目を向けられたショータローは、軽くぱちぱちと瞬きをすると、横にいた祥子さんに何か話し掛け、笑って頷くと立ち上がり、敦賀さんの横に座り直した。

「足引っ張らない様に頑張りますよ。
よろしくお願いします。」

他のキャストやスタッフの皆さんに言ってから座り直した辺りは、少し礼儀ってものを身につけたのかしら。
…ま、なんでもいいわ、この際。
きっとあいつ、私や敦賀さんの事が気に入らないから内容も見ないで請けた筈よねぇ~♪
でなきゃこんな役、あいつが請ける筈ないもの!
大変な仕事、請けちゃったと思ってたけど、楽しみになってきたぁ~!

…なんて気持ちが伝わってしまったのか、いきなり真横から怨キョを呼び込むようなダークな気配。
敦賀さん、もしかしてまだ怒ってたのかしら?
そう思って、そ~っと真横の敦賀さんに目を遣ると、私の視線にあのきらきらした毒吐き似非紳士スマイルでにっこり笑ってこっちを見ていた。

「…後でね。」

ボソッとそれだけ言って、台本に視線を戻した敦賀さんに、背筋が凍り付く気がした。

(ひぃぃぃっ~!!
な、な、なんで?
読み合わせが終わるのが怖いっっ!((゜Д゜ll))


無言のプレッシャーに耐えながら読み合わせが終わると、衣装合わせもあるので撮影所に行く事になっていたけれど、あっさり敦賀さんに捕まってしまった。

「社さん、少し時間ありますよね?」

敦賀さんは私の手を離す事なく、社さんを振り返るとにっこり笑って言い放った。
笑顔でスケジュールの確認をしてる筈なのに、社さんはため息をついて手帳を開いて苦笑いした。

「10分だけな。
それ以上は厳しいから。」




新開監督、上手く釣り上げ成功♪
そして既に何度目か分からない今更なつぶやき。
私、具体的に映画がどうやって創られていくのか全く知りませんので、読み合わせが先なのか衣装合わせが先なのか、読み合わせが何処で行われているのか、全て捏造です。
なので、ツッコミどころ満載の文章も赦して下さりませ♪<(__)>