「…俺じゃ駄目かな。」
敦賀さんの言葉に、その場にいた全員が固まった。
当然だけど、敦賀さんはトップ俳優の一人なだけにスケジュールも殺人的な筈。
私みたいなぺーぺーの仕事の少ない新人タレントとは訳が違う。
そう思いながら聞き返したものだから、変な声が出てしまった。
「…ほぇ?」
「…再来週の日曜日だろ?
あと12日あるし、スケジュールは何とかなると思うんだ。
…大丈夫ですよね、社さん。」
話を振られた社さんに目を向けると、社さんは私と敦賀さんを交互に見た後でため息を一つついてから苦笑して頷いた。
「…うん、まあ大丈夫だと…思うよ。
…蓮、俺、スケジュールの確認と松島主任との打ち合わせがあるから、時間が来たら構わずに次の仕事に行ってくれ。
あと20分くらいは時間があるから、キョーコちゃん。」
「はい?」
「時間、大丈夫なら少し休憩させてやって?
この後は…うん、多分夜遅くまでの仕事になるからね。」
担当俳優を労る、なんて出来たマネージャーさんだろうって思いながら、私は短い休憩時間のお相手を快く拝命した。
「お茶を差し上げるくらいの事しかできませんが、それで宜しければ謹んで拝命致します!」
お任せ下さい、と胸を張ると、社さんは頼むね、とラブミー部から去っていった。
するとモー子さんが、立ち上がりながら天宮さんに告げた。
「天宮さん、あんたもそろそろ出ないと次の仕事に間に合わなくなるでしょ。
じゃあまたね、キョーコ。
私達ももう行くから。」
「うん、もう出るわ。
またね、京子さん。」
既に鞄を肩に懸けて、準備を済ませていた天宮さんは、こっちが挨拶する間にさっさと出ていってしまった。
「…では敦賀さん、失礼します。」
モー子さんもあっという間にいなくなり、部室には私と敦賀さんの2人だけになってしまった。
スケジュール帳を覗き込みながら、社は深いため息をついていた。
(…有り得ないよ。
あいつ、スケジュールが来年まで埋まってる事知ってる癖に…。
…でもまぁ、あいつにしてはしっかりアクション起こしたって事で、お兄ちゃんは嬉しいからな!
頑張って1日オフをもぎ取ってやるぞ~。
…どうしても駄目なら、社長に泣き付くしかないけど…。)
これから掛かるストレスに思いを馳せ、胃腸薬を鞄の中から探り出す社であった。
さ~、次はデートだぁ~!
敦賀さんの言葉に、その場にいた全員が固まった。
当然だけど、敦賀さんはトップ俳優の一人なだけにスケジュールも殺人的な筈。
私みたいなぺーぺーの仕事の少ない新人タレントとは訳が違う。
そう思いながら聞き返したものだから、変な声が出てしまった。
「…ほぇ?」
「…再来週の日曜日だろ?
あと12日あるし、スケジュールは何とかなると思うんだ。
…大丈夫ですよね、社さん。」
話を振られた社さんに目を向けると、社さんは私と敦賀さんを交互に見た後でため息を一つついてから苦笑して頷いた。
「…うん、まあ大丈夫だと…思うよ。
…蓮、俺、スケジュールの確認と松島主任との打ち合わせがあるから、時間が来たら構わずに次の仕事に行ってくれ。
あと20分くらいは時間があるから、キョーコちゃん。」
「はい?」
「時間、大丈夫なら少し休憩させてやって?
この後は…うん、多分夜遅くまでの仕事になるからね。」
担当俳優を労る、なんて出来たマネージャーさんだろうって思いながら、私は短い休憩時間のお相手を快く拝命した。
「お茶を差し上げるくらいの事しかできませんが、それで宜しければ謹んで拝命致します!」
お任せ下さい、と胸を張ると、社さんは頼むね、とラブミー部から去っていった。
するとモー子さんが、立ち上がりながら天宮さんに告げた。
「天宮さん、あんたもそろそろ出ないと次の仕事に間に合わなくなるでしょ。
じゃあまたね、キョーコ。
私達ももう行くから。」
「うん、もう出るわ。
またね、京子さん。」
既に鞄を肩に懸けて、準備を済ませていた天宮さんは、こっちが挨拶する間にさっさと出ていってしまった。
「…では敦賀さん、失礼します。」
モー子さんもあっという間にいなくなり、部室には私と敦賀さんの2人だけになってしまった。
スケジュール帳を覗き込みながら、社は深いため息をついていた。
(…有り得ないよ。
あいつ、スケジュールが来年まで埋まってる事知ってる癖に…。
…でもまぁ、あいつにしてはしっかりアクション起こしたって事で、お兄ちゃんは嬉しいからな!
頑張って1日オフをもぎ取ってやるぞ~。
…どうしても駄目なら、社長に泣き付くしかないけど…。)
これから掛かるストレスに思いを馳せ、胃腸薬を鞄の中から探り出す社であった。
さ~、次はデートだぁ~!