[全く~!!
何でコイツなんかが来るのよぉ~!!
せっかく久遠さんと2人きりで楽しかったのにぃ…。
邪魔すんじゃないわよ、この馬鹿ショーがっっ!!]by キョーコ


[本当にいいところを邪魔する奴だよな…。
ルールとはいえ、こんな奴とキョーコを取り合わなきゃならないのが腹立たしいよな…。]by 蓮


[~っ!!
やっぱりコイツら一緒だったのかよ!!
がっちり手なんか繋ぎやがって…はっ!?
ただ繋いでるだけじゃねぇ、所謂カップル繋ぎじゃねぇかっ!!
キョーコの癖にそんなヤツとカップル繋ぎだぁ~!?
許せんっっ!!]by 尚


表情を変えることなく寄り添う2人と対照的に引きつった不自然な笑みを浮かべる尚。


司会者が体裁を取り繕うのに焦っていた。


『争奪ゲームを始めるにあたり、パートナーを奪い合うお二人と、勝者のパートナーになる筈の京子さんから一言ずつ頂けますか?
先ずは挑戦者である不破さんから。』


『罰ゲームは嫌ですからね、全力でパートナーを奪い取りたいと思います。』


『続いて挑戦を受ける側の敦賀さん。』


『彼女のパートナーの座は誰にも渡しませんよ。』


『最後に争奪戦の要、パートナーの京子さん、お願いします。』


『不破さんには悪いですが、敦賀さんは負けないと思います。
万が一負けても拒否権を行使して敦賀さんを取り戻します!!』


『おぉっと!?
不破さんのパートナーを京子さんは全力拒否です!!
さぁ、不破さんに勝ち目はあるのか!?
パートナー争奪ゲーム、スタートです!!』


司会者の合図で、3人は特設プールに移動した。

円形のプールの中心に浮き島が誂えられ、そこに向かってウレタン製の浮き橋が作ってあった。


『今からお二人には、あの浮き橋から浮き島のある中央に両端から進んで貰います。
勿論水に落ちた時点で失格ですが、双方とも落ちた場合にはより早く落ちた方を負けとします。
ただし、浮き島にはこれまたウレタン製のハンマーを用意してありますので、早くたどり着いた方が対戦相手を水に突き落とす事も可能です。』


『…それでは敦賀さん、不破さん、位置に着いて下さい。
よろしいですか?
それでは…用意…スタート!!』


どんな白熱のバトルが繰り広げられるかと思いきや、危なげ無く浮き島に辿り着いた蓮に対し、よたよたと今にも水に落ちそうになっていた尚は、浮き島から尚が乗っている方の浮き橋を蓮がその長い足で軽く揺すっただけであっさり水に落ちた。

ウレタンハンマーを使うまでもなかったのだ。

見ていたスタッフもキョーコも目が点になる程の呆気なさで、まさに何処からツッコんでいいやら。


慌てて司会者から勝者宣言が入り、蓮が改めて京子とペアを組む事が確定すると、京子は軽やかな足取りで浮き島に辿り着き、蓮に抱き付いた。


「カッコ良かったです!!
やっぱり私のパートナーは貴方じゃなくちゃ!!」

「当然だろう?
たとえ誰が君を奪いに来ようが、君のパートナーは生涯俺だけだよ。
他の誰にも奪わせるもんか。」


「蓮さんたら…。」


モニターを観ていた他の8組のペアも、その場に居合わせたスタッフも、濡れ鼠でプールから上がった尚も2人のあまりのラブラブっぷりに唖然呆然。


『あ、あのぉ…。
そろそろゲームを再開させて宜しいでしょうか…。
進行の都合もありますので…。』


司会者の声に漸く気付いたラブラブなキョーコと蓮が、キューティーハニースマイルと綺羅綺羅破顔スマイルをモニターに向けて炸裂させた為に、スタッフ・キャスト共に使い物にならなくなり、交際発表記者会見の後に後日キャストを替えて撮影し直しになった事は後々まで語られる伝説になった。


凹凹にヘコんだ上にみっともない姿を晒しまくった尚は事務所の力を借りて揉み消しに必死になり、そんな尚を見て〈こんなヒト美森の好きなショーちゃんじゃない~!〉と幻滅しまくって泣き喚く美森がアカトキ事務所で見られた他、LMEでも〈キョーコちゃんと敦賀さんってああいう仲だったのか…。〉と意気消沈するブリッジロックのリーダー・光に、〈何でこのあたしじゃなく、あのハイエナ部員なのよぉ~!!〉とぎゃあぎゃあ喚きたてる瑠璃子がいたという…。






-----END---






なんか尻切れとんぼな終わりな気がしないでもないんですが、目標達成ってことで。

オマケのくせに一番長いし…f(^^;