質問に質問で返されたが、会話が続くのは嬉しいので、気にする事もなく蓮は応えた。

「ああ、前の仕事が少し早く終わってね。
次の仕事までに少しだけど時間が空いたんだ。
事務所に用が有るって社さんも言ってたから、時間つぶしにラブミー部に寄らせて貰おうかなって思ったんだ。
…いいかな?」

「あ、はい!
もちろんです。
お時間が許す限りですがごゆっくりなさって下さいね。
…ところで私、これからお昼なんですけど、敦賀さんはお昼ご飯は…。」

快諾されて嬉しいのだが、昼食の事までは考えていなかった蓮は、ばつが悪そうにそっぽを向いた。

「…やっぱり。
私が持って来たお弁当でよろしければ、ご一緒に如何ですか?
実はモー子さんと一緒に食べるつもりで用意したんですが、都合が合わなくなってしまって。
敦賀さんは私の方のお弁当を召し上がって下さい。」

今お茶を入れますね、と鞄の中から出した弁当箱2つの内、大きい方を蓮の前に置き、空いている椅子の前に小さい方を置いてからお茶の準備を始めたキョーコに、蓮は首を傾げた。

「俺はそっちのでいいよ?
こっちは最上さんのだろう?」

「駄目ですよ。
こっちはモー子さん用なので、カロリー控えめなんです。
一度普通のお弁当を持って来たら、
“あんたの料理は24時間年中無休でダイエット中の私には毒そのものよ!
美味しすぎて食べ過ぎる危険満載の代物、持って来たらあんたとの友情はこれまでと思いなさいっ!”
…って言われてしまいまして、それならダイエット食ならいいかなって持って来たら、…今日はこっちに来られないという事で、余ってしまうところだったんです。
でも、モー子さんのお弁当じゃ敦賀さんにはカロリーが低すぎるので、私のお弁当を差し上げますね。」




敦賀氏、残り物には福がありました。
…いつの間にか蓮視点になってしまってます。