13.2008年4月7日 バンビとタマちゃん、ポン太のかみ合わない電話 | 246

13.2008年4月7日 バンビとタマちゃん、ポン太のかみ合わない電話

2008年4月7日 バンビとタマちゃん、ポン太のかみ合わない電話



直前の話はこちら


Trrrrrrrrrrrrrrrrr。





アタシの携帯がなった。



ちょっと、Cool目に電話をとる。




誰がどこで見てるとも限らない。




最近そんなことを気にする。



これもそれもやっぱし、




タマちゃんがアイドルで売り出したせいだ。



もう、本当に

もう、ちょっとだけ面倒くさい。




「あ、バンビちゃん?」




この間が抜けた声は


ポン太だ。





「バンビ。」





アタシはぶっきらぼうにそう否定して返す。




「あのね、あのね、




ウッ…。」




電話の向こうからポン太の



断末魔




みたいな声が聞こえた。




きっとタマちゃんに蹴られたのだ。




「なあに、タマちゃん。」




先回りしてアタシは聞く。




そして案の定、タマちゃんの声がした。




「仕事だよ。」




「了解。」




「一時にハチ公前で受け渡し。」




「モノは?」




「…それがさ、バンビ。」




「なあに、タマちゃん。もったいぶって。」




しばらく電話の先のタマちゃんは




沈黙した。




「タマちゃん?」




「…ねえ、バンビ。




あんた、bukkuって知ってる?」




「bukku?」




アタシは復唱しか出来なかった



だってそんなものしらないもの。




「bookは本です、ほ、…ウッ。」




一瞬だけ、ポン太の間が抜けた声が



聞こえた気がしたけど、



すぐにまた断末魔に変わった。




「知らないならいいよ。」




タマちゃんは会話を終わらそうとする。




「ねえ、bukkuってなあに?」




アタシは重ねて聞いた。




「とにかく一時にハチ公前。わかったね?」




「…はーい。」




アタシはしぶしぶ返事をした。




タマちゃんはたまにこうなる。




話したくないことは本当に話さない。




例えば、昔の男の話とか。




まあ、いいや、アタシは運ぶだけ。




さ、一時まではまだ余裕がある。




どこかのカフェで美味しいお茶時間でもしようっと。




この話の続きはこちら