それを数年後の交際会見に意趣返しで上映して再びの金縛り体験をすることになるのもまた…ご愛嬌というものだろう。
「…何見てるんですか…ってこれ!!」
「ん?
キョーコと俺の初デート前の2日間、あの人達と何してたのかなぁって…。
…いけなかった?
社長もホームビデオみたいなものだからいいだろうって言ってたし、構わないでしょ?」
交際を始めて漸く気持ちが落ち着いてきた頃、2人は同棲生活を始めていた。
将来を見据えての事だと説得され、最終的には棄てられたわんこのような目で懇願され、キョーコも遂に折れての同棲生活であった。
そうして引っ越してきたキョーコの荷物の中から出てきたのが『THE ローリィプレゼンツ』と書かれた一枚のディスク。
タイトルからそれがキョーコがローリィを脅してもぎ取ったモノであると直ぐに察しがついた蓮は、自分たちの初デートの想い出話に花を咲かせようと自分とキョーコがオフになる日の夜に観ようと機械にセットしておいたのだった。
「いいい、いけなくはないですが…。
今どこまでっ!?」
「ん?
まだ始まったばかりだよ?
“BOX-R”のロケ現場にあの人達が乱入したトコ。
初日でしょ?
…キョーコ?」
あらぬ方角を見て如何にも挙動不審になっているキョーコは、疚しいところがありますと態度が示していて、もはや自分に隠し事の無い蓮はキョーコを問い詰めるのに何の躊躇いも無かった。
結果、キョーコは平べったくなるまで平伏して謝り、蓮は自分の恋愛相談を本人にしてた事が発覚し、あまりの恥ずかしさに悶絶したという。
ヒズリ夫妻の愛の重さをキョーコが実感…もとい痛感したのは、ローリィ経由で交際宣言が伝わったのであろう直後からであった。
どちらかが少しの休みでもあれば、プライベートジェットを飛ばして来日してはキョーコと蓮を振り回し、怒涛の勢いで帰って行く。
それは蓮が久遠としてキョーコを伴侶に迎え、正式にパパとママになったとしても何ら変わることはなく…寧ろエスカレートして度々若夫婦に泣き付かれたローリィに叱られるという光景を生み出す。
「…愛情の重さを加減するって難しいんですねぇ、パパとママには。」
「だから言っただろ?
あの人達の愛情の重さは地球並に重いって。
頑張って愛情を分散させないとね、キョーコ♪」
「へ…?
分散するってどうやって…。
っっって!!
何でいきなり昼間っから…あぁん!!」
「何でって貴重なオフでしょ?
家族を頑張って増やしたいからね、2人で頑張ろうね?
キョーコ♪♪♪」
「☆★◎×■▼▲□~!!?」
…彼の愛情の重さはつくづく親譲りであったことを身をもって知ったキョーコは、彼に出逢うまで知る事の無かった愛を彼から末永く受け、また与えていく…。
それは未来に愛を繋げていく物語を紡ぐことになるのだと知るのは、それほど遠い未来ではない…。
END
ぶっちぎりました!!
なんかまとまりがつかなかった気がします!!
結局何が書きたかったんだ私…orz
と、とにかく読んでくださってありがとうございましたっ。m(__)m
この場限りの言い逃れ…だなんてことになったら…夜な夜な夢にうなされるくらいじゃ済ませませんよ~?」
「約束するって!!
~あーもう、分かったから!!
蓮!!今日のスケジュール、全部こなしたら来い!!
最上君もだ!!
お前らの目の前でやれば文句ないだろうが!!」
「あ、あのぉ…今更訊くのも野暮かなぁとは思うんですが、確認させてもらっていいですか?」
事情が呑み込めていなかった社がローリィに向かって挙手した。
「何だ?」
「…先程ご帰国されたヒズリ夫妻と…その…蓮が…親子っていうのは本当なんですね?」
「…黙っていてすみません、社さん。
色々事情があって、この事を知っているのはずっと社長だけだったんです。
昨日キョーコにもやっと打ち明けられたくらいで…。
決して社さんを蔑ろにした訳じゃないのだけは…分かって下さい。」
真摯に詫びる蓮を見て、社は苦笑しながら頭を下げている蓮の肩を叩いた。
「…あぁ、分かってるよ。
あぁいう人達を親に持つと、この業界風当たり強いしな。
ましてやハリウッドじゃ日本の芸能界の比じゃ無い事くらい想像がつくよ。
だからこその“敦賀 蓮”なんだろう?
…よく分かったよ。」
もう一度肩を叩いて顔を上げさせ、いつもの笑顔を見せた社を見て蓮もホッとしたのか柔らかい笑顔を返した。
「…さて、そろそろタイムリミットだぞ、蓮。
出来るだけ巻きで仕事出来る様にしたいなら急がないとな。
あ、でも安全運転でよろしくな?」
時計とにらめっこしながら社は蓮を促し、話が聞きたいから自分も夜にお邪魔させて欲しいとローリィに頼み、その場を後にしていった。
蓮もまた、名残惜しそうにキョーコを見詰めて、また夜にね、と言い残し仕事に戻っていった。
ローリィが約束通りマスターテープをキョーコにわたし、データを渋々消去したその日の深夜、狂喜乱舞する姿が目に浮かぶ様なウキウキとした口調の国際電話が掛かって来た。
『ボス!?最高だよこの土産!!
言葉だけの報告じゃ物足りないと思っていたんだが、こんなことが起きていたとは予想外だったよ!!』
「…お前、何時だと思ってやがる。」
『…ん?
昼少し前だが?』
「こっちは真夜中だ!!
時間考えて電話しやがれ!!
…気に入ったようで何よりだがな。
そのディスクの為にこっちは怪奇体験しちまったぞ?
…あぁそうだ、後でそれコピーして送ってくれ。
折角のデータをキョーコくんの迫力に負けて消去させられたんでな、手持ちのデータが無いんだよ。」
約束の内にはクーから貰い直しちゃいけないなんてのは無いからな~、とニヤニヤしながらローリィがほくそ笑んだ。
首を傾げながらも同意したクーから失われたデータを取り戻したローリィが、それを数年後の交際会見に意趣返しで上映して再びの金縛り体験をすることになるのもまた…ご愛嬌というものだろう。
「…何見てるんですか…ってこれ!!」
「ん?
キョーコと俺の初デート前の2日間、あの人達と何してたのかなぁって…。
…いけなかった?
社長もホームビデオみたいなものだからいいだろうって言ってたし、構わないでしょ?」
交際を始めて漸く気持ちが落ち着いてきた頃、2人は同棲生活を始めていた。
将来を見据えての事だと説得され、最終的には棄てられたわんこのような目で懇願され、キョーコも遂に折れての同棲生活であった。
そうして引っ越してきたキョーコの荷物の中から出てきたのが『THE ローリィプレゼンツ』と書かれた一枚のディスク。
タイトルからそれがキョーコがローリィを脅してもぎ取ったモノであると直ぐに察しがついた蓮は、自分たちの初デートの想い出話に花を咲かせようと自分とキョーコがオフになる日の夜に観ようと機械にセットしておいたのだった。
「いいい、いけなくはないですが…。
今どこまでっ!?」
「ん?
まだ始まったばかりだよ?
“BOX-R”のロケ現場にあの人達が乱入したトコ。
初日でしょ?
…キョーコ?」
あらぬ方角を見て如何にも挙動不審になっているキョーコは、疚しいところがありますと態度が示していて、もはや自分に隠し事の無い蓮はキョーコを問い詰めるのに何の躊躇いも無かった。
結果、キョーコは平べったくなるまで平伏して謝り、蓮は自分の恋愛相談を本人にしてた事が発覚し、あまりの恥ずかしさに悶絶したという。
ヒズリ夫妻の愛の重さをキョーコが実感…もとい痛感したのは、ローリィ経由で交際宣言が伝わったのであろう直後からであった。
どちらかが少しの休みでもあれば、プライベートジェットを飛ばして来日してはキョーコと蓮を振り回し、怒涛の勢いで帰って行く。
それは蓮が久遠としてキョーコを伴侶に迎え、正式にパパとママになったとしても何ら変わることはなく…寧ろエスカレートして度々若夫婦に泣き付かれたローリィに叱られるという光景を生み出す。
「…愛情の重さを加減するって難しいんですねぇ、パパとママには。」
「だから言っただろ?
あの人達の愛情の重さは地球並に重いって。
頑張って愛情を分散させないとね、キョーコ♪」
「へ…?
分散するってどうやって…。
っっって!!
何でいきなり昼間っから…あぁん!!」
「何でって貴重なオフでしょ?
家族を頑張って増やしたいからね、2人で頑張ろうね?
キョーコ♪♪♪」
「☆★◎×■▼▲□~!!?」
…彼の愛情の重さはつくづく親譲りであったことを身をもって知ったキョーコは、彼に出逢うまで知る事の無かった愛を彼から末永く受け、また与えていく…。
それは未来に愛を繋げていく物語を紡ぐことになるのだと知るのは、それほど遠い未来ではない…。
END
ぶっちぎりました!!
なんかまとまりがつかなかった気がします!!
結局何が書きたかったんだ私…orz
と、とにかく読んでくださってありがとうございましたっ。m(__)m