これは長い独り言。

最近出たキスマイの新曲のタイトルが、私に『はじめちゃんが一番!』と言う漫画を思い出させて、

どうにも気になるので、この事を書いてみようかと思った。




小学生高学年の頃、塾のお友だちに『ファミリー!』と言う漫画を貸してもらった。

それまで、漫画と言えばりぼんしか読んだことがなくて、渡辺多惠子のこの漫画が、ずいぶんと大人な感じがして、夢中になって読んだのを覚えている。

最終回を読んだときの衝撃と言ったらなかったし、あの当時は何度も読んで何度も泣いたものだった。


そして、私が高校生の時、今度は別の友達に『はじめちゃんが一番!』と言う漫画をもらった。

もう読まないから、と言って、譲ってもらったその本は、やはり渡辺多惠子の作品だった。

よほどご縁があるのだなあ、と思いながら読んでいくと、最初はそれほどハマらなったのに、どんどん夢中になっていって、三冊までもらったその漫画の続きを、その後全て集めることになった。

『はじめちゃんが一番!』は、アイドル界を描いた漫画で、特にジャニーズにそっくりな世界が描かれている。

当時、まだまだ人気があった光ゲンジが物語のモデルになっているのだ、と容易に想像出来た。

アンチアイドルを気取っていた私が、その数年後にこんなにもアイドルであるSMAPに両足どころか体ごと突っ込んでしまうことになった理由のひとつに、この漫画の存在があるのかもしれない。
アイドルを見直すきっかけを、間違いなくこの漫画は与えてくれた。



主人公ははじめちゃんと言う、経済観念のしっかりした、決して裕福とは言えない家庭に育った女の子。

弟がなんと5つ子で、小さい頃からCMに出たりしていたのを事務所の社長に目をつけられ、アイドルグループとしてデビューする。

5つ子は天真爛漫で、自分達の好きなことばかりをしているようで、実はほとんど育ての親である姉のはじめちゃんのために、とても健気に一生懸命アイドル業を勤める。

顔ももちろんそっくりな5人を、髪型と、スピンオフのような、それぞれの性格を際立たせる一人一人を主人公にしたストーリーで描き分けるその力と言うか、すごい作家さんなんだなあ、と思いながら読んでいた。

15冊と言う、割りと長い連載の結末も私にとってみれば意表を突いていて、こう来たか~、と思ったのだけど。

芸能界の、アイドルたちの裏側を垣間見られて、アイドルがこんな世界で頑張っているのだとわかって、とても面白い漫画だった。

で、何が気になることかと言うと、その、5人のグループ名が、『A.A.O』だと言うことなのだ。


確か、うろ覚えだけど、漫画に出てくる事務所の社長が『斬新且つ、ちょっとダサい、彼らにピッタリのグループ名はないだろうか』と頭を悩ませていて、閃いたのがそれだった。

『そんなグループ名があったら、僕は一生社長を尊敬しますよ。』
と言う側近に、

『見てろ、一生私を尊敬させてやるぞ』と言って、発表したのがA.A.O(エイエイオー)だったのだ。

彼らのライブのスタートでは必ず「行くぞー、えい、えい、オー!」と言う掛け声で始まる。

数年経って、彼らがアルバムを出した時は、そのタイトルが『All About Okano's』とか、確かそんなタイトルで。
やはりAAOになっていた。

本当考えこまれているんだなあと、とにかく感動したので、これらのエピソードをこと細かに記憶してしまった。

いつか、本当にこんなアイドルグループが出るんじゃないだろうか、と思っていたら、同じタイトルの曲が出来るなんて。
本当に驚いた。

キスマイのこの曲は、中居くんの新番組momm!で、メンバーもお気に入りだと言っていた。
とても耳馴染みの良い、曲で私も好きだ。


私はこの漫画が連載された雑誌を読んだことがないので、連載当時どれ程影響力のあった漫画なのかはわからないし、今回
どんな経緯でこの曲が出来たのかも全然分からない。

でも、どこかに渡辺多惠子のアイディアとインスピレーションの影響があるのなら、

いや、全然関係ないにしても、

これをきっかけにいろんな人に『はじめちゃんが一番!』を紹介したいので、思い出しながら書いておこうと思った。










先日の僕らの音楽、録画でやっと観ました。



ビートルズの特集で、リリーフランキーさんと加藤アナ、剛の三人がMCでした。


内容も面白くて、とても興味深かったけど



番組の最後に、リリーさんと剛の、こんな会話があって。

剛の言葉に胸を打たれてしまいました。



剛 「ぼくらもやっぱグループやってるんで、僕ら25年とかなんですけどまあぼくらはビートルズとはもちろん違うんですけど、活動していく中で 

なんかこうお互いの関係性とか、いろいろあったのかあなんて思って。

とてもなんかねえ、感慨深かったです。」




リリー 「やっぱりそれはSMAPにしろビートルズにしろ、ほかのバンドにしても同時代に生まれて偶然出会って、一緒にグループを作るって、やっぱりこれは奇跡じゃないですか。」

剛「そうですねえ。

なんの、なんか、こう因果っていうか、巡り合わせがあって、メンバーと一緒にいるのかな、なんて思ったりするんで、いやあ、なんか。良かったですね、今日は。」

リリー 「よく世の中で言われているのは、『ビートルズは世界を魔法に掛けた。』って言うんですけど、まあそれはそうなんですけど、僕はもっと、一番ビートルズの魔法にかかっているのはビートルズのこの四人なんですよ。彼らはビートルズになってしまったことで、自分たちが一番魔法に掛かっている。

自分たち今まで持ってた能力以上のことが、この四人がいたことで出ている。」



剛 「お互いが化学反応を四人で起こしていたんですね。」




リリー 「そして、ビートルズ解散したあと、意外と、結構そんなにキラキラした瞬間じゃない瞬間をこの四人は迎えるんです。」




剛 「僕らも、僕らがスマップの魔法にかかってるのかも知れないですね。

なんかそんな気がします。それは。

5人、まあ6人で、なんかお互い・・・やっぱ一人じゃ出来ないし。

なんかやっぱそういう・・・なんか、反応が起きて、やってきてるのかなあと思いますね、うん・・・。」


そう、言ってほほ笑んだ剛の顔は、言いようのない愛情に満ち溢れていて、そこにはいないはずのメンバーを思い浮かべていることがありありとわかって、

剛の顔を見ているだけで、胸がいっぱいになりました。






決して仲良いとは表面では言わないけど、メンバーをテレビで追っかけていると、そこかしこにメンバーに対する、隠しきれない愛情が溢れているSMAP。


剛のこの笑顔は、きっとずっと忘れられません。