三橋貴明による原発再稼働のプロパガンダ | 三橋貴明氏の原発再稼働を批判するブログ

三橋貴明氏の原発再稼働を批判するブログ

原発を延命するのに使うお金、次のエネルギーを開拓するのに使うお金。
次に原発が事故る確率と、次のエネルギーの技術革新が起こる確率。
次に日本で大地震が起こる確率と、原発の組織内で癒着が起こる確率。

三橋貴明氏の経済政策は正しいが、原発推進は間違い。

●プロパガンダ発言● すべての化石燃料を海外からの輸入に依存しているため、もし輸入がストップしたら、火力発電所は1ヶ月でストップし、国民生活と国民経済が危機的状況に陥る。
http://www.youtube.com/watch?v=9F6_nfM2A00
原発を停止した結果、貿易赤字が拡大し、かつ天然ガスの中東依存が高まっている。ホルムズ海峡封鎖といった事態になると、日本の電力供給は数か月程度しかもたない。
http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-11412953219.html

●→ 危険が懸念される中東からの化石燃料の輸入が1ヶ月以上ストップした場合でも、火力発電所はストップしません。ストップではなく、発電される電力量が平均して13%低下するようになります(以下[A]を参照)。中東からの輸入がストップしても、隣国/安定国からの輸入があるので、完全にストップすることはありません。三橋貴明ともあろう方が、データに基づくことなく、誤った過大なイメージだけで民意をあおろうとしています。
[A] 2010年(3.11前)の日本の電力は、30%が原子力発電、62%が火力発電(30%が天然ガス、25%が石炭、7%が石油)です[1]。日本の天然ガスの輸入先は、60%以上が隣国/安定国(マレーシア、オーストラリア、インドネシア、ロシアなど)で、危険が懸念される中東からは30%です[2]。石炭の輸入先は、90%以上が隣国/安定国で、中東からはほぼゼロです[3]。一方、原油の輸入先は、80%以上が中東です[4]。したがって、原発停止状態の日本の電力の中東依存割合は、天然ガス30%*30%/70%=13%、原油7%*80%/70%=8%です。原油は石油備蓄基地があり、200日間の蓄えがあります。天然ガスは20日間の蓄えがあります。
[1] http://memorva.jp/ranking/japan/enecho_energy_power_share_2010.php
[2] http://www.teikokushoin.co.jp/statistics/map/index17.html
[3] http://www.teikokushoin.co.jp/statistics/map/index18.html
[4] http://www.teikokushoin.co.jp/statistics/map/index16.html
[5] http://www.nikkei.com/article/DGXNZO38992910S2A220C1EE2000

●→ 危険が懸念される中東からの化石燃料の輸入が1ヶ月以上ストップした場合、発電される電力量が平均して13%低下するようになります。13%の不足分を補うだけの話を、0%(大停電)か100%(安定供給)かの極論に持ち込んで、三橋貴明ともあろう方が、誤った過大なイメージを押し付けようとしています。マスコミを批判する三橋貴明ですが、結局、原発になるとマスコミと同様の極論に持ち込む手法を使って、民意をあおろうとしています。

●→ 本来、13%の発電不足分を補うだけの話ですから、その解決方法は、原発再稼働以外に数多く考えられます。なぜすぐに原発再稼働へ行きつくのでしょうか? あたかも、原発再稼働しか選択肢がないようなイメージを押し付けようとしています。そもそも原発再稼働には、今まで杜撰であった安全基準を見直し、正しい安全性を保障する新たな安全基準を確立して、これを基に全原発において安全性のチェックを行い、改修工事を完了させる必要があります。3年単位の長い時間が掛かります[1]。2013年1月現在、全体のスケジュールはありません。何年先になるのか分からないのに、なぜ原発再稼働へ行きつくのでしょうか? 先行き不透明で計画が不安定な原発に、喫緊の課題である日本の電力を委ねるのでしょうか? なぜその他の解決方法を考えられないのでしょうか? 三橋貴明ともあろう方が、原発推進という結果ありきの議論をしています。
[1] http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-11412953219.html


●プロパガンダ発言● 現実問題として、日本は使用済み核燃料を「再処理」した上で最終処分しなければなりません(現在と将来の国民の安全のために)。さらに、再処理のプロセスで生成されたプルトニウムは、MOX燃料として「原発」で使用し続けなければならないのです。
http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-11412953219.html
http://www.youtube.com/watch?v=mSlqn_kdK3Y at 10:30

●→ 技術的に「再処理した上で最終処分しなければなりません」と決まっているわけではありません。いくつかの選択肢のうちの一つです。世界における使用済み核燃料の最終処分計画は、日本とフランスの2か国のみが再処理で、アメリカ、ドイツをはじめ、フィンランド、スウェーデン、スイス、ベルギーと、その他すべての国では再処理をせずに、使用済み核燃料を地中に埋めて廃棄する計画です[1]。アメリカは再処理でプルトニウムを取り出す技術が拡散するため、核不拡散の立場から、再処理を行わず直接処分を行う政策を取っています[2]。ドイツ、スイス、ベルギーでは、途中で再処理の政策を取りやめて、再処理をしない方針に切り替えました[1]。三橋貴明ともあろう方が、あたかも再処理が絶対であるかのような印象操作をしようとしています。日銀法は改正できるのに、再処理政策は変更できないとは、おかしな話です。三橋貴明による国民経済の主張では、あれほど世界中のデータに基づきグラフを明示していたのに、三橋貴明の原発推進は、統計データを調べて比較することもなく、全くデータに基づいていません。
[1] http://www.jnfl.co.jp/business-cycle/4_haikibutsu/haikibutsu_03/hakibutsu_04/_04_04.html
[2] http://www.hiroshimapeacemedia.jp/mediacenter/article.php?story=20120613101133843_ja

●→ 原発稼働には、技術的に解決されていない大きな問題があります。使用済み核燃料をどのように処分するか、というものです[1]。再処理によって体積が1/3になるものの、再処理しようがしまいが、高レベル放射性廃棄物は排出されます。地中に埋めて1万年以上管理するより、良い方法がありません。現状の本音は、今後50年、あるいは、100年間あれば、核反応に新たな技術革新が起こって、現存する使用済み核燃料の量、あるいは、危険度を大幅に低減できる処理技術が確立されるのを期待しています。それまで、使用済み核燃料を燃料プールに一時保管し続ける、現状は暗黙の内にこのような構図になっています。最終処分施設は、2013年現在、世界中で1つもありません[2]。最も早いもので、スウェーデンが建設前の安全審査を行っている所です。
[1] http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%94%BE%E5%B0%84%E6%80%A7%E5%BB%83%E6%A3%84%E7%89%A9#.E9.AB.98.E3.83.AC.E3.83.99.E3.83.AB.E6.94.BE.E5.B0.84.E6.80.A7.E5.BB.83.E6.A3.84.E7.89.A9
[2] http://www2.rwmc.or.jp/wiki.php?id=hlw:progress-at-glance


●プロパガンダ発言●
 少なくともわたくしが「ノリ」で原発について語っているわけではないことはご理解ください。わたくしは原発関連の記事を書く上で、静岡県の浜岡原子力発電所、青森県の六ヶ所村の再処理施設、東通村の東通原子力発電所、むつ市のリサイクル燃料貯蔵株式会社、そして日本初のフルMOX(になる予定)の大間原子力発電所と、自分の目で各施設を見て回り、現場で働いていらっしゃる専門家の方々から直に話を聞いているわけでございます。
http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-11412953219.html

●→ ~省略~現場で働く専門家から直に話を聞いた、とあります。原発に生活が掛かっている従業員です。その方のお話を聞いた、と。原発の勢力構図も知らないままに、原発推進派の牙城に乗り込んで、すっかり飼いならされた素人、としか見えません。発電所、処理施設にいる従業員は、マニュアルの基で原発の運営しかしていません。この構造・システムでなぜ安全と言えるのか、彼らは安全の理由を知りません。どの部分に脆弱性があるのか、彼らにその発見能力はありません。システム全体は、設計・製造を委託された製作所、核反応部分は、共同研究した原子力研究機関が、最も良く知っています。三橋貴明ともあろう方が、そんな点にすら気づかなかったのでしょうか? これでは、経済知らずの新聞記者が、財務省の言いなりになりながら社説を書いているのと同等です。