「それにしても、凄いご招待でした。」

僕らの苦笑いにどこ吹く風の社長は、からから笑って手を振った。

「いやいや、本来なら私が直接出向いて、もっと華やかにご招待したいところだったんだが。
残念ながら時間の調整に回っていたんでな。」

…って事は、社長直々に来てたらもっとド派手だったと……。
…恐ろしい。

「ま、それはともかく始めようや。
きっかけから、な。」

宝田社長は話を進めるように促して、運ばれて来たお茶に手を延ばした。

「…事の起こりは一月半くらい前になります。
僕と春樹で馴染みのクラブで呑んでいるところへ、新開さん達がたまたまやって来たんです。
お互い知らない仲じゃないですし、同席して一杯呑もうって事になったんですが、その話の流れで僕ら全員が京子さんと少なからず関わりがあるっていう事実に気が付いたんですよ。」

ふんふん、と言った感じで頷く社長さんを確認しつつ、僕は話を続けた。
京子さんがまだデビュー前、松内瑠璃子の付き人として新開さんと会い、演技対決をしていた事。
キュララのCMのオーディションから注目していた黒崎さん。
不破尚のプロモで、度肝を抜かれた美しさと演技力に魅了された春樹。
そして、新しい未緒の世界を見せて、僕の“DARKMOON”を導き出すきっかけをくれた事も。
それぞれが京子さんが見せる新しい発見と未知の可能性に魅了させられて、まぁ京子さんをオカズに酒飲み話に花が咲いていたんですよ。
そういう話の流れの中で、自分だけが知ってる京子さんの一面の暴露話みたいになってきちゃったんです。」

ね、と春樹を見遣ると、春樹も頷き返して僕の話に続いた。




嫌だなぁ、なんかざっと説明させるつもりが長話になりそうで。