28.2008年4月7日 gokkoじゃないぞ。探偵だ! 森田とイエロの場合 その壱 | 246

28.2008年4月7日 gokkoじゃないぞ。探偵だ! 森田とイエロの場合 その壱

2008年4月7日 gokkoじゃないぞ。探偵だ! 森田とイエロの場合 その壱





雑居ビルの前には




カメラをかまえた田と




妙にやる気に満ちたイエロがいた。




「さ、私達以外




目撃者を捜しましょう。




そしてあの刑事の野郎を





ギャフンって




言わせてやるんだから。




ギャフンって。




こうギャフンって。」






イエロは右手を左手に





バスバス叩きつけている。





表情からも見て取れるように





やる気は満々だ。




しかし森田はカメラを覗き込んだまま





リアクションがない…。


(リアクションがない森田についてはこちら




「どうかしましたか?」





「え?」





「ぼーっとしてるから。」





「僕が、ですか?」




「はい。」





「いや、ちょっと





になることがあって、ですね…。」






森田は言葉を濁した





「何ですか?





飛び降りのことですか?





被害者のことですか?





刑事のことですか?





どれ?





どれ?





どれですか?」






イエロのマシンガンが火を噴いた。





あれは…。」







「あれ?」





森田はファインダー越しに






何かを見ている。






しかしイエロにはそれが何かわからない。





「あの。」






「ねえ。」






森田は唐突に話を変えた。





「何ですか?」






さっきの刑事なんですけど…。」






「刑事のことですね?






気になっていたのは





刑事なんですね。





…ん?






何で刑事?」






「あの人は本当






刑事なんですか?」





イエロは思わずきょとんとした。





「え?





森田君?





どうしてそうなるの?」





「だってあの人





自分のことを刑事だなんて





一言も言っていませんよ。






刑事、刑事と騒いでいたのは。」





と、森田はカメラをイエロに向ける。





…。」





「そうです。」




「でもそんなことって。」





「でも僕らは見てはいないんですよね。





アレも。」





「アレって…。」




246-警察手帳



警察手帳。」




「それはそうだけど。





じゃあそれって






どういうこと?





「さあ。」





「さあって。」





あ!





「え?」





二人の前を一陣の風





ならぬ





一人の女の子が走り抜けた。





バンビちゃん!






その弐 に続く。