異邦 | 人生をピンセットでつまむ

異邦

ちんぽこが走ってる。

水平線を走っている。

梅雨の晴れ間、

風を追い越す通りすがり。

市場へ行く男の背、

追う女の視線、

シガーとアルコールの香り、

湿った空気が頬をなでる。

ランランラランランランラン

ランランラランランランラン

誰も知らない私。

知らない私。

ない私。

私。