チェルノブイリの1割というのを強調しているが、何ら、嬉しくない。

63万テラベクレルというのは、

630,000 × 1,000,000,000,000  ベクレル

である。
1秒間に1つ原子が崩壊するのが1ベクレルだから、1秒間に

370,000,000,000,000,000個~630,000,000,000,000,000個

の原子が崩壊して放射線を出す。チェルノブイリは、

5,200,000,000,000,000,000個

だから、これに比べるとずっと少ないよね~、と言われても、人間にはもはや区別がつかない。

チェルノブイリは10日で勝負がついた。
福島は何年もかかる。
福島の炉心にある放射能はチェルノブイリの2倍であり、それ以外に使用済燃料が1万本くらいある。
福島のありうる最大限は、チェルノブイリをはるかに超える。
福島第二原発も、普通の基準では大きな事故が起きている。
それらを積算すれば、福島の事故の規模は、チェルノブイリを越えていると私は思う。
被害の規模はこれからどうなるかわからないが、そちらも、今後の進展と風向き次第では、周辺の人口がはるかに多いので、チェルノブイリを超える可能性がある。

============
福島原発事故、最悪「レベル7」 チェルノブイリ級に

2011年4月12日11時15分 朝日新聞

原子力事故の国際評価尺度

原子炉冷却のシナリオ
 福島第一原発の事故について、経済産業省原子力安全・保安院と原子力安全委員会は、これまでに放出された放射性物質が大量かつ広範にわたるとして、国際的な事故評価尺度(INES)で「深刻な事故」とされるレベル7に引き上げた。原子力史上最悪の1986年のチェルノブイリ原発事故に匹敵する。放射性物質の外部への放出量は1けた小さいという。12日午前に発表した。

 保安院は3月11日の地震に伴う事故直後、暫定評価でレベル4としていた。18日に1979年の米スリーマイル島原発事故に匹敵するレベル5に引き上げた。その後、放出された放射性物質の総量を推定したところ、事故から4月5日までに放射性ヨウ素換算で37万~63万テラベクレル(テラは1兆倍)になった。INESの評価のレベル7にあたる数万テラベクレル以上に相当した。

 チェルノブイリ事故では爆発と火災が長引き、放射性物質が広範囲に広がり世界的な汚染につながった。実際の放出量は520万テラベクレルとされている。今回の福島第一原発の事故での放出量はその1割程度だが、評価尺度でレベル7の条件に当たる「放射性物質の重大な外部放出」に該当すると判断された。評価結果は国際原子力機関(IAEA)にも報告される。

 福島第一原発では、原子炉格納容器の圧力を逃がすため放射性物質を含む水蒸気を大気中に放出した。さらに地震後に冷却水が失われ核燃料が露出して生じたとみられる水素によって、1、3号機では原子炉建屋が爆発して壊れた。

 2号機の格納容器につながる圧力抑制室付近でも爆発が起こったほか、4号機の使用済み燃料貯蔵プールでの火災などが原因で放射性物質が大量に放出されたと見られている。

 ただ、原発周辺や敷地の放射線量の測定結果は3月15~21日に非常に高い値を示していたものの、その後低下している。4月10日に非公開で開かれた安全委の臨時会で保安院の黒木慎一審議官は「最悪の事態は今は脱した」と報告している。(香取香介、小堀龍之)