リリカカプセルとトラムセット配合錠 | 【狭山市 安斎医院 院長ブログ】入間川徒然備忘録

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埼玉県狭山市にあります、安斎医院のブログです。
とりあえず、何でも書きます。

「痛み止め」っていうと何を連想しますか?

ロキソニン、ボルタレンなどの非ステロイド抗炎症鎮痛解熱薬。
モルヒネ、MSコンチンなどの麻薬系鎮痛剤。
レペタン、ソセゴンなどの非麻薬性鎮痛剤。

有名な所だとこんな所でしょうか?


ここ数年で、疼痛治療薬に新たな種類が加わっています。
それが表題の
「リリカカプセル」

「トラムセット配合錠」


既存の薬と違った作用機序で痛みを緩和しますので、疼痛治療に一石を投じたと言っても過言ではないでしょう。
ただし、副作用や内服の仕方で注意点があるので、後述いたします。



まずは
リリカカプセル。

こんな薬ですw
photo:02


リリカカプセルは2010年に発売されたクスリで、当初は「帯状疱疹後遺症による疼痛」のみの保険適用でした。しかし、その後あらゆる痛みの治療にも適用拡大され、現在は幅広い分野で使用されています。

ただし!
このクスリは副作用が出やすい印象を個人的には持っています。
具体的には、
めまい
吐き気
の二つが多く、実際嘔吐してしまい、内服を止めた患者さんも居ます。

製薬会社の資料でも、これらの副作用は認識しており、内服の仕方を一工夫すると、副作用が軽快すると言われています。このクスリは、一日二回内服が一般的なのですが、それを最初は一回にして、副作用が出なければ二回にする。もしくは、多少のめまいと吐き気は気にしないで、飲み続ける事により改善するとも言われています。いわゆる「体が慣れる」場合が多いそうです。



そして二つ目がコチラ。
「トラムセット配合錠」
photo:01


これは2011年に発売になり、もう少しで発売後一年たちますので、長期処方も可能になります。(現在は二週間分しか出せません)
配合錠というぐらいですので、二種類が配合されているのですが、それは
トラマール

アセトアミノフェン
です。


トラマールは2010年に発売されたクスリで、前述のリリカカプセルとほぼ同じ時期でした。
発売当初は
トラマールは「癌性疼痛」のみ、
リリカカプセルは先ほど述べた通り「帯状疱疹後遺症による疼痛」のみ、
というような縛りがありました。

ちょっと不思議なのですが、トラマールは未だ「癌性疼痛」のみで、リリカカプセルは今は色々な疼痛治療に使用されています。




少し話がそれましたが、
このトラムセット配合錠は、そのトラマールと古典的鎮痛剤のアセトアミノフェンが配合されているわけです。

痛みを感じる機序はいくつかあることがわかっており、複数の薬剤で複数の機序にアプローチする事で、痛みを緩和しようという背景から、この配合錠が発売に至りました。


トラムセット配合錠もリリカカプセルと似て、めまいや吐き気を訴えるケースがあるようですが、個人的な印象としては、リリカよりトラムセット配合錠の方が飲みやすいと思います。ドロップアウトする患者さんが少ないです。
トラムセット配合錠の常用量も、一日三回~四回と言われていますが、最初は一回や二回で試して見る方法が一般的かと思います。



リリカカプセル
トラムセット配合錠


両方ともとても良いクスリです。
どういう痛みに効くか?
個人差はあるとおもいますが、慢性的な神経痛には良いかもしれません。
手足の痺れや痛み、座骨神経痛の痺れや痛み。
糖尿病性末梢神経障害。


原因不明の難病「繊維筋痛症」でも治療研究していると思います。もう終わってるかな?




従来の痛み止めと違うものなので、なかなか良くならない痛みには試してみるのも良いと思います。


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