言いたかった事を全部吐き出して、すっきりさっぱりしたところで周りのリアクションが変に静かな事に初めて気が付いた。

「「「………。」」」

3人はそれぞれに考え込んでいた。声を掛けようかとも思ったが、確信にも似た嫌な予感が、僕にそれを止めさせた。しばらく黙って3人の様子を見ていたが、やがて黒崎さんが口を開いた。

「…俺なぁ、あのキュララのオーディションの時、あの娘からただ者じゃないものを感じてたんだよ。だからあのすげえ可能性の持ち主にちょっかい出すのはともかく、身勝手なわがままぶつけて傷つけるのは許せねぇなぁ…。」

く、黒崎さんがダーク嘉月のようなオーラをっっ!!!
慌てて新開さんに助けを求めようとして視線を向けると、そこにはダーク嘉月2号が!!

「…俺もさぁ、あの瑠璃子の一件以来、あの娘の事、気に入ってるんだよなぁ…。あの時でさえ、これで演技力がついてきたら俺、間違いなく役者としての彼女に惚れるって思ってたんだから。そりゃ役者やってりゃキスシーンなんて別に珍しいもんじゃないけど、そんなのは飽くまで経験のある相手に言う事であって、プライベートでもしたことない女の子に同意も無しにいきなりディープキスってありえないよなぁ…。」

不破尚…どうしてくれようか…とぼそりと呟く新開さんに、椅子に座っていたため後ずさり出来ず、最後の希望に賭けて横にいた春樹に目を向けた。
「………なんて事してるのよ。」

「は、は、は、春…樹さん?」

雰囲気に押され、思わず吃ってしまっても仕方がないと思えた。最後の希望は、2人のダーク嘉月もどきに負けない、美緒のようなオーラを醸し出していたのだから。




…自分の未熟さを痛感してます。m(__)m