社さんの言葉に、僕は頷いた。
確かにあの社長さんなら、やってくれそうだ。

「あ~、あの人かぁ。俺も会った事あるけど、奇抜っていうか、派手な人だったよなぁ。」

黒崎さんが少し遠い目をしながら呟いた。

「…という事は、LMEの社長さんも参加決定ですか?社さん。」

確認すると、社さんはきっぱり言い切った。

「むしろ取り込まないと、この計画が社長に発覚した時が怖いですよ?
…ま、見当も付かないスケールになるのは確実ですけどね。
仲間に引き入れるならこれ程心強い方はいませんし。
敵に回したくないです、俺は。」

あまりの言いように、みんな呆気にとられたが、すぐに気持ちを立て直した。

「じゃあ、更にLMEの社長さんの参加をお願いするとして、プロジェクトの詳細を詰めていこうか。
基本案は潮が立てた順でいいかな?」

新開さんの発言にみんな頷いた。
そこに社さんが繋ぐ。

「内容が大事ですよね、このプロジェクト。
黒崎さんが始めで、どんなCMに創るつもりですか?」

「う~ん。
予算にもよるな。
いくら内容を詰めておいても、予算オーバーじゃあ話にならないし。
第一、俺の仕事は、スポンサーがいて初めて成り立つ仕事だし。
そのスポンサーが出す制作費をやり繰りして創るからな。」

黒崎さんのその答えに、社さんは納得したように頷いた。

「だったら尚更うちの社長の力を借りましょう。
今回のプロジェクトは、不破の馬鹿な思い上がりを思い知らせると同時に、キョーコちゃんの恋愛拒否を少しでも改善させるのが目的です。」

社さんの言う事は尤もだった。




さてますますスケールがでかくなってきちゃいました。
ローリィ・宝田社長が絡んだら何が起こるのか、(というか、どう引っ掻き回されるか)分かったもんじゃありません。
…楽しいけどね。