(‥‥)

私は何度か躊躇しながらも‥漸く意を決して自身の携帯のもう一つのメールを開いた。

何事もなければ社さんとのメールは、モー子さんとのメールと同じ位、楽しくて嬉しいものなのだけれど。

思わず溜息を吐きそうになって私はハッと自分を取り戻した。

(駄目よ‥キョーコ!私事に社さんを巻き込んでしまっているのだからちゃんと受け止めなきゃ(泣)例え‥社さんのメールが大魔王‥いえ敦賀さん情報だったとしても!)

そして‥そこにはやはり‥社さんのマネージャーとしての苦悩と現在の敦賀さんの現状が、メール作成文字数ぴったりに綴られていて‥(汗)

私は『社さん‥ごめんなさい~(泣)』と滂沱しながら携帯に向かって謝り倒し


『ささやかですが胃薬贈らせて頂きます』

と泣きながら、メールを送信するのだった。


◆◆◆

ちなみに、社さんからのメールはこんな内容だった。

私は社さんからのメールを読み返す度に‥自身の行動をしきりに反省するのだった。


『キョーコちゃん。お疲れさま。お仕事頑張ってる?ラバーズの撮影は順調かな?蓮の方は、今日は雑誌のモデル撮影があってね‥今日はこんなことがあって(中略)』


『本当に俺の体に悪い1日だったよ。‥でもねキョーコちゃん。蓮が不穏なことを口にしていても全部キョーコちゃんが好きすぎて言ってることだから‥あまり怖がらないでやってね?あと、キョーコちゃんの謙虚さが寂しくて不安になっているみたいで。だからキョーコちゃんの気持ちを少し伝えてあげてくれないかな?』


私の、本当の気持ちを知っている社さんからのメールは、敦賀さんと私の間で板挟みになりながらも私をしっかりと気遣っていて。

私は、有り難い気持ちと申し訳ない気持ちが相まって‥何だか泣けてきてしまった。


(ただ、そうは言っても‥どんな風に敦賀さんに本当の気持ちを伝えたら良いんだろう)

敦賀さんの事が好きなのは本当の気持ち。

敬愛していることだって真実。
そして照れくさいけど‥好きだから触れたいという敦賀さんの気持ちも理解できる。


(だって‥本当は私も‥//)

と、そこまで考え‥私は自分の思考に一人で赤面してしまった。

でも社さんに私事を相談する途中、思わず本心を吐露してしまった時。

第三者である社さんでさえ、硬直してしまった言葉を敦賀さんに告げる気にはなれなくて。

私は結局、アドバイスを見送ってしまうのだった。