(さぁて、これをどう使うかな…。
クーの奴に編集した最初の5分だけ送り付けて焦らしてやるのも愉しそうだしなぁ…。
色々と楽しめそうだぞ、これは…♪)


…ローリィにかかれば喩えハリウッドスター・クーであろうともオモチャにされる事は不可避であった…。




?それから2時間後。

喉にいいハーブティーを飲み全身マッサージを受け、ぐっすり休まされ体力が回復したキョーコは、用意されていた衣装を身につけ、テンの手によるメイクを施され目一杯ドレスアップさせられて、記者会見が行われるホテルの控え室に向かっていた。


(…セバスチャンさん達に連行された後、久遠さんに逢えないまま来ちゃった…。
まさか私一人で記者会見!?
いやぁぁぁぁ~っ!!
明日の朝日は拝めないわぁぁぁ~!!!(ToT))


項垂れたまま控え室に辿り着き、ドアを開けると心配そうな耳に馴染んだ優しい声が頭の上から聞こえてきた。


「…どうかしたの?
キョーコ。
気分悪いのならここで休んでる?
記者会見は俺一人でも何とかなるよ?」


「…っ久遠さん!!
…じゃなかった…。
敦賀さん、おはようございます。」


がばっと顔を上げた先にいたのは甘やかな微笑みを浮かべた艶やかな黒髪の美青年。


「…おはよう。
この姿の時は“敦賀蓮”だって言わなくても分かってくれて嬉しいよ、キョーコ。
本当に休んでていいよ?
…て言うか寧ろ休んでて。
そんな綺麗な君を他の男の目に晒したくないから。」


何の事かと首を傾げつつ、キョーコは蕩けんばかりの笑顔を浮かべて話を脱線させている、なりたての恋人の手綱を引いた。


「…敦賀さん、何寝惚けた事を仰言っているんですか。
記者会見は私と敦賀さん、二人で出ないと駄目なものでしょう?
それにこの格好、ウィッグ外しただけで昨日のデートとほぼ同じなんですから、他の人に見せるも見せないもないでしょ?」


「…蓮、お前付き合い始めた途端に独占欲丸出しだなぁ…。
  顔が緩みっぱなしになるから気を付けろよ?
  あ、おはようキョーコちゃん。
今日はよろしくね?」


「おはようございます、社さん。
何かとご面倒をお掛けしますが、よろしくお願いします。」


社長宅で休ませて貰わなかったら、会見どころではなかったキョーコだが、何とかふらつかない程度には回復していた。


「こちらこそよろしくね。
そろそろ時間だ。
会見場の準備もできてる筈だから、行ってみよう。
…くれぐれも言っとくけどな、お前だけの会見じゃないんだ。
キョーコちゃんの今後にも関わる大事な会見なんだから、自重しろよ、蓮!」


歩きながら会見場のドアの前まで、重ね重ね蓮に注意を促す社であった。











さ~、いよいよ記者会見です!!

洗いざらいぶちまけるか、惚気まくるか、砂吐きまくるか…。(;^_^A