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アパートメント3号室

家と絵本とカメラと


"The Adventures of Ellery Queen"

Ellery Queen

「エラリー・クイーンの冒険」

エラリー・クイーン

中村有希


名探偵エラリー・クイーンによる、正統派推理短編集。

新約により、過去に未収録であった作品も追加された完全版。


黒髪のほっそりした長身で、謎めいた銀色の瞳を持つ美形で、常に冷静なのにやさしくて大胆でという、現代のアニメやラノベのチートキャラ元祖としか思えないエラリーによる、「これぞ推理小説」という醍醐味が味わえる!らしいが、悲しいかな、元祖故、後発に散々似たような使われ方をしたせいで、どの作品も読み始めてすぐに犯人も方法も察しがついてしまう。

そこへもってきて、とにかくエラリーの言うことがいちいち気障で、鼻について仕方がないのは年のせいなのか?しかも時代を反映して、女性蔑視やら人種差別やらが当然のように書かれているのも、人によっては不快かもしれない。

当時の文化や風俗もなんとなくわかるので、一種の古典文学と思って読めば面白いが、アガサ・クリスティーと比較すると、どうも青臭さや修飾過剰で、心理描写が浅く思えて仕方がない。

アシモフがクリスティーを尊敬している理由が分かった気がするし、「黒後家蜘蛛の会」の方が短編集としてもはるかに品も質もいいと思う。


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年に2回の安くなるチャンスだったのでKindle Paper White 購入。

これでリビングを占拠している本が減らせるのか


Kindleは無料で読み放題もあるし、洋書は安くてWord Wise機能は勉強になるし、なにより、常に本を2冊持ち歩いているような人間にはありがたく、また、明らかにiPadやiPhoneにくらべて見やすい。バッテリー持ちもいい。


純正の液晶フィルムは高いのでダイソーでマットタイプのiPad mini 用フィルムを買い、カットして使用。問題なし。


早速、アガサ・クリスティーの「動く指」を原著で読んでいるが、クリスティーの英語というのは語彙が豊富ではあるけど、読みやすく、もっと早くからガンガン読めばよかったわー、と後悔。


カラーが活かせないので、雑誌やレシピ本には向いてないけれど、そこまでして読みたい雑誌やらレシピ本やらないし、あまり書架にもないから、今後、どんどん電子書籍が増えることを願う。

丸善は買った文庫本作品を50%の電子書籍版で買えるサービスあるが、ぜひ、あれは日本の出版界のスタンダードにして欲しい。

その方がエコでなおかつ本が売れると思う。


そして、ほんとうは、AmazonはKindleのタブレットではなく、リーダーなら、無料でプライム会員に配布してもいいんじゃないだろうか。


前に楽天から無理やりkoboが送られてきて、使用感があまりに悪くてお蔵入りしたけれど、そういうサービスは悪くないと思う。


実は遠方に住む父の心臓の具合が悪く、緊急に手術となり、明日から私1人で向かうことになったが、集中治療室ですることないので、手荷物少なく、たくさんの本を持っていけるKindleがいい時期に買えて良かった。










「日日是好日-「お茶」が教えてくれた15のしあわせ」


森下典子 著


母が「タダモノではない」と看破した「タケダのおばさん」を「先生」とし、毎週土曜日の午後に通い続けた「お茶」の時間。それはたんなる茶道という習い事を超え、人生の一部となっていった。


著者自身、「真面目で不器用」と何度も書いているが、ほんとに、読んでいて痛々しいと感じる時もあるほど真面目で一本気な若い女性が、年月を重ね、「お茶」のお稽古に通うことで、人生の様々な悩み、苦しみ、悲しみや、自分自身に対する焦り、自己嫌悪などと対峙し、受け入れ、成長していく様を読者も共に体験していったような気持ちにさせられる。

先生になにか言って欲しい、という若い頃から、先生も言いたいけれど言えないのだ、と気づくまでに、かなりの年数がかかりつつも、そこに至るまで通い続け、黙って道を示し続けた師弟関係の絆にも心揺さぶれるものがある。

生きていくというのは決して楽ではなく、だからこそ、人は一期一会、たった一杯のお茶になにかを求める。

茶道入門ではなく、あくまで、1人の女性の等身大の成長記録として読み、共感することのできる、秀逸なエッセイ。