注意書きです。
タイトルにもありますが、本誌派生創作モノです。
コミックス派の方には思いっきりネタバレですので、Uターンお願いします。
気にしない方だけ下からどうぞ。
『B・J…じゃない、カイン・ヒールさんの妹だそうですよ。』
スタッフの言葉にプロデューサーの前川は引っ掛かった。
(カイン・ヒールにそんな設定あったっけ!?)
近衛監督と主役である本人と自分とで創った仮の姿、カイン・ヒール。
雰囲気の似た、格好は凄いが見れば可愛らしい顔立ちの少女。
どういう事なのか近衛監督に訊きたいところだが、B・Jと他の役者との温度差を見るためのリハーサル中だ。
邪魔する訳にはいかないから、テストが終わるまで待つことにした。
「近衛監督。」
テストの終わった監督に近付いて行くと、丁度彼と入れ違いになってしまって、直接話は出来なかった。
「前川さん、お疲れ様です。
今のテスト、観てましたか!?
いい作品が創れそうでワクワクしますよ~!!」
監督の興奮は分かる。
…分かるが、俺はあの謎の少女の方が気になって仕方なかった。
プロデューサーにあるまじき態度だとはおもうが。
「…本当に。
監督、進行について話があるから少し来てくれますか?」
俺の言葉に監督は頷き、二人でスタジオから離れた監督用の控え室に移動した。
「…さて、これで誰にも聞かれずに話が出来ます。
監督、敦賀君見事でしたね~。」
「うん、期待以上だよ。
予想外の展開にも驚かされたけど。
カインの設定でね。」
「…って事は監督が用意した娘じゃないんですね、あの娘。」
「あ、うん。
LMEの社長さん自らの発案だそうだよ。
女優さん1人、撮影終了までカインのサポートに付けてくれるなんて太っ腹なトコは、流石LMEって感じだよね。」
「…やっぱり女優さんですよね。
でもなんかどっかで見た気がするんですけど…。
彼女、名前は何ですか?」
「ああ、セツカ・ヒールだって。
雪の花、って書くそうだよ。」
「…私が訊きたいのは役柄の名前じゃなくて女優としての名前ですけど。」
何をボケた事をと思いながら聞き直すと、監督はああ、と納得したように応えた。
「敦賀君の後輩だそうだよ。
“京子”だったかな?
今時の娘には珍しく挨拶が素晴らしく綺麗な、楚楚とした水仙が良く似合いそうな娘だったよ、ホテルの部屋を出るまでは。
出た途端あれだから、結構期待出来ると思うよ。」
監督の言葉に、俺は開いた口が閉まらなかった。
この人は《DARKMOON》での 敦賀君の演技を観てB・Jのオファーを出した筈なのに、“京子”に気付かなかったのか!?
…あ、でもそんなものかもしれない。
監督が探していたのは冷酷な殺人鬼を演じられる俳優であって、女優を観ていた訳じゃないからなぁ…。
「…監督、彼の《嘉月》を観て決めたんでしたよね、B・J。」
「そうだよ?」
「あのドラマにもう1人、際立って印象深い演技をした人間がいましたが…。」
「ああ、いたいた。
《美緒》のインパクトは強かったなぁ。
探していたのがB・Jだったからスルーしちゃったけど。」
…やっぱりそういう事だったか。
後でパニクらない様に教えておいた方がいいかな。
「それがあのセツカの娘ですよ。
“京子”です。」
カインの入りでキョーコちゃんを知らない近衛監督に引っ掛かってまして…。
ここは一発、おったまげて頂こうとの思いから出来た作品です。
後編でも前川さん目線です。
タイトルにもありますが、本誌派生創作モノです。
コミックス派の方には思いっきりネタバレですので、Uターンお願いします。
気にしない方だけ下からどうぞ。
『B・J…じゃない、カイン・ヒールさんの妹だそうですよ。』
スタッフの言葉にプロデューサーの前川は引っ掛かった。
(カイン・ヒールにそんな設定あったっけ!?)
近衛監督と主役である本人と自分とで創った仮の姿、カイン・ヒール。
雰囲気の似た、格好は凄いが見れば可愛らしい顔立ちの少女。
どういう事なのか近衛監督に訊きたいところだが、B・Jと他の役者との温度差を見るためのリハーサル中だ。
邪魔する訳にはいかないから、テストが終わるまで待つことにした。
「近衛監督。」
テストの終わった監督に近付いて行くと、丁度彼と入れ違いになってしまって、直接話は出来なかった。
「前川さん、お疲れ様です。
今のテスト、観てましたか!?
いい作品が創れそうでワクワクしますよ~!!」
監督の興奮は分かる。
…分かるが、俺はあの謎の少女の方が気になって仕方なかった。
プロデューサーにあるまじき態度だとはおもうが。
「…本当に。
監督、進行について話があるから少し来てくれますか?」
俺の言葉に監督は頷き、二人でスタジオから離れた監督用の控え室に移動した。
「…さて、これで誰にも聞かれずに話が出来ます。
監督、敦賀君見事でしたね~。」
「うん、期待以上だよ。
予想外の展開にも驚かされたけど。
カインの設定でね。」
「…って事は監督が用意した娘じゃないんですね、あの娘。」
「あ、うん。
LMEの社長さん自らの発案だそうだよ。
女優さん1人、撮影終了までカインのサポートに付けてくれるなんて太っ腹なトコは、流石LMEって感じだよね。」
「…やっぱり女優さんですよね。
でもなんかどっかで見た気がするんですけど…。
彼女、名前は何ですか?」
「ああ、セツカ・ヒールだって。
雪の花、って書くそうだよ。」
「…私が訊きたいのは役柄の名前じゃなくて女優としての名前ですけど。」
何をボケた事をと思いながら聞き直すと、監督はああ、と納得したように応えた。
「敦賀君の後輩だそうだよ。
“京子”だったかな?
今時の娘には珍しく挨拶が素晴らしく綺麗な、楚楚とした水仙が良く似合いそうな娘だったよ、ホテルの部屋を出るまでは。
出た途端あれだから、結構期待出来ると思うよ。」
監督の言葉に、俺は開いた口が閉まらなかった。
この人は《DARKMOON》での 敦賀君の演技を観てB・Jのオファーを出した筈なのに、“京子”に気付かなかったのか!?
…あ、でもそんなものかもしれない。
監督が探していたのは冷酷な殺人鬼を演じられる俳優であって、女優を観ていた訳じゃないからなぁ…。
「…監督、彼の《嘉月》を観て決めたんでしたよね、B・J。」
「そうだよ?」
「あのドラマにもう1人、際立って印象深い演技をした人間がいましたが…。」
「ああ、いたいた。
《美緒》のインパクトは強かったなぁ。
探していたのがB・Jだったからスルーしちゃったけど。」
…やっぱりそういう事だったか。
後でパニクらない様に教えておいた方がいいかな。
「それがあのセツカの娘ですよ。
“京子”です。」
カインの入りでキョーコちゃんを知らない近衛監督に引っ掛かってまして…。
ここは一発、おったまげて頂こうとの思いから出来た作品です。
後編でも前川さん目線です。