27.2008年4月7日 忍んで忍ぶれど麦芽100% その壱 | 246

27.2008年4月7日 忍んで忍ぶれど麦芽100% その壱

2008年4月7日 忍んで忍ぶれど麦芽100% その壱



アニマル×アニマルの事務所。




裏口のドア。





外側





女の子3人組がアナログにも




ほどがある方法。




つまり




ドアに耳を当てる


(ドアの中のお話はこちら


そんな方法で中の様子に




聞き耳を立てていた。





「ねえ、聞こえる?」





一番下、窮屈にしゃがみながら




聞き耳を立てている




ハイネが聞いた。




「うるさいな。




黙ってなよ。




聞こえなくなるから。」




身長を生かして




上から難なく聞き耳を立てている




アサヒが応える。




「…うん。」




一瞬の沈黙。




しかしその静寂を破るかのごとく聞こえる





外から街頭広告の音





「渋谷、走るアイドル、






ファーストデリバ






麦芽100%の宣伝部長。






ビタミン田中でございます。





今日はニューDVDの発売を記念して





ファーストデリバ、麦芽100%の





ハイネちゃんが






渋谷の街の皆様に





感謝とお礼をお伝えしに来ました。






さあ、ハイネちゃん、どうぞ!」





み・ん・な




ハイネですドキドキ




うふラブラブうふラブラブ





街頭広告の音は




用がない人間にとっては




ただのノイズでしかない。




そして中の声も




沈黙してしまった。





というか聞こえなくなった。




「あー、駄目だ。




聞こえなくなった。」





ハイネのせいだと言わんばかりの





アサヒ。



でもハイネのあの声は宣伝用の録音である。




ハイネ自身には何の責任もない。




しかしアサヒのその目線ははっきりとハイネを





睨んでいる。



もう一度言うがアレは宣伝素材。




ハイネ自身には何の責任もない。




「ごめんなさい。」





が、肩をすぼめ謝るハイネ。





しかし彼女が謝っても





アサヒにはポーズにしか




見えない。





というかただのポーズであることを





アサヒは知っている。





ハイネのパワーが利くのは





男限定





女には神経を逆なでする





効果のみである。







アサヒももちろん同様







どっちかといえば






が募る。





アサヒはハイネとは逆の方を






プイッと向いた。





「しょうがないわよ。






次の手を考えましょう。」






麦芽100%のリーダー、コロナ






二人の間にすっと入る。






無言でうなずくアサヒとハイネ。






コロナが居なければ






この3人組アイドルユニット





いつ解散になってもおかしくない。







では有名な話である。






ちなみにそのコロナ。






かの有名なT大に在学中。






しかし、なぜだかその事実は





になっていない






おバカな振りをする上で






邪魔になる






おそらく事務所がそう判断したのだろう。




246-ピンクの豚さん




そんな中、ピンク色の物体が跳ねる。





「さて、この豚の貯金箱




…どうすればいいものか。」





ピンクの豚はコロナの手の上で




跳ね回っていた。




その弐 に続く。