『尚、貴方確か京子ちゃんは男の子と付き合った事ないって言わなかった?』

『ああ。幼なじみの俺の後ばっかり追いかけてたからな、一度も男と付き合った事なんかないだろうな。』

『貴方そんな京子ちゃんの唇を奪って来たの?
間違いなくファーストキスじゃないの!
しかもそんな理由で?
…本当に後で痛い目見ても知らないわよ。』

『だからさっきも言ったじゃねーか。
あいつは俺のモンなんだから、俺が何しようが俺の勝手なの。』

『はいはい、そうですか。
じゃあこの話はここまでにしましょう。
次の新曲のプロモの打ち合わせしなくちゃね。』

がさがさと音がして、音声が途切れた。
辺りには重苦しい空気と沈黙が流れたが、みんなが息を詰めていたのだろう、誰ともなしに出した大きなため息と共に少し空気が軽くなった気がした。

「…どう思う?
これ聴いて。」

春樹の言葉に、少しの間まともに反応できる者はいなかった。
僕を含めて。
春樹への見栄にしろ本音にしろ、不破君の言動は少なくとも僕の神経を逆なでするには十分なものだった。

「私、一応忠告はしたわよ。
でもあの子、全く悪い事したなんて思ってなかったから…正直言って、本当にただじゃ済ませる気、なくなったわ。
…どう料理してやろうかしら。あの女の敵。
仕事仲間じゃなければ、徹底的に潰してやるのに!」

僕は怒りに震える春樹の肩を軽く叩いて彼女の我慢を労った上で、周りの顔を見渡し、自分の意見を述べる事にした。




さてと、難しい展開かな?タイトルと繋がらないような…。