さてと、ここからは書き方を少し変えていきたいと思います。
というか、緒方監督目線から変えないと無理です。
読み辛かったらご指導くださいね。
頑張って直します。



社長室での悪巧み会議から1ヶ月後。
キョーコは新しい仕事のオファーが入ったという椹主任からの連絡を受け、タレント部に顔を出していた。

「喜ばしい事だ!
君に映画のオファーが来てるぞ?
それもヒロイン役で!」

にこにこしながら椹がキョーコに告げたが、告げられた本人はキョトンとした顔で言葉の意味を噛み締め、その意味を理解するのにたっぷり10秒は固まっていた。
そして養成所の教育の成果を、遺憾無く発揮したそれは見事な発声をタレント部のあるフロア全体に響かせた。

「ええええええ~~~~っっっっ!!!!」

余りの大音響に、至近距離にいた椹は慌てて耳を塞いでいたが、それ以外の事務所スタッフは1分以上は机に突っ伏して、動けなくなっていた。

「い、いかん。
また大きな声を出されてはタレント部の仕事が止まる!
カフェテリアに移動するぞ、最上君。」

「は、はい!」

ばたんきゅ~、なタレント部職員を尻目に、椹とキョーコはカフェテリアに移動した。

「…それで椹主任。
私にヒロイン役のオファーを下さった監督さんは、一体どなたなんですか?
なんかまだ信じられないです…。」

にこにこしながら、椹は封筒の中の台本をキョーコに差し出して彼の人の名前を告げた。

「大ヒット中の“RIN‐DOH”の、新開誠士監督だよ。
ほら、蓮と松内瑠璃子が共演した。」

名前を聞いて思い出した。
何も知らない自分に、初めて演技する場と姿をくれるきっかけになった監督。




やっと本人登場です!
でも蓮がまだだよ…。