「艶の日に皆で艶愛を叫ぼう♡」9月28日♪ | 暁の帳簿~陽はまた昇る~

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SS『慶喜さんの「ある日の呟き」』

 

 

ある日の昼下がり。

 

・・・ちょっと気晴らしも兼ねて、置屋にでも顔を出そうか・・・

 

つらつらと、いつもと同じ文面が並べられている、江戸からの文を眺めながら、ふとそんな事を思っていた。

 

秋斉の耳に入れたい話もあるし、あいつから聞きたい話もあるからな。

そんな建前を頭の中で描きながら、俺はいつものように、仮住まいとしている藩邸を抜け出していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

気持ちの良い秋晴れの空。

歩いて行く道沿いに、風に揺れるススキを眺めながら、あることが俺の頭を占拠していた。

 

俺が見つけて、置屋へ預けた○○の事だ。

 

最近、彼女の様子が変わった。

元々、可愛らしい子だとは思っていた。

それに、吉野に面影が似ていると最初に気付いたのは俺だった。

 

最初、彼女を見かけて、これは何か面白いことが起こるかもしれない・・・そう思って、目の届く秋斉のところに預けたのは、今でもよかったと思っている。

 

彼女は、他の女性とは違い、皆が知っているようなことは全く知識がないが、驚くようなことを色々知っている。

それに、気持ちの変化と同じく、ころころと素直に反応する表情やしぐさ。

こういうところ、本当に男心をくすぐっているっていうのが、彼女は分かっているのだろうか?

 

置屋へ預けて、三味線や舞いの稽古に勤しんで・・・

置屋での生活に慣れてきたからだろうか?

 

本当に美しい女性へと変わっていった。

否、まだまだ美しさは増すであろう。

島原へと足を踏み入れれば、次の太夫は彼女ではないかと噂されるほどだ。

 

かく言う俺も、彼女の笑顔に心根から救われたと思う事も少なくはない。

そう思うのは、もちろん俺だけではなく、俺に着いている護衛の者や、家臣たちの会話や、彼女に対する態度からも感じ取れる。

 

・・・というか、あいつらまでそんな事を思っていたとは・・・心外だ・・・

 

座敷へと上がれば、会うたびに上達していく三味線や舞いの腕前。

とにかく、芸事がどんどん上達し、彼女自身もどんどん美しくなってゆく。

 

「吉野太夫の生き写しや。」

 

市中では、そんな風に言う者さえ出てきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最初は、密偵じゃないかと疑っていた秋斉は、彼女に深く関わるなと、俺に強く言っていたのだが・・・今の秋斉を、あの時の秋斉に見せてやりたいくらいだよ。

 

彼女には隠しているつもりのようだけど・・・彼女がお前好みの濃いめのお茶を持ってきたり・・・お前が彼女だけにこっそりお菓子を与えていたり・・・。

その時の秋斉の顔、どんな表情か分かってるか?

 

まぁ、付き合いの長い俺だから分かることなのかもしれないけど、秋斉の浮かれっぷりときたら・・・こんな秋斉、今まで見たことないよ?

 

それに彼女も。

 

俺と二人で置屋で話をしている時とか、座敷に呼んだときだって・・・嬉しそうに話はしてくれるけど、秋斉の前では違う。

俺には見せたことも無い嬉しそうな笑顔。

 

・・・彼女・・こんな風に笑うんだ・・・。

 

俺だけの時とは、違う表情を見せる彼女に、何だかドキドキと、今までにない感情を覚えていた。

 

でも、何となく分かる。

これは、彼女に対する恋心・・・と言う訳じゃない。

全くないとは言い切れないのだけれど、それよりも、どちらかと言えば、今まで俺にしか興味のなかった秋斉が、彼女も見るようになった・・・そんな些細な嫉妬心。

 

でも、かといって、それを嫌なことだとは思っていない。

 

むしろ、俺だけにしか向いていなかった、秋斉の人生に、華を添えてくれる人物があらわれて、嬉しいことだと思っている。

影ばかりの秋斉の人生を、もしかしたら彼女は明るい場所に引き出してくれるのかもしれない。

 

だけどさ、秋斉。

もう少し素直になって、彼女に感情をぶつけないと、あっという間に他の男に奪われてしまうよ。

もちろん、その他の男の中に、俺も居るってこと、忘れないでくれよ。

 

 

 

そんな風に思えてくると、また二人に早く逢いたいと、置屋までの足取りも軽くなる。

今日は、どんな話をして、二人をからかおうか?

 

 

 

・・・そろそろ追いついてきたかな?

 

後ろの方で、溜息をついているであろう護衛の者に気付かれないように、俺は少し歩みを速めたのだった。

 

 

 

~終~

 

 

○+●+○+●+○+●+○+●+○+●+○+●+○+●+○+●+

 

 

皆さま、こんばんは♪

 

今月もやってまいりました~爆  笑

28日ハート艶の日ハートです音符

 

尾張ギャラリーの運営様、毎月、取りまとめありがとうございますm(_ _ )m

 

皆さまの、「艶が~る」への愛の叫びは、こちらから、ご覧いただけます♪

 

 

そして、恒例となった、相変わらずの駄文投下の日です口笛

今月は、「慶喜さんの呟き」です。

 

本家の秋斉さんの彼目線では、いっつも慶喜さんの事を気にしていた秋斉さんですが、逆に、慶喜さんも秋斉さんの事ばかり考えていた日もあるんじゃないかなと・・・そんなある日のお話です。

 

久しぶりに慶喜さん目線を頑張ってみましたがガーン京訛りばかり書いていたら、言葉が迷子になること多数(^_^;)

 

慶喜さん目線に見えるかな~|д・)チラッ

 

今までの「艶の日」のお話の時系列からすると、少し前のお話になりますが(^_^;)

お話の完結に向けて←今頃w

プロットの修正をかけ・・・たところなので、少々の混乱、お許しください<(_ _)>

 

 

そして、どうして急に?と、少しでも思って下さった方の為に♪

 

 

このお話を完結して、11月に開催されます

 

「尾張ギャラリー 『絆』2016」で、展示させていただくことにいたしました~(@´з`@)ノ゙

 

ですので、最終話はその展示冊子でお読みいただけたらと思っております。

 

京都のギャラリーに出展しました「マカロンちび旦那様」も、尾張versionに少し変化させまして、展示させていただこうと思っております( *¯ ³¯*)♡ㄘゅ

 

まぁ、私の作品はともかく(笑)

素敵な作品が勢揃いの予感の尾張ギャラリーも、皆さまと一緒に楽しめたらと思っております。

 

どうぞよろしくお願いいたします(`・ω・´)ゞ

 

 

 

暁より