昨日の治験手術ネタですが、術中の画像は一番下に挿入して気を遣ったつもりが、なんとタイトルの横にアイコンで出てしまってましたね。失礼いたしました。
 


 今朝の地震には、揺れよりも速報やら警報やら号外やらで何度もブーッ、ブーッと鳴るスマホですっかり目が覚め、TVをつけて1時間ほどNHKの画面でいわき小名浜港の画像を見ていました。引き波や渦や押す波を見ると5年半前を思い出しますね。怖いものです。珍しく僕が連続更新などしたせいだとしたら申し訳ないかぎりですが。
 アメブロもこの更新に驚いたのか、「初めての投稿、ありがとうございます!」というメッセージまでもらってしまいました。初めてではないのに、ハハ。


 
 さて、先週の水曜日朝イチに術後1年半の検診でMRIを撮ってきました。診察室でルーティンのファイバースコープでの舌、口腔、喉の視診、首の触診を終え、MRIの画像をドクターが見始めます。緊張の一瞬ですが、「うん、きれい!大丈夫ですね!1年半検診合格!」と言われ、ホッと安心。


 で、実はどうせならまとめちゃえ! と区の成人病検診も同じ日に入れていたのでその後にそちらのクリニックに向かいます。どちらの検診も条件は朝から絶食なのでいっしょにしちゃいました。
 でも、MRIで造影剤を注射されたときに、「うん?午後に成人病検診で採血か。まずいかなあ」と思ったのですが、そのことを午後のクリニックの看護師に話すと、4時間前なら大丈夫です」と言われましたけど、結果をみないとわからないですね。


 ここ数年このクリニックで受診しているのですが、去年の医師診察時に「前回の受診から何か変わったことはありますか?」と言われたので、「がんになりました」と言ったら、それまでカルテを見ていたのを顔をこちらに向けて「え?」と言い、「何がんですか?」と聞かれたので、「舌がんです」と答えるとホッとしたようでした。口腔は検診項目にないですからね。

 もし、胃がんとか肺がんなら見過ごした、となるのでビクッとしたのかなあ。


 今回は、僕ががん患者だと知っているのか「しかし、たばこは吸わないんですよね、ずっと」と言うので「はい、まったく」と言うと、「ではなんでしょうかねえ?」とわからん顔。

「同じ病気になった方の話では銀歯など歯の矯正治療の影響もあるようですよ」と言いましたが、医師でも舌がんの最大要素は喫煙なのだな、と思った検診でした。

心を入れ替え連投になりますが、昨日の続きです。

 

 

音声専門の病院を早速に訪れました。お決まりのファイバースコープを入れての診察に、入院手術のための血液検査、胸部X線、頭部CTなどを行いその後、診察室に戻り、手術の説明、同意書へのサインとなります。

 


医師の説明によると、手術自体は1時間もかからない、鼻から喉、声帯に吸入及び注射で麻酔をかけ、ファイバーの先に注射針がついた特殊な機器で薬剤を注射するとのこと。手術なので一応手術着に着替え手術台に上がるものの、日帰りでOK、入院はなし、痛みもなし。注射後その日1日は沈黙を守りしゃべってはいけない、それがお約束。


 

で、なぜ治験かというと、声帯委縮症の治療にこの薬剤を用いることがいまは保険未適応で、臨床研究となっているからです。薬剤はbFGF(線維芽細胞増殖因子)、商品名はフィブラストといい、外傷には保険適応も受けており皮膚潰瘍の治療薬として有名で、床ずれなどの場合に患部にスプレーすることで皮膚細胞の再生を促進する効果が証明されているとか。


これを注射することで麻痺している声帯の細胞を増やし膨らませます。結果、物理的に隙間がなくなり、息漏れや誤嚥、むせることを防ぐことが期待できるというわけです。
 


そして、手術当日です。
 


過去3回の全身麻酔手術とは比較にならないほどあっという間に手術は終わりました。声帯のビフォーアフターを画像で見せてもらったのですが(注射針が刺さっている最中のも!)、麻痺でやせて見えた左側の声帯が注射後は膨らんできたようでうれしかったですね。


その後は次回の診察日などの相談も全て筆談ですませ、家に速攻で帰り一言も発しませんでした。画像を一番下にアップしておきますが、かわいいものではないので、見たくない方はスルーしてください。



注射をしてから1週間程度はかすれ声がひどかったもののその後はドンドンと声が出るようになり、以前は飲み屋でも友人に「お代わり頼んでよ」とか言ってたオーダーも自分でできるようになりました。まあ、そのぶん「うるさいのが戻った。前のほうが静かでよかった!」などと憎まれ口も叩かれてますが、声が出るうれしさをしみじみと感じております。



ボイスセンターへの通院はいまは半年に一度になったのですが、手術後も続けていた自主トレ(1日10曲歌うことと、音階をなぞる)をこの夏にさぼっていたら、10月の診察でST(言語療法士)さんに「この手術はあくまで対処療法ですので、また声が出なくなることもありますよ」と脅され、隣近所の迷惑も顧みず、いまも毎日大声で歌っております。






 

 

この下に声帯手術の画像を挿入します!

 

 

 

 

 

 

 

 

声帯

左上から右上、左下、右下という時間の流れです。最初の画像では左の声帯(撮影してるので左右逆になり、右側に見えます)がやせて細く、半月形になっているのがわかります。
そこにブスッと注射!(右上・左下)。
右下は終了後の画像で左右の声帯が同じ大きさになっているのがわかります。

 

 前回のブログが50日ぶり! そして今回はなんと90日ぶり!驚きの体たらくぶり!ですが、生存確認していただく意味も込めて、恥ずかしながらも久しぶりに書いてみようと思います。

 

 

 沖縄に遊びに行ってた、ノートPCのハードディスクがぶっ壊れた(おじさんなのでスマホで長めの文章を打つのはニガテでして)、認知症で要介護3の母親が転んで骨折し入院手術した、などなど言い訳はあるのですが、一番の理由は怠惰です。まめに更新されているブロ友さんにはほんとに頭が上がりません。


 

 前回は声帯麻痺が6カ月間のリハビリでも好転せず、音声外来を受診するところまででした。声のリハビリは半年がめどでそれで治らない場合は難しいそうです。そんな続きから。

 

 音声外来の医師は元々は僕の通っている病院の耳鼻科医長だった人で、いまは系列病院にあるボイスセンターでセンター長をされています。事前にプロフィールを見るとプロの歌手も受診しているとか。いや、音程も治せるなら治してほしいですけど、まずは声が出るようにしてほしい。そう思いながら診察室に入りました。

 

 

 早速に遠慮なくグイグイと口からファイバースコープを入れられ、声帯の様子を診断。あー、いー、と声を出しながら撮影します。麻痺している左側の声帯は動きがないためやせているとのこと。

 

 

 本来ならしっかり閉じたり開いたりして振動で発語したり固体と液体・気体を分けて食道・気道に通している声帯ですが、やせてしまったためにぴったりと閉じることができずに息が漏れて声にならなかったり、液体を気道に流してしまいむせたり誤嚥したりするのだとか。

 

 

「でも大丈夫、治りますわ。特殊な薬を注射するんですけどね」と関西弁のドクターは即座にうれしいことを言ってくれました。

「以前はシリコンを注射したりしたのですが、あまりよくないのと、もっとよい薬剤が見つかりまして。注射と言っても手術扱いにはなるので早い時期に僕の病院に来てください」

 

 

 そう言われたので、翌日すぐにその系列病院のボイスセンターに行くことにしました。行ってみると通院するたびに待合室で有名人に会ってビックリ! 個人情報ですが僕は病院の人間ではないからいいかな?  

 

 お笑いのバナナマンの片っ方(マスクしてましたけどあの髪型と目をみればすぐにわかります)とか、アルフィーの派手な服着たロン毛さんとか、大きなのっぽの古時計の髭さんとかをお見かけしました。

 久しぶりに書くと長くなったので、次回に続きます。

 

 

 

 

前回の更新からなんと50日もさぼってしまいました。汗。

舌がんの原発部分切除、左右両側の頸部郭清とがん退治は一応終わったものの、最初の郭清時に迷走神経を切断したため、左側の声帯が麻痺し、嚥下時にむせたり声が出なく息も長く続かない状況になりました。

切断したときの医師の説明やそのときの声については「2度目の入院」で書きましたが、声はスカスカで「あーと声を出してみて」とタイムを計測するのですが、5秒も続きません。

ただ、入院中から毎日リハビリをしていたので退院するころには声も出るのかな?くらいな気持ちでした。そんな甘いものではなかったのですが。

 

その後、右頸部郭清でもう一度入退院を繰り返し、本格的に声帯麻痺の治療と向き合うことになります。何をするかというと、STさん(言語聴覚士)からもらったメニューを毎日家で行い、月1の診察時にあわせて病院のリハビリセンターで回復度合いをチェックしてもらうことになりました。

以下が家でやっていたメニューです。

 

1.首のストレッチ 首を上下左右に動かすのを1セットとして10セット、最後に首を右回り左回りを1セットとして10セット。

2.顎ひき練習 両手を顎の下で組み両親指を立て下顎にかける。力を入れ親指を前に押しながらそれに抵抗するように逆側に顎を引くのを20回。

3.息止め練習 のどに力を入れることを意識しながら口をプッと膨らませた状態で、胸の前で両手を押し合う。これを10回。

もう一つ、この状態で声を出す。出しやすい声2回、高い声2回、低い声2回、これを1セットとして5セット。

4.発声練習  息を吸って、止めて一気に声を出して1秒伸ばす。声は出しやすい声2回、高い声2回、低い声2回×5セット。

もうひとつは息止め練習と同様に胸の前で手を押し合いながら、高い声から低い声へ、低い声から高い声へと出し続けるのを10回。

5.歌唱 好きな歌を3曲から10曲歌う。

 

こんなことを毎日朝食後にやっていました。とくに2と3は上半身の力を使うので病み上がりの、しかも左右の首にメスが入った体にはけっこうきつかったです。まだ息も続かない状態だったので、ひーひー言いながらやってました。歌も初めは3曲も歌えばぐったり。まあそこが狙いでもあるのでしょうけど。要は声帯の筋トレなわけで、麻痺している神経に刺激を与えて元の動きを思い出させるためですね。

あと、STさん曰く、声のリハビリには歌がいちばんいいようで、とにかく好きな歌を歌いなさい、と言われました。ただし、酒を飲んで歌うのは声帯が腫れるので禁止でしたけど。

 

このリハビリを入院中から数えると6カ月続行。多少は息も続くようになり、歌も10曲まで歌えるほどに体力は戻ってきたのですが、肝心の声は戻りません。状態を見たSTさんから、次の診察時にドクターに相談したほうがいい、と言われます。

どうしたものでしょう、と聞くと、同じ病院の耳鼻咽喉科に月に2回、音声外来の先生が来るので診てもらったら、と言われました。そこで早速直近に外来がある日の予約を入れてもらいます。

 

長くなったので、次回は音声外来での診察所見とその後に受けた治験手術について、なるべく時間を置かずに書きます。

3度目の入院したのは去年の4月28日。うちの病院は火木が手術日でその前日に入院するのが定例のようです。僕の手術日は30日の木曜日だったのですが、前日が祝日のためもう1日早く入院した次第。

 

ひと月おきに3回目となればこちらもスタッフも慣れたもので、「あれ?ももわかさん、今日入院だっけ」「そうですよ、またよろしく」などと挨拶をかわしベッドに案内されます。今回は窓側。前回は廊下側だったので、こっちのほうが気が晴れます。ちょうど気候もいい季節になってきたし。

1日空くので、手術前夜に帰ってくるなら外泊してきてもよい、と言われたので、早速外泊。しっかり飲みに行きました。

当日は、きつめのソックスだのT字帯だのルーティンの準備をした上で、車椅子で手術室へ。またもお会いした麻酔医のかわいい女医さんから「もう今回で最後にしたいですね」と言われうなずくばかり。前回の手術後に嘔吐したことを覚えてくれていたのか、麻酔をかけてからも「気分はどうですか?」と手を握ってくれてました。ラッキー! 

 

手術自体は3時間くらい? 9時に入り昼にはベッドに戻りこれも毎度ですがぐったりです。疲れますね、手術は。なのでブロ友さんで術後24時間で退院とか、3~4日で退院された話を聞くと驚愕です!

ただ、前回と違い今回は術後の経過もよく、リンパの量も順調に減っていき、ドレーンの抜けるのも早く気持ちは楽でした。かわるがわるに顔を見せるドクター、看護師も「うん、順調ですね」と言ってくれるので、「そうなんです、あとは声がちゃんと出れば」と言ってました。

僕は左右両側を郭清したのですが、左側を郭清した場合のほうがリンパ漏になる率が高いそうです。確かに左側はドレーンがなかなか抜けずにつらかったです。静脈の関係では?などと聞きましたが、どうなんでしょう。

退院は5月12日。これからは月に1度、診察と声帯麻痺のリハビリに通うことになります。

リハビリは声帯の筋トレ的なもので、ST(言語聴覚士)さんからもらったメニューを毎日自宅で練習。月1の通院時に回復具合をチェックする感じですね。

次回からは、がんのことは置いておき、声帯麻痺のリハビリメニューと診察・治療・治験手術について書きたいと思います。