15年9月25日(金)
午前中に、マルク。何度やられても、いいものではない。
その後、化学療法5クール目開始。
吐き気止めの後、ドキソルビシン、エンドキサン、オンコビンの順にやっていく。
夕方、主治医が来られる。
化学療法は何クールまでやるのか?を聞くと、LSG15は通常6クールまでが普通とのこと。
その他、
・成人T細胞白血病リンパ腫は、化学療法のみで完治するのは1割
程度なので、骨髄移植に耐えられない高齢者ならともかく、私の年
齢ならば、やはり移植を受けるのがBEST。
・現在HLAフルマッチのドナーがいないため、一座不一致のドナー
まで対象を拡げて捜しているが、今のところ応諾者は見つかって
いない。
・腫瘍がいつ暴れだすかわからず、今のような寛解期に移植を受
けることが重要なので、臍帯血移植も念頭に入れて考えた方がよ
い。
・骨髄ドナーがみつからなかった時のことを考慮して、条件のいい
臍帯血を仮押さえしてある。
・化学療法の5クール目の終了時点で骨髄ドナーが見つからなかっ
た場合は、臍帯血移植を行う方がベターである。
などの説明を受ける。
15年9月27日(日)
食欲が出ず、胃がもたれるような感じで気分がふさぐ。
こんなとき、「人よりも悪い事をしただろうか?、どうして普通の人より早く死ななければならないのだろうか?」という悪い考えが浮かんでくる。
夕方、ワンゲル2期後輩のA君が突然見舞いに来てくれた。
まだ3歳の子どもを連れてきたので、親子ともども病棟に入れてもらうことができず、入口の扉のところであいさつをした程度で、引き取ってもらった。
せっかく来てもらったのに残念で申し訳ない。
病院食が前の病院と同じ業者(N医療食品)で、メニューも全く同じなので、飽き飽きしている。
夕食も食べる気になれない。ようやく、20時すぎにヨーグルトを食べ、薬を飲んで寝る。
15年9月30日(水)
白血球1800。
午前中、ワンゲル同期のH君が出張ついでにまた見舞いに来てくれた。
今日は名古屋出張。明日は大阪出張とのことで、なかなか忙しそうだ。
15年10月2日(金)
今日は化学療法。
夕方、中学時代の友人のM君が仕事で名古屋に来たついでに寄ってくれた。 家内と3人で話す。
ところで、昨日から水の点滴をつけられている。
これをつけられると、トイレが異常に近くなる。
夜、点滴スタンドをガラガラ言わせながらトイレに行くのは、同室者に気兼ねしてしまうし、何よりも、点滴の機械のコードをいちいち着脱したりしなければいけないので、とても面倒だ。
早く点滴から解放されたい。
15年10月4日(日)
午前中は、地元の友人のY君がまた見舞いに来てくれる。小学校の子どもを連れてきていたので、子どもは病棟に入れてもらえず、エレベーターホールの椅子に座っていてもらう。
Y君とY君の奥さんの3人で話す。
午後からは、ワンゲル1期後輩のO君、N君が、それぞれ大阪、東京から見舞いに来てくれる。どちらも大学卒業以来、会っていないので、ほぼ20年ぶりだ。
といっても、2人ともあまり変わっていない。
変わっているのは、今では、それぞれ家庭を持っていること、社会人として立派に働いていることなど。
仕事の話や、他のワンゲルメンバーの話などに花が咲く。
「体の1箇所だけは確実に元気になりますから・・・」と言い残し、怪しげなDVDを置いて行った。
15年10月5日(月)
夜、子どもらとSKYPEする。2人の娘が学校でそれぞれ学級委員に立候補した話などを聞く。
下の子は次点で落選。上の子は学級委員になれたようだ。
下の子は残念だったが、立候補しようとする気持ちがあることは、ほめてあげたい。
15年10月7日(水)
主治医から移植の話あり。
骨髄ドナーはもう少しだけ待つが、今、寛解が維持できてはいるが、いつ反転してもおかしくない。むしろ、「成人T細胞白血病リンパ腫」でここまで腫瘍のコントロールができていることの方が珍しい。
この貴重な時期に移植をするのが、その後の予後のためには、とても大切なので、もう少しだけ待って、ドナーの調整がつかない場合は、臍帯血移植を行ったほうがよい。とのこと。
その後、臍帯血移植について、ネットで調べてみる。
金沢大のDrが書いた論文が「生着不全」に関する論文がショッキングだった。
・臍帯血移植では生着不全の割合が27%と、骨髄移植に比べて
極端に高いこと
・生着不全が起こった場合の予後は超不良で、9割以上患者が、
1年以内に死亡している
「成人T細胞白血病リンパ腫・リンパ腫型」の治療開始後の生存期間中央値が13ヶ月というのは、今まで何度も「がん情報サービス」のHPで目にしてはいたが、移植は移植でリスクが高いということに驚かされた。
15年10月8日(木)
昨日に引き続き、移植後の生存率などが気になり、ネットで調べる。
「日本造血細胞移植データセンター」が取りまとめた平成26年度の報告では、次のようになっていた。
グラフの青色(ATL)が 「成人T細胞白血病リンパ腫」の略称で、他の4種類の病気に比べてやはり移植後の生存率がよくない。
生存率は、移植後1年で43.2%、5年で28.9%となっている。
骨髄移植でも血縁・非血縁の区別、さらに臍帯血移植の区別が示されていないこと、 「成人T細胞白血病リンパ腫」が、高齢になってから発症することが多いという点を考えても、良いとはいえない成績であることには変わりがない。
「日本造血細胞移植データセンター」の資料(http://www.jdchct.or.jp/data/report/2014/3-3-1.pdf)
下の2つの表は、「がん情報サービス」のHPに掲載されている表である。
うち、上の表は、どのような治療を受けたのかが定かではないが、リンパ腫型の2年生存率は20%となっている。
下の表は自分と同じ、LSG15療法を受けた患者の生存曲線で、2年生存率は31.6%となっている。
結局、移植をしなくても、移植をしても、いずれにしても難治性の高い疾患であることに変わりがない。
移植が近づき、嫌でもこうした現実に直面しなければならない所に追い込まれていく感じがする。
生着不全、再発など、いつ何が起こるかわからない。
夜、下の子が3歳くらいのころに撮ったビデオを観る。かわいい。
(「がん情報サービス」HPより )
(「がん情報サービス」HPより )
15年10月9日(金)
今日、明日、あさってと化学療法。おそらく、化学療法はこれで最後となるはずだ。
ところで、移植の前処置で放射線治療が行われるらしい。
照射中、マウスピースのようなものを咥えないといけないらしく、歯科外来に呼ばれ、型を採ってもらう。
入院以来、2週間ぶりに堂々と病棟を出られるのは、とてもうれしい。
帰りに売店に寄り、おかしやパンなどを買ってきた。