http://www.ntv.co.jp/kaseifu/

凄いドラマであった。考えれば考えるほど、ストーリーが完璧に出来ていて、驚いてしまう。遊川和彦という脚本家のことも知らなかったのだが、なぜこんな正しいものを作れるのだろうか。

それから、テレビをほとんど見ないので、松嶋菜々子という女優も知らなかった。完璧な演技であった。おそらく、これは単なる演技ではないのだと思う。というのも、最終回の特別編と本編との間に風邪薬のコマーシャルが流れていたのだが、

http://www.taisho.co.jp/pabron/sg/tvcm/

これが全く欺瞞的なのである。ネットで画像を検索してみたが、いずれも魅力のない偽装の表情ばかりであった。ミタさんが圧倒的に存在感があり、魅力的である。

ということはおそらく、こちらが彼女の本当の姿に近いのである。彼女の健康そうでにこやかな姿の背後に、押し殺された悲しみと苦しみとが、渦巻いているのであろう。それを見抜いて起用したというのは、大変なことである。また、それを怖れずに引き受けた彼女の勇気にも敬意を表したい。

また、斉藤和義の主題歌も、それから、ミタさんが暴走するときの音楽も非常に効果的であった。下のコンサートのバージョンよりも、ドラマの方で、最後の「やさしくなりたい」というところでブチッと切れるのが衝撃的だった。



(つづく)