「…だから、僕らは間接的な意趣返しをしない?
あからさまにやったんじゃまずいけど、あくまでも”間接的”に。」

色々と思い付く事があって、何となく頬が緩む。
ただ笑っただけなのに、さっきまでダークな嘉月&未緒だった3人がさあっと青ざめた。
…何で?

「間接的って…何する気なんだ?緒方君。」

何だかびくびくしながら新開さんが聞き返してきた。

「そうですねぇ…。具体的にはまだ出来ませんけど、”DARKMOON”の最終回の撮影とか編集とか全部終わったらその後から何かしようかな、っと♪
僕は今回のドラマで、すごく成長してくれた京子さんと、新しい一面を見せてくれた敦賀君を気に入ってるんです。
だから、次の仕事をする時にまたあの2人にお願いするつもりです。
その時不破君をどう扱ってやろうかな…とは思ってますけど。」

にっこり笑って言う僕の台詞に、みんな賛同した。

「なぁるほど、その手があったか。
不破って奴は良く知らないが…、あ、麻生さん悪いね。
君の担当アーティストを知らなくて。
だけど俺は蓮も京子君も知ってるから、むしろそっちを応援してやりたいしね。
…次の作品の企画書にその辺を盛り込んでみるか。」

新開さんがにんまり笑って僕に視線を向ける。

「そこに俺が入って…4段構えかな?
麻生さんが更に加わってくれるなら、だけどさ。
先ず俺がCMの企画を出すだろ?
不破が京子にこっぴどくフラれる役所のコメディータッチのやつな。
その後に誠士が、京子と敦賀君が不破の邪魔を乗り越えてくっつく映画。
更にその続編を緒方君が、じたばた足掻きながらも振り向いて貰えず、後悔する不破の哀れな姿を世間に晒して、とどめを麻生さんが刺す。
ってのでどうよ。」




さて、麻生さんはどこまで乗ってくれるのか?

段落調整と加筆しました。