クローバー31日付朝日新聞「耕論」欄に、現代の私小説作家で、今年1月芥川賞を受賞した西村賢太氏のユニ

ークな宰相論が掲載されていますので、要旨を紹介させていただきます(副題は私の任意で補足)。



 首相が野田さんになって困ったなと思いました。復興増税に最も前向きなんでしょう。とんでもない。こんな状況ですぐに増税されたら貧困、格差がますます進む。格差が拡大し、日本中が失業者の渦になる。そのうち酒やたばこがまた増税の標的になるでしょう。どちらも僕には欠かせないものなんですよ。


 国が借金で大変なのはわかります。でも国民に理解が広がらないのは、政治家を信用していないから。庶民は我慢しているのに、彼らに自分を犠牲にする姿が見えない。例えば国会議員の数を減らす、歳費も減額する。そこから始めるくらいじゃないと、再び信頼を取り戻すのは難しいと思います。


 首相は海江田さんがいいと思っていました。小沢一郎さんの持ち駒でもいい。実態として小沢さん主導でも、物事が動いていくのなら。海江田さんは大臣辞任の時期を問われて泣きましたが、否定的には見ていません。情がある人間だと思う。閣僚目線じゃなく人間目線で対処してくれそうな気がした。


 小沢さんは政治とカネの問題などと言われますが、東北出身だから震災復興にも思いはあるはず。官僚の使い方も知っている。政権運営には小沢さんの使い方がカギになるでしょう。野田さんが、自分を支持しなかったことで遠ざけて反目するなら、菅さんと同じことになる。不毛な争いに巻き込まれ、迷惑するのは国民です。


 ここは、国のためということで、小沢さんに頭を下げるぐらいの気持ちでやってほしい。大人なんだから利用し合えばいい。変なプライドやメンツを捨てるべきです。


          読者登録してね