「そしてそんなキョーコちゃんに片想い真っ最中な蓮。
そんな2人だから、進展するのも一苦労で。
キョーコちゃんが蓮の家まで行って、何回夕食作ってると思います?
泊まった事も何度もあるのに、それでもただの先輩後輩のままなんです。
もう、ちょっとやそっとの後押しじゃあどうにもなりませんよ。」

あのヘタレ俳優、何が“芸能人一いい男”だ“抱かれたい芸能人No.1”だよ、とぶつぶつ文句を言う社さんに、こっちは今日何度目か分からない目が点状態に陥っていた。
厳然たる事実だけを述べるなら、京子さんと敦賀君は何度もお泊りデートをしている仲だって事なんだから!
ひとしきりぼやいて落ち着いたらしい社さんは、僕ら一同を見渡してにっこりと笑った。

「恐らく社長を巻き込んだ時点で、仕切り役は社長がしてくれますよ。
多少の意見は容れてくれますから、安心してていいと思います。
ま、今日のところは親睦会で終わりかな。
同じ目的で動く仲間同士の、ね。」

社さんの言う事は尤もだった。
LMEの社長さんが出て来るなら、僕ら一同その下で動いた方が効率的だろう。

「じゃあ僕らは基本案とその目的を企画書にまとめましょう。
取り敢えずメルアドの交換ですね。
お互い何かと忙しい身ですから、基本はメールの交換で、煮詰まってきたらまたこうして集まって仕上げましょう。」

僕らは頷きあって、自分達の携帯を取り出し、アドレスの交換をした。
その後はもう、すっかり打ち解けた者同士で楽しい飲み会になり、気分良く解散となった。
…それから一ヶ月と経たず、僕らはとんでもない招待を受けるとも知らず…。




さてどんなご招待する気ですか、あのお方。
ていうか何書く気だ自分。