ある日の事、キョーコはラブミー部としての依頼やレギュラー番組の仕事等で疲れていて、不思議な夢を二つ続けて見た。



その夢とは…。



「…ぬわぁっっ!!
はあっ、はあっ…我ながら何て夢を見たんだろう!
ありえないわ…!!
この私が結婚して、事もあろうに子供までいるなんて!
しかも相手が馬鹿ショー!?
天地がひっくり返ってもありえないっ!
あ~、嫌な汗かいちゃったわ。
時間もまだあるし、寝直そうっと。」


ラブミー部の部室で再び机に突っ伏し、二度寝の体勢を決め込んだキョーコは、程なく再び夢の中に沈んでいった…。




「☆※○×★☆~!!!」

それから数分後、キョーコは今度は声にならない叫び声を上げて起き上がる事になる。



「ななななんて夢を見るのよ私~!!
さっきみたいに家族に囲まれてるのはまだいいわ!
なんで相手が敦賀さんになってるのぉ~!?
そりゃ馬鹿ショー相手に結婚してる悪夢なんかよりはずっと…いや、夢みたいにいいけどっ。
ででででもでもっ!
私ごときが敦賀さんの奥さんになってるなんてそんな不遜な~!!!」


真っ赤になってわたわたとうろたえるキョーコに、後ろから夢のお相手のテノールボイスが掛かる。


「…へぇ。
君が俺の奥さん…ねぇ。」


わたわたしていたキョーコの動きが凍り付く。
ぎ、ぎ、ぎ、と声の主の方を振り返ると、カチコチの声で蓮に尋ねた。

「アアア、アノ、ツルガサマ?
ナゼニソノヨウニカオガユルンデオイデナノデショウカ?」

キョーコの視線の先には神々スマイルを浮かべた大先輩様が立っていた。

「…ん?
そりゃもう、正夢にしたい事だからね。
今君が見た夢は。」

たちまち目が点になったキョーコに、尚も言葉を重ねる。

「夢ってね、その人の願望って事もあるから。
正夢にするべく、頑張って俺に落ちてね?
最上さん…いや、キョーコちゃん。」

そう言ってキョーコの頬をするりと撫でると、蓮は時間だからとラブミー部の部室を後にしたが、残されたキョーコはそれから奏江が来るまでの1時間、凍り付いたままだった。








ただいきあたりばったりで書いちゃいました。