※※※注意書き※※※

…あ~、あらかじめ言っときますが、あたくし一般人なので芸能界の事はわかりません。完全捏造100%ですので、おかしいと思ってもスルーしといて下さい。
突っ込まんで下さい。
凹むので。



それでは本編、スタートです。



‐side Kyoko‐


映画の撮影が始まって、ドラマの作り方とあまり変わらない事に正直ほっとした。
役者には役者のすべき事があり、求められる演技を全力を挙げて演じるのだと理解した。
難点をいうなら、自分がラブミー部員だということ。
男女の恋愛も、家族の愛情も解らない。
…どうしたらいいんだろうか…。


「カーット!
京子、違うだろう!
そこは頑張る父親を労うシーンだぞ?
強張ってどうする!」

「す、すみません!
もう一回お願いします。」

焦る私に、父親役の平林さんが声を掛けてくれた。

「京子ちゃん、焦らなくていいから。
…監督、15分くらい休憩くれませんかね。
切り換える必要がありそうだ。」

平林さんの言葉に、監督も同意してくれて15分の休憩が設けられた。
俯く私に、平林さんは優しい。

「どうしたんだね?
さっきまでいい演技が出来てたのに。
まるで別人かと思う程の変わり様だ。」

「…申し訳ありません。
何度もNG出して…。


自分の不甲斐なさが嫌になる。

「そう思うなら、きっちり切り換えなさい。
いっそ吐き出した方が楽になるって事もある。
普通に父親に接する様に出来ないかね?」

平林さんのその言葉に、誤魔化す事も出来ず、私は正直に答えていた。

「すみません。
私、父親がいないので…よく解らないんです。
ですが、そんな事は役者として演技の出来ない理由になりませんから!
次はちゃんとご迷惑お掛けしないように頑張ります!」

きっぱり言い切った私に、平林さんは悪い事聞いちゃったね、と肩をぽん、叩いてくれた。
始めからいないから、気にもならないのに。
するとすぐ後ろから落ち着いたテノールボイスが掛かった。

「君には演技の上で父さんが出来たじゃないか?
彼に聞かれたら怒られるんじゃない?」

「…敦賀さん。」




撮影現場は難しいです。